【一口コラム】 描写性能を向上させた5代目
キヤノンからPowerShotS120、PowerShotS200、PowerShotG16の高級コンパクト3機種が登場しました。このうち、PowerShotS120とPowerShotS200は兄弟機で、いずれも2009年10月に登場したPowerShotS90の末裔となります。
- PowerShotS90 2009年10月 1040万画素1/1.7型CCD、28-105mm相当F2-4.9。
- PowerShotS95 2010年8月 手ぶれ補正機能の強化、HD動画撮影に対応。
- PowerShotS100 2011年12月 1210万画素1/1.7型CMOS、24-120mm相当F2-5.9、GPS
- PowerShotS110 2012年10月 GPSの代わりにWi-Fiを搭載。
- PowerShotS200 2013年9月 S95相当だがDIGIC5、Wi-Fiを搭載。
- PowerShotS120 2013年9月 レンズが明るくなり、画像処理エンジンもDIGIC6に。
今回登場したS120とS200を見ると、S120はS110の正常進化モデルであるのに対し、S200はS95に最新機能を搭載した機種となっており、兄弟機と言えそうです。
まずは、PowerShotS120はPowerShotS110からどのように進化したのかをチェックしてみたいと思います。
PowerShotS120(左側)とPowerShotS110(右側)。基本的なデザインは共通していますが、やや曲線的なデザインに戻ったように思います。また、レンズ鏡胴部付け根にあるコントローラーリングの厚みが増して操作性が向上しているようです。
PowerShotS120(左側)とPowerShotS110(右側)。レンズの焦点距離はどちらも24-120mm相当と同じですが、開放F値はF2.0-5.9からF1.8-5.7へとわずかながら明るくなっています。
PowerShotS120(左側)とPowerShotS110(右側)。液晶モニターはどちらも3型ですが、46万ドットから92万ドットへと高精細化されています。なお、両機種とも液晶パネルはタッチ操作に対応しています。
PowerShotS120の主な特徴は次の通りです。
- 24-120mm相当F1.8-5.7の光学5倍ズームレンズを搭載。前機種のS110ではF2.0-5.9だったので、ズーム全域でやや明るくなった。なお、6群7枚のレンズ構成や最短撮影距離(広角端3cm、望遠端30cm)は同じ。
- イメージセンサーは有効1210万画素1/1.7型CMOS。ただし総画素数は1330万画素から1280万画素に変わったので、新型センサーと思われます。
- 画像処理エンジンがDIGIC5から新型のDIGIC6に進化しています。キヤノンによると、とくに動画性能の強化が図られているとのことです。DIGIC6は、4月に登場したPowerShotSX280HSにも搭載されています。
- 撮影シーンにあわせて6つの手ぶれ補正を切り替える「マルチシーンIS」を新規に搭載。
- フルHDで60p(S110では24fps)の動画撮影に対応。
- 連写性能も強化。最高で12.1コマ/秒(S110では10コマ/秒、AF連続では4.4コマ/秒)。
- 連続撮影枚数も、最高9.4コマ/秒でカード容量一杯まで撮影可能(S110は10コマまで)。
- 液晶モニターは3型46万ドットから3型92万ドットに高精細化。引き続きタッチセンサーとなっています。
- Wi-FiについてもS110と同様に内蔵。
- ボディカラーはブラックとシルバー(S110ではホワイトもありました)。
- ボディサイズは100.2x59x29mmと、S110(98.8x59x26.9mm)よりもわずかに大型化。
- 重さも198gから217gへと19g重くなっています。
【PowerShotS120とS110の比較】
機種名 |
PowerShotS120 |
PowerShotS110 |
イメージ
センサー |
有効1210万画素
1/1.7型 CMOS |
有効1210万画素
1/1.7型 CMOS |
レンズ |
5.2-26.0mm F1.8-5.7
(35mm換算:約24-120mm) |
5.2-26.0mm F2.0-5.9
(35mm換算:約24-120mm) |
ISO感度 |
ISO80-12800 |
ISO80-12800 |
シャッタースピード |
250-1/2500秒 |
15-1/2000秒 |
液晶モニター |
3型92万ドット
タッチパネル
| 3型46万ドット
タッチパネル
|
連写速度 |
12.1コマ/秒 |
ハイスピード連写:10コマ/秒 |
動画撮影 |
1920 X 1080(60fps) |
1920 X 1080(24fps) |
インターフェース |
USB、AV OUT、HDMIミニ |
USB、AV OUT、HDMIミニ |
