【一口コラム】 背面側にもカメラを搭載した新コンセプト機
2013年1月に発表されたPowerShotN(製品レビュー)も耳目を集めましたが、こんどは液晶モニター側にもサブカメラを搭載したPowerShotN100が海外で発表されました。国内での発売は未定ですが、米国では5月に$349.99(104円換算で約3万6千円)で登場するようです。
カメラとしてのコンセプトはPowerShotNに近いものを感じますが、ボディサイズやイメージセンサー、搭載しているズームレンズなどはむしろ高級コンパクトPowerShotS120(製品レビュー)に準じている印象を受けます。
2013年4月に発売開始となったPowerShotN。メーカー直販のみという販売方法も注目を集めました。
具体的な仕様は不明な点が多いものの、明らかとなった情報によると、概ね次のようなカメラのようです。
- カメラとしての位置づけはPowerShotNの後継機であり、1度の撮影で複数の写真を作ることができる「クリエイティブショット」も強化・搭載されています。
- 液晶モニターの上部に背面カメラが内蔵されています。撮影者の姿をピクチャーインの形で楽しむ「デュアルキャプチャーモード」などに対応しているようです。
- タッチセンサーに対応した液晶モニターは、PowerShotNと同様に90度までチルト可動します。
- PowerShotNでは、ボタン類は最小限度にとどめられていましたが、N100では一般的なコンパクトカメラに準じています。
- ボディサイズは105x68x36mmと、かなり大きくなっています。ちなみにPowerSHotNは78.6x60.2x29.3mmでした。サイズ的にはPowerShotS120よりも一回り大きくなっています。
- イメージセンサーは有効1210万画素1/1.7型CMOSセンサーで、PowerShotS120と同等と思われますが、高感度性能は若干異なります。
- 画像処理エンジンはDIGIC6が搭載されており、これもS120と同じです。
- レンズも、24-120mm相当F1.8-5.7でS120と同じです。
PowerShotN100(左側)とPowerShotS120(右側)。イメージセンサーとレンズはほぼ同じですが、カメラのコンセプトは大きく異なっています。サイズは、N100の方が一回り大きいようです。シャッターボタン周りのデザインは、EOS
Mに似ています。
PowerShotN100(左側)とPowerShotS120(右側)。液晶パネルはどちらも3型92万ドットで、タッチ操作に対応しています。N100では液晶部が90°までチルト稼働するとともに、背面側にもカメラが置かれています(液晶モニター上部のファインダー接眼部的に見える部分です)。
PowerShotN100(左側)とPowerShotS120(右側)。ボディ上面には、シャッターボタン、ズームレバー、動画撮影ボタン、電源ボタンが置かれています。一般的なコンパクトカメラに準じています。
【PowerShotN100とPowerShotS120の比較】
機種名 |
PowerShotN100 |
PowerShotS120 |
イメージ
センサー |
有効1210万画素
1/1.7型CMOS |
有効1210万画素
1/1.7型 CMOS |
レンズ |
5.2-26mm F1.8-5.7
(35mm換算:約24-120mm) |
5.2-26.0mm F1.8-5.7
(35mm換算:約24-120mm) |
ISO感度 |
ISO80-6400 |
ISO80-12800 |
シャッタースピード |
15-1/2000秒 |
250-1/2500秒 |
液晶モニター |
3型92万ドット
タッチパネル |
3型92万ドット
タッチパネル
|
連写速度 |
- |
12.1コマ/秒 |
動画撮影 |
1920 X 1080(30fps) |
1920 X 1080(60fps) |
インターフェース |
USB、マイクロHDMI |
USB、AV OUT、HDMIミニ |
バッテリー |
NB-12L
330枚 |
NB-6LH
230枚 |
付加機能 |
Wi-Fi/NFC
背面カメラ |
Wi-Fi |
サイズ
(W x H x D) |
105×68×36mm |
100.2x59x29 mm |
重さ |
289g / 252 g |
217g / 193g |
新コンセプトカメラとしての中身はPowerShotNから引き継ぎ、強化されている一方で、撮影部分は高級コンパクトPowerShotS120に近いものを搭載しています。このことを「中途半端」と捉えることもできますが、私はむしろPowerShotNで行った「実験」で実用性を確認したキヤノンが、本格的に一般のコンパクトカメラに導入していく意欲を示したものであるように感じました。
ボディサイズがやや大きいため、国内で販売されるかどうかは微妙な気もしますが、PowerShotNのコンセプトをさらに発展させるカメラとして、ぜひとも国内市場にも投入してほしいと思います。
( by Inaba Kunio)
【追記】
CP+2014に向けて、国内でも正式発表となりました。PowerShotNとはことなり、一般販売店でも購入可能になるとのことです。すでに店頭では予約も受け付け始められており、3万円台前半で購入できそうです。
( by Inaba Kunio)
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