CP+2013を見て ~意外と充実した展示会


CP+2013アジア最大の総合映像展示会、CP+2013を見てきました。詳細は「CP+2013 速報」をご覧いただければと思いますが、展示会を見ての雑感をこちらに記したいと思います。
世界最大のカメラ展示会、フォトキナは1年おき(西暦では偶数年)に開催されます。そのため、奇数年の年初に開催されるCP+では、あまりインパクトのある新製品は登場しない、と言われています。
昨年のフォトキナでは、レンズ交換式カメラや高級コンパクトなど多くの新製品が登場しましたので、正直なところ今年のCP+にはあまり期待していませんでした。


しかし、ふたを開けてみれば、予想外に充実した展示会であると思います。もし、まだ迷っている方がいましたら、ぜひ参加されることを強くお勧めします。

今回、特に印象に残った機種は、キヤノン PowerShotN富士フイルム X20 です。
Canon powerShotNまず、PowerShotNですが、いうまでもなく型破りな形状と操作性が印象的です。一見すると、リコーGXR用のレンズユニットのように見えますが、スクエアなボディの中にレンズとイメージセンサー、そして液晶モニターが内蔵されています。しかも、液晶モニターはチルト稼働するだけでなくタッチセンサーにも対応。さらに、Wi-Fiを内蔵していますので、スマートフォンをリモコンとして撮影することもできます。イメージセンサーは有効1210万画素1/2.3型CMOSで、レンズは28-224mmF3.0-5.9(35mm換算)の光学8倍ズームですから、コンパクトデジカメとしても標準以上の描写力が期待されます。また、24fpsながらフルHDの動画も撮影できます。
CP+2013で実際に触ってみると、シャッターを切るときの操作感が気持ちよく、動作も軽快でした。何も考えずにパシャパシャと写真を撮る楽しさは、デジカメの新しい愉しみ方を拓くように感じます。当面はキヤノンのオンラインショップでのみの販売となるようですし、3万円弱の価格も決して安くはありませんが、おそらくメーカーが予想している以上に売れるのではないでしょうか。

FUJIFILM X20もう一つの富士フイルムX20は、まず実像式光学ファインダーに情報が表示される点が気に入りました。そのため、ファインダーを使った撮影の実用性が格段にアップしています。視野率やパララックスの問題はありますが、ファインダーを覗いていると一眼レフを操作しているような気がします。実物にさわる機会がありましたら、ぜひこのファインダーを覗かれることをお勧めします。
もう一つの魅力は、やはり軽快な操作感です。オートフォーカススピードや連写性能など、明らかにX10よりも向上しており、やはり気の向くままにシャッターを押す、という気にさせてくれるカメラです。もちろん描写性能はX100Sの方が上回っていますが、28-112mmF2.0-2.8(35mm換算)のレンズを搭載している点や、一回り小型で軽量なボディを含め、だれにでもお勧めできる機種だと感じました。

その他にも、CP+で実物を触って魅力を感じた機種は少なくありませんでした。このあたりは「CP+2013速報」でも触れていますので、ぜひご覧いただければと思います。

現在のデジカメの祖ともいうべきカシオQV-10が登場したのは1995年3月。それから数えると、そろそろ20年が経過しようとしています。総画素数25万の1/5型CCDと1.8型液晶モニターのQV-10と比較すると、現在のデジカメの持っている実力は驚くほど進化しました。利便性や連写性能、高感度性能だけでなく、解像力をはじめとする描写力でさえ、すでにフィルムカメラを凌駕しています。
この20年間で築き蓄積してきた実力をベースに、「第二のQV-10誕生」ともいうべき新たな飛躍の時が近づいていることを予感させてくれる展示会でした。