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特集 Canon PowerShotS120

キヤノン PowerShotS120 ~描写性能を強化した五代目の「S」

キヤノン PowerShotS120  by Inaba Kunio    描写性能を強化した五代目のスタイリッシュ高級コンパクト  評価:5.0
キヤノン   PowerShotS120 Canon


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1.PowerShotS120の位置づけと概要


 明るいレンズと新型画像処理エンジンを搭載

 キヤノンの高級コンパクト、PowerShotS120、PowerShotS200PowerShotG16 が発売開始となりました。この中でPowerShotS120は、2012年10月に登場したPowerShotS110の直系後継機であり、描写性能を中心とした強化がされています。

キヤノン  PowerShotS110
 2012年10月に登場したPowerShotS110。


 →発売前の記事一口レビュー:描写性能を向上させた5代目はこちら。

 上記の記事にも記載しました通り、PowerShotS120の主な特徴は次の通りです。
  • 24-120mm相当F1.8-5.7の光学5倍ズームレンズを搭載。わずかではありますが、ズーム全域で明るくなっています。(S110はF2.0-5.9)
  • 新型の有効1210万画素1/1.7型CMOSセンサーを搭載。
  • 画像処理エンジンがDIGIC5から新型のDIGIC6に進化し、連写性能、動画性能等が強化されています。
  • 連写性能は最高で12.1コマ/秒(S110では10コマ/秒、AF連続では4.4コマ/秒)に進化。バッファーフルになっても最高9.4コマ/秒でカード容量一杯までの連写が可能です。
  • オートフォーカスも高速化され、広角端ではS110より約50%短縮しています。
  • 動画撮影もフルHDで60pに対応。
  • 液晶モニターは3型46万ドットから3型92万ドットに高精細化。引き続きタッチセンサーとなっています。
  • Wi-FiについてもS110と同様に内蔵。
  • ボディサイズは100.2x59x29mmと、S110(98.8x59x26.9mm)よりもわずかに大型化。重さも198gから217gへと19g重くなっています。

 カメラとしての基本機能はPowerSHotS110を踏襲していますが、描写性能や高速性の面で大きく進化したと言えます。

 S120とS200、S110。どれを選ぶべきか?

 店頭を見ると、しばらくの間は新製品のPowerShotS120やPowerShotS200と一緒に、前機種であるPowerShotS110も併売されるものと思われます。現時点での実売価格は、S120の4万円台半ばに対し、S200は3万円前後、S110は2万円台半ばとなっています。

キヤノン  PowerShotS120 キヤノン  PowerShotS200 キヤノン  PowerShotS110
 左から、PowerShotS120、PowerShotS200、PowerShotS110。

 まず最初に、屋内など暗いシーンでの撮影や、より高速なレスポンスや連写性能を必要とされる方は、やや高めではあるもののS120の一択になると思います。動画性能も60pのフルHDで撮影できるのはS120だけですので、この点を重視される方も同様です。

 逆に言えば、それらが気にならないのであれば、価格面を重視してS200やS110からの選択でも良いかもしれません。発売直後ということでS200の方が高い間は、機能面でも充実しているS110の方がお勧めかもしれません。とくにS200はRAWでの撮影には対応していませんので、逆に言えばそうしたニーズのない使い方にフォーカスした製品と言えると思います。