バッテリー |
NB-6LH
230枚 |
NB-5L
200枚 |
その他 |
Wi-Fi |
Wi-Fi |
サイズ
(W x H x D) |
100.2x59x29 mm |
98.8x59x26.9 mm |
重さ |
217g / 193g |
198g / 173g |
なお、同時に発表となったPowerShotS200との違いについても気になるところです。
PowerShotS120(左側)とPowerShotS200(右側)。やはり基本的なデザインは共通しています。S200ではボディ上面のモードダイヤルやズームレバーがボディ内に埋め込まれていますが、これはPowerShotS95と同じです。
PowerShotS120(左側)とPowerShotS200(右側)。S200のステレオマイクはS110と同様にボディ前面に置かれていますが、S120ではボディ上面に移されています。
PowerShotS120(左側)とPowerShotS200(右側)。基本的なインターフェースはSシリーズ共通です。なお、S200の液晶モニターはタッチパネルに対応していません。
【PowerShotS120とS200の比較】
機種名 |
PowerShotS120 |
PowerShotS200 |
イメージ
センサー |
有効1210万画素
1/1.7型 CMOS |
有効1010万画素
1/1.7型 CCD |
レンズ |
5.2-26.0mm F1.8-5.7
(35mm換算:約24-120mm) |
5.2-26.0mm F2.0-5.9
(35mm換算:約24-120mm) |
ISO感度 |
ISO80-12800 |
ISO80-6400 |
シャッタースピード |
250-1/2500秒 |
15-1/2000秒 |
液晶モニター |
3型92万ドット
タッチパネル
| 3型46万ドット |
連写速度 |
12.1コマ/秒 |
ハイスピード連写:4.5コマ/秒 |
動画撮影 |
1920 X 1080(60fps) |
1280 X 720(24fps) |
インターフェース |
USB、AV OUT、HDMIミニ |
USB、AV OUT、HDMIミニ |
バッテリー |
NB-6LH
230枚 |
NB-6LH
200枚 |
その他 |
Wi-Fi |
Wi-Fi |
サイズ
(W x H x D) |
100.2x59x29 mm |
99.8x59x26.3 mm |
重さ |
217g / 193g |
181g / 160g |
PowerShotS200と比較すると、S120の特徴は次の通りです。
- レンズの焦点距離は同じですが、開放F値はF1.8-F5.7(S200はF2.0-5.9)よりもズーム全域でやや明るくなっています。なお、6群7枚のレンズ構成や最短撮影距離(広角端3cm、望遠端30cm)は同じです。
- イメージセンサーは有効1210万画素1/1.7型CMOS(S200は有効1010万画素1/1.7CCD)。
- CMOSとCCDの違いにより、設定できるISO感度はS120の方が1段分広くなっています。
- S120の画像処理エンジンはDIGIC6ですが、S200はDIGIC5を搭載。
- シャッター速度もS120の方が幅広く対応しています。
- 撮影シーンにあわせて6つの手ぶれ補正を切り替える「マルチシーンIS」は同じです。
- S120はフルHDで60p(S200ではHDで24fps)の動画撮影に対応。
- 連写性能もS120では12.1コマ/秒(S200では4.5コマ/秒)と高速連写が可能です。
- 連続撮影枚数も、S120は最高9.4コマ/秒でカード容量一杯まで撮影可能ですが、S200では制限があると思われます。
- S120の液晶モニターは3型92万ドットのタッチパネルですが、S200では3型46万ドットでタッチ操作に対応していません。
- Wi-Fiについてはどちらも内蔵しています。
- S120のボディカラーはブラックとシルバーですが、S200ではブラックとホワイトです。
- S120のボディサイズは100.2x59x29mmで、S200(99.8x59x26.3mm)よりもわずかに大きいです。
- 重さもS120の217gに対し、S200は181gに抑えられています。
PowerShotS120の直販価格は49980円の予定で、S110登場時の価格と比較するとやや高くなっているようです。現時点のS110の実売価格は2万円台中頃ですので倍近い価格差となりますが、描写性能や撮影に関する基本性能の強化がされていますので、やはり新型の方がお勧めであると思います。
また、S200との比較では、イメージセンサーとレンズ周り、液晶モニターが主な違いとなります。直販価格では1万5千円程度の差となっていますので、選択は悩ましいかもしれません。
( 記)
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