【一口コラム】28-300mmF2.8を搭載したハイスピード機
カシオから、1/1.7型イメージセンサーを搭載する2台目のコンパクトカメラが登場しました。イメージセンサーなどのカメラとしての基本部分は2013年11月に登場したEXILIM EX-10を踏襲しており、レンズ部分が28-112mm相当F1.8-2.5から28-300mm相当F2.8に置き換わっています。カシオによると、画質を重視したEX-10に対し、EX-100はズームを重視した兄弟機とされています。
3.5型の大型液晶パネルを採用し、枠外の四方向にインジケーターを表示する「EXファインダー」でも3型相当の表示が可能となっています。表示項目のカスタマイズにも対応しています。
まずは兄弟機のEX-10と外観を比較してみたいと思います。
EXILIM EX-100(左側)とEX-10(右側)。ボディサイズはほとんど同じです。デザインも共通していますが、EX-100では望遠ズームを搭載しているためか、グリップ部分が大型のものに変わっています。
EXILIM EX-100(左側)とEX-10(右側)。液晶パネルはどちらも3.5型92万ドットのもので、180°反転させての自分撮りにも対応しています。インターフェース部分も共通しています。
【EXILIM EX-100、EX-10の比較】
機種名 |

EXILIM EX-100 |

EXILIM EX-10 |
イメージセンサー |
有効1210万画素
1/1.7型CMOS |
レンズ |
6mm〜64.3mm(28mm〜300mm)F2.8
(35mm換算) |
6mm〜24mm(28mm〜112mm)F1.8-2.5
(35mm換算) |
最短撮影距離 |
通常:W10cm〜∞、T80cm〜∞
スーパーマクロ:5cm〜60cm(ズーム固定) |
通常:W5cm〜∞、T20cm〜∞ スーパーマクロ:1cm〜60cm(W端固定) |
ISO