【PowerShotS120とS200、S110の比較】

機種名 PowerShotS120 PowerShotS110 PowerShotS200
イメージ
センサー
有効1210万画素
1/1.7型 CMOS
有効1010万画素
1/1.7型 CCD
レンズ 5.2-26.0mm F1.8-5.7
(35mm換算:約24-120mm)
5.2-26.0mm F2.0-5.9
(35mm換算:約24-120mm)
画像処理
エンジン
DIGIC6 DIGIC5
ISO感度 ISO80-12800 ISO80-6400
シャッター
スピード
250-1/2500秒 15-1/2000秒
液晶モニター 3型92万ドット
タッチパネル
3型46万ドット
タッチパネル
3型46万ドット
連写速度 12.1コマ/秒 ハイスピード連写:10コマ/秒 ハイスピード連写:4.5コマ/秒
動画撮影 1920 X 1080(60fps) 1920 X 1080(24fps) 1280 X 720(24fps)
バッテリー NB-6LH
230枚
NB-5L
200枚
NB-6LH
200枚
その他 Wi-Fi/RAW Wi-Fi
サイズ
(W x H x D)
100.2x59x29 mm 98.8x59x26.9 mm 99.8x59x26.3 mm
重さ 217g / 193g 198g / 173g 181g / 160g


 それでは、五代目の「S」となるPowerShotS120の実力をテストしてみます。


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2.PowerShotS120を開封し外観をチェック


 キヤノン PowerShotS120を開封する

 キヤノンのPowerShotS120が発売開始となりました。PowerShotS200と同時スタートですが、S200はイメージセンサーがCCDであったりRAW非対応などの違いがあります。

 販売開始時の実売価格は4万3千円前後でした。2012年10月登場のPowerShotS110 のスタート価格は4万円前後でしたので、機能強化された分、やや高めと言えます。

 なお、PowerShotS110はブラック、ホワイト、シルバーの3色が用意されていましたが、PowerShotS120はブラックとシルバーの2色となります。ホワイトもしっとり感がありましたので少々残念な気もします。なお、S200はブラックとホワイトの2色となります。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

  PowerShotS120のパッケージは濃紺をベースにした薄型サイズです。前機種のS110やS100等と同じデザインです。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 蓋を開けると、上に簡易トレイが置かれており、ユーザーガイドや保証書等が載せられています。保証書は国内でのみ有効なものです。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 ユーザーガイド等が入っているトレーの下には、カメラ本体や付属品が格納されています。上の白い包みがカメラ本体で、右下はバッテリーチャージャーです。シンプルなパッケージだと思います。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 同梱されている付属品。左上よりユーザーガイド、バッテリーチャージャーCB-2LY、バッテリーNB-6LH、リストストラップ。ソフトウェアは付属していませんので、CameraWindow(画像の取り込みやカメラの設定用)、ImageBrowserEX(画像の閲覧、管理、印刷用)、DigitalPhotoProfessional(RAW画像の閲覧、現像、編集用)はキヤノンのサイトからダウンロードする必要があります。また、USBケーブルは付属しませんが、画像データはWi-Fiを使うかメモリーカードでパソコン側に移すことが可能です。


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 キヤノン PowerShotS120の本体をチェック

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 ボディ前面。PowerShotS110の直線的なデザインから、S95以前の丸みを帯びたデザインに戻っています。レンズの開放F値はF1.8-5.7になり、少々明るくなっています。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 ボディ液晶画面側。基本的なレイアウトは前機種S110等とほぼ同じです。親指部分のゴムの形状が変わっています。液晶モニターも92万ドットに高精細化されました。S110と同様にタッチ操作にも対応しています。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 ボディ上面。パネルは艶のある塗装のように見えますが、ON/OFFボタンを中心とした同心円の細かい溝が掘られています。上面のレイアウトも基本的にはS110を踏襲しています。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 ボディ底面。三脚用の穴は金属製で、レンズ光軸上に配置されています。向かって左側はバッテリー室の蓋で、この中にバッテリーとメモリーカードが格納されます。カメラ本体は日本製。購入したカメラのS/Nは2xxxでした。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 ボディ左側面。新たに内蔵ストロボポップアップスイッチが搭載されています。その上にあるのはストラップ取り付け部で、S110よりも大型化されています。右側にもありますので、両吊にも対応しています。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 ボディ右側面。こちら側には外部接続端子が置かれています。ストラップ取り付け部は両吊対応ですが、付属しているのは片吊用のリストストラップとなります。オプションでネックストラップ付のソフトケースが用意されています。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 ボディ右肩にあるCanonのロゴ。刻印された中に白いインクが流し込まれています。シルバーボディの文字色は黒になります。
 ロゴの右に見えるランプは、AF補助光、赤目緩和機能、セルフタイマーランプを兼ねるものです。


キヤノン   PowerShotS120 Canon

 レンズ右下にある機種名のロゴ。S110では印字でしたが、S120では刻印に変更されています。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 軍艦部右側のシャッターボタン周辺。シャッターボタンと同軸にズームレバーが置かれています。S110ではボディ上面に単独のWi-Fiインジケーターランプが置かれていましたが、S120では省略されています。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 モードダイヤルに設定された項目は、ほぼS110と同じです。モードダイヤルの「プラスムービーオートモード」は、S110で追加された「ムービーダイジェストモード」と同等の機能で、静止画撮影時に前の2~4秒分を動画として記録し、1日分をまとめてファイル化するものです。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 液晶側のメインコントロール部。ボタンやダイヤル類はS110と同じです。右下の丸型部分はコントローラーホイールとして機能します。ボタン形状は中央部が突出するとともに、周りにガードの土手が設けられています。S110よりも押しやすくなっています。
 再生ボタンの上にあるランプは、パソコン接続時や画面消灯時には点灯し、起動中やメモリーカードへのアクセス中、Wi-Fi接続中に点滅します。


キヤノン   PowerShotS120 Canon

 ボディ上面。左上にある四角は内蔵ストロボの上部です。その右にある5つの穴は、中央部3穴がスピーカー、その両側がステレオマイクとなります。


キヤノン   PowerShotS120 Canon

 レンズ周辺には初代S90からのコントローラーリングが配置されています。DMC-RX100やDMC-LF1などにも搭載されており、薄型高級コンパクトの標準的なインターフェースの一つと言えるかもしれません。
 S110のものと比べると、コントローラーリングの基部がやや厚くなっています。これはレンズが明るくなったことの影響かもしれません。


キヤノン   PowerShotS120 Canon

 外部接続端子カバーの内側。上から、A/V OUTとDIGITAL兼用端子とHDMIミニ端子となります。この部分はS110と共通です。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 新設されたストロボポップアップスイッチ。機械式のため、電源が入っていない状態でも機能します。S110では、ストロボ設定によって自動的にポップアップしましたが、中上級者であればスイッチ操作の方がわかりやすいと思います。
 スイッチの下にはWi-Fiアンテナ部を示すマークが印字されています。NFCは内蔵されていません。


キヤノン   PowerShotS120 Canon

 内蔵ストロボをポップアップさせた状態。写真のレンズは広角端です。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 同じく内蔵ストロボをポップアップさせた状態。写真のレンズは50mm相当の画角で、概ねこの時にレンズ長は最短となります。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 こちらは望遠端の状態です。この時にレンズ長は最長となります。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 バッテリー室カバーを開いた状態。メモリーカードの挿入方向を示すガイダンスが貼付されています。バッテリーの挿入方向は表示されていませんが、誤った方向で挿入してもロックがかからないようになっています。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が前側となります。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 液晶モニターはタッチ対応で、92万ドットに高精細化されました。ヒストグラムや電子水準器の表示も可能です。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 カメラ本体の重さは実測値で194.0gでした。メーカー公表値は193gです。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 バッテリーとメモリーカードを挿入した状態の実測値は217.5gでした。メモリーカードのよって異なりますが、メーカー公表値は217gです。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 PowerShotS120(左側)とPowerShotS95(右側)を比較したものです。S95のサイズとデザインは、ほぼPowerShotS200と同じです。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 PowerShotS120(左側)とPowerShotS95(右側)。液晶パネルはどちらも3型ですが、S120の方が高精細でタッチ操作にも対応しています。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 PowerShotS120(左側)とPowerShotS95(右側)。仕様上のボディ厚はほぼ同じですが、S120の方がボディ部分の厚さが薄くなっています。

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 PowerShotS120のバッテリー関係をチェック

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 付属するバッテリーチャージャーCB-2LY。NB-6LHの充電には最大で2時間かかります。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 コンセントに接続するプラグ部分は回転して格納できます。接続するコンセント側にスペースが必要となりますが、可搬性の点でメリットとなります。チャージャーは中国製。

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 付属するリチウムイオンバッテリーNB-6LH。容量は3.7V 1060mAhで、S200やS95等にも使用可能です。静止画であればエコモードで300枚、通常モードで230枚の撮影が可能で、動画であれば連続1時間、CIPA基準では30分の撮影となります。

 PowerShotS120の付属品をチェック

キヤノン   PowerShotS120 Canon

 付属するリストストラップ。柔軟性のある素材で作られています。



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3.PowerShotS120の描写性能はどうか?


 描写力チェック1:高感度性能

 PowerShotS120の基本感度はISO80で、ISO12800までの設定が可能となっています。これは前機種のPowerShotS110と同じです。

 高感度性能については、撮影メニューの中に「高感度時NR」の項目があり、「弱」「標準」「強」の3段階で設定できます。PowerShotS120はRAW撮影も可能ですので、撮影後にパソコン上でノイズリダクション処理をかけることもできます。なお、RAWまたはRAW+JPEGでの撮影時には、自動的に「標準」での撮影となります。

 下記のサンプルは、各ISO感度別にテスト撮影を行ったものとなります。基本的な傾向はPowerShotS110と似ていますが、高感度でノイズリダクションを有効にした時の解像感の低下が低減しているように感じました。

 高感度時ノイズリダクションを「標準」に設定しチェックすると、ISO800まではほとんどノイズを感じませんが、ISO1600あたりから暗部などでわずかながらノイズが見えてきます。ISO3200になるとそれなりにノイズが目立つようになってきますが、実用レベルであると思います。ISO6400以上になるとかなりノイズが増え解像感の低下も感じられますが、使い方によっては等倍画像でも活用可能だと感じました。

 高感度ノイズリダクションを「標準」にすると、かなりノイズ感は改善されますが、わずかながら解像感にも影響はあります。「強」にすると、さらに高感度ノイズは低減化されましたが、解像感の低下はやや目立つようになります。

 下記のサンプルは、高感度ノイズ低減を「弱」、「標準」、「強」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものとなっています。表示画像は等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。


Canon_ANEX-7
サンプル画像。左下の赤枠の部分を切り出してあります。
切出画像は等倍画像です。クリックすると元画像が開きます。

ISO80
(「弱」「標準」「強」)

キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon

ISO100
(「弱」「標準」「強」)

キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon

ISO200
(「弱」「標準」「強」)

キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon

ISO400
(「弱」「標準」「強」)

キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon

ISO800
(「弱」「標準」「強」)

キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon

ISO1600
(「弱」「標準」「強」)

キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon

ISO3200
(「弱」「標準」「強」)

キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon

ISO6400
(「弱」「標準」「強」)

キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon

ISO12800
(「弱」「標準」「強」)

キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon キヤノン   PowerShotS120 Canon

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 描写力チェック2:歪曲収差

 キヤノン PowerShotS120は、35mm換算で24-120mm、光学5倍ズームレンズを搭載しています。PowerShotS110と比較するとわずかながらレンズが明るくなっています。レンズ構成はほぼ同じと思われますが、周辺部の歪曲収差はわずかながらS110よりも強めに出ているように感じました。

 PowerShot S120にはカメラ内の設定で「ゆがみ補正」等の項目はありませんので、必要であれば撮影後にソフトウェアで補正をかけることになります。

 下記のサンプルは、広角端24mm相当、35mm相当、85mm相当、望遠端120mm相当で撮影したものです。いずれも絞り開放となっていますが、コンパクトな5倍ズームレンズ搭載機としては、歪曲収差、周辺光量不足とも良好に補正されています。

 歪曲収差に関しては、広角端ではわずかに樽型収差を確認することができますが、24mm相当の画角を考えると気にならないレベルであると思います。その後、望遠側に移るにつれ補正がされていき、望遠端でほぼ完全に樽型収差が補正されていました。

5.2mmF1.8(24mm相当)
キヤノン   PowerShotS120 Canon

7.5mmF2.8(35mm相当)
キヤノン   PowerShotS120 Canon

18.3mmF4.5(85mm相当)
キヤノン   PowerShotS120 Canon

26.0mmF5.7(120mm相当)
キヤノン   PowerShotS120 Canon


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 描写力チェック3:解像力

 レンズ固定式のカメラでの解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試されます。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行いましたが、結果は、コンパクトカメラとしては高い解像力を示しています。

 まず画像中心部に関してですが、24mm相当の広角端では、開放ではやや柔らかさが残っているものの2段程度絞ると解像感が向上します。わずかにモアレの影響が出ていましたが、概ね2300本あたりまでラインを視認することができました。望遠側に移るにつれ、わずかに解像感の低下が認められましたが、望遠端でも2100本のラインを確認することができました。

 画像周辺部については、広角端絞り開放では柔らかい描写であるもの、やはり2段程度絞るとかなり鮮明な画像となります。望遠端に移るにつれ、絞り開放での画像がしっかりとしてきますが、やはり1段程度絞るとさらに良いと思います。

 レンズが明るくなった分、絞り開放での鮮明度はPowerShotS110の方が高かったように感じますが、S120も絞ることで解像感は上がりますので、撮影シーンに応じて積極的に絞りを変えると良いかもしれません。

 下記の切り出し画像は概ね1/2に縮小してあります。実際のチャートは画像をクリックすると表示されるので、ぜひ直接確認していただければと思います。


ISO12233準拠チャート。中央と左上の赤枠の部分を切り出
してある。画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。

5.2mm F1.8 (35mm換算24mm相当)
キヤノン PowerShotS120 Canon キヤノン PowerShotS120 Canon

5.2mm F2.5 (35mm換算24mm相当)
キヤノン PowerShotS120 Canon キヤノン PowerShotS120 Canon

5.2mm F3.5 (35mm換算24mm相当)
キヤノン PowerShotS120 Canon キヤノン PowerShotS120 Canon


7.5mm F2.8 (35mm換算35mm相当)
キヤノン PowerShotS120 Canon キヤノン PowerShotS120 Canon

7.5mm F4.0 (35mm換算35mm相当)
キヤノン PowerShotS120 Canon キヤノン PowerShotS120 Canon


18.3mm F4.5 (35mm換算85mm相当)
キヤノン PowerShotS120 Canon キヤノン PowerShotS120 Canon

18.3mm F6.3 (35mm換算85mm相当)
キヤノン PowerShotS120 Canon キヤノン PowerShotS120 Canon


26.0mm F5.7 (35mm換算120mm相当)
キヤノン PowerShotS120 Canon キヤノン PowerShotS120 Canon

26.0mm F8.0 (35mm換算120mm相当)
キヤノン PowerShotS120 Canon キヤノン PowerShotS120 Canon


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 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数

 キヤノンによると、 PowerShotS120の連写性能は次の通りです。
  • 連続撮影:約12.1コマ/秒(6枚目以降は約9.4コマ/秒)。
  • AF連続撮影:約5.5コマ/秒
 使用したメモリーカードは高速タイプのものです。
 (SanDisk ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)

RAW+JPEG(Fine L) RAW JPEG(Fine L)
連続撮影  概ね0.6秒毎に1枚のペースでカード容量一杯まで連写。  概ね0.5秒毎に1枚のペースでカード容量一杯まで連写。  概ね0.1秒毎に1枚のペースでカード容量一杯まで連写。
AF連続撮影  概ね1秒毎に1枚のペースでカード容量一杯まで連写。  概ね0.9秒毎に1枚のペースでカード容量一杯まで連写。  概ね0.2秒毎に1枚のペースでカード容量一杯まで連写。
 ※上記のテスト結果は、撮影環境や被写体によっても左右されます。

 JPEGでの撮影時には、実質的に10コマ/秒でカード容量一杯まで撮影可能ですので、コンパクトカメラとしてはトップレベルの連写性能であると感じました。

 RAWやRAW+JPEGでの撮影時には、概ね2コマ/秒のペースに落ちますが、それでもそのままカード容量一杯まで撮影が可能でした。連写速度自体についてはもう少々という気もしますが、そのまま最後まで連写できるので使い勝手は良いと思います。

 なお、最初から最後までほぼ同じペースで撮影できましたので、どの時点でバッファーメモリーが一杯になったのかはわかりませんでしたが、これはある意味で理想の状態かもしれません。


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4.結局、PowerShotS120は「買い」か?


 独断 素晴らしい!smile ポイント 
  • 薄型高級コンパクトとして、完成した姿。
  • 向上した高感度性能。(ISO1600までは実用レベル)。
  • RAW撮影も可能(ただし、JPEGでも十分な画質)。
  • コンパクトボディの割に、ダイヤルとボタンを多用した直接的なインターフェース。
  • フルHD(60p)へと強化された動画撮影機能。
  • コンパクトカメラとしてはトップレベルの連写性能。
  • ステレオマイク、Wi-Fiなど、多くの機能を実装。
  • 強化され、効果の高い手振れ補正機能。
  • 反応レスポンスの良い操作感。
  • 高速化されたオートフォーカス。
  • 反応の良い静電容量式タッチパネル液晶。

 独断 もう一息!not smile ポイント 
  • ボディ内RAW現像には非対応。
  • ソフトウェアCDが同梱されておらず、インターネットからダウンロードする必要がある。
  • USBケーブルは添付されていない。(大部分はWi-Fi機能で代替可能)。
  • Wi-Fiを内蔵しているものの、スマートフォン等からのリモート操作には非対応。
  • 前機種よりもレンズが明るくなったものの、絞り開放での描写力は一歩譲ることに。

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付録 製品仕様からみたPowerShotS120の特長


カラー  ブラック / シルバー
カメラ有効画素数  1210万画素
 
※PowerShotS110も同じ。
撮像素子  1/1.7型高感度(裏面照射型)CMOS、約1,280万画素
 ※PowerShotS110は約1,330万画素。
レンズ  6群7枚(両面非球面レンズ1枚、両面非球面UAレンズ1枚、片面非球面レンズ1枚)
 光学5倍ズーム f=5.2-26mm(35mm換算:24-120mm)/F2.0-5.9
 光学式手ブレ補正機構内蔵
 ※PowerShotS110も同じ。
フォーカス  オートフォーカス:コンティニュアス、サーボAF、マニュアルフォーカス
合焦範囲  通常:3cm(W端)/30cm (T端) - ∞
 マクロ:3㎝(W端)/30cm(T端) -50cm

 ※PowerShotS110も同じ。
絞り  F1.8-5.7
 ※PowerShotS110はF2.0-5.9。
起動時間  1.2秒
 ※PowerShotS110は1.7秒。
デジタルズーム  最大4倍
プログレッシブファインズーム(ラージ時)  10倍
ISO感度  オート、80-12800
 ※PowerShotS110も同じ。
シャッタースピード  1-1/2,500秒(オートモード)
 250-1/2,500秒(すべての撮影モードをあわせて)

 ※PowerShotS110は15-1/2000秒。
ホワイトバランス  オート、太陽光、くもり、電球、蛍光灯、蛍光灯H、ストロボ、水中、マニュアル1、マニュアル2
露出  露出補正(1/3 EVステップ、-3~+3EV)
測光方式  評価、中央部重点平均、スポット
撮影モード  C、M、Av、Tv、P、プラスムービーオート、オート、ポートレート、オートシャッター、星空、手持ち夜景、水中、スノー、打上げ花火、ハイダイナミックレンジ、ノスタルジック、魚眼風、ジオラマ風、トイカメラ風、背景ぼかし、ソフトフォーカス、モノクロ、極彩色、オールドポスター、動画(スタンダード、ハイスピード動画)
液晶モニター  3.0型 92万ドット TFT液晶 視野率約100%
 タッチパネル
 ※PowerShotS110は46万画素。
光学手ブレ補正(IS)  マルチシーンIS 入/切/撮影時
 静止画時:静止画/ハイブリッド/流し撮り/三脚を自動切り替え
 動画時:ダイナミック/ハイブリッド/パワード/三脚を自動切り替え
 補正効果(静止画時):3.0段(テレ端)(タッチシャッター操作時は除く)
セルフタイマー  約10秒後/約2秒後/カスタム
連続撮影
 通常:約12.1枚/秒
 6枚目以降は9.4枚/秒
 ※PowerShotS110は2.1コマ
フラッシュ  調光範囲:50cm~7.0m(W)/50cm~2.3m(T)
記録メディア  SDXCカード/SDHCカード/SDカード
記録画素数(静止画)  ・アスペクト[16:9] 設定時
 ラージ:4000x2248
 ミドル1:2816x1584
 ミドル2:1920x1080
 スモール:640x360
 RAW:4000×2248
 ・アスペクト[3:2] 設定時
 ラージ:4000x2664
 ミドル1:2816x1880
 ミドル2:1600x1064
 スモール:640x424
 RAW:4000×2664
 
・アスペクト[4:3] 設定時
 ラージ:4000x3000
 ミドル1:2816x2112
 ミドル2:1600x1200
 スモール:640x480
 RAW:4000x3000

 ・アスペクト[1:1] 設定時
 ラージ:2992x2992
 ミドル1:2112x2112
 ミドル2:1200x1200
 スモール:480x480
 RAW:2992×2992
 ・アスペクト[4:5] 設定時
 ラージ:2400x3000
 ミドル1:1696x2112
 ミドル2:960x1200
 スモール:384x480

 RAW:2400×3000
 ※PowerShotS110も同じ。
再生関係  シングル再生、拡大再生(約2~10倍)、連想再生、グループ再生、動画再生、スライドショー、ダイジェスト動画再生、インデックス表示、ヒストグラム表示、位置情報表示
表示言語  日本語、英語、中国語
動画撮影  〈フルハイビジョン〉1920×1080:60fps/30fps
  (実際のフレームレートは59.94fps/29.97fps)
 〈ハイビジョン〉1280×720:30fps
  (実際のフレームレートは29.97fps)
 〈スタンダード〉640×480:30fps
  (実際のフレームレートは29.97fps)
  (星空インターバル動画、ハイスピード動画、ジオラマ風設定時はフレームレートが変わります。)
 ※PowerShotS110はフルHD(24fps)まで。
記録画像ファイル形式  静止画:JPEG(Exif2.3)/RAW(12ビット、CR2)
 動画:MP4[映像:MPEG4-AVC/H.264、音声:MPEG2 AAC-LC(ステレオ)]
外部端子  Hi-Speed USB、A/V-OUT、HDMI(ミニコネクター)
 IEEE802.11 b/g/n(2.4GHz帯のみ)
電源  専用リチウムイオン充電池(NB-6HL)、ACアダプターキット(ACK-DC40別売)
 充電時間は約120分
寸法(WxHxD)  100.2×59.0×29mm
 ※PowerShotS110は98.8×59.0×26.9。
質量  約217g(バッテリー、メモリーカード含む)
 約139g(本体)
 ※PowerShotS110は198g/173g。

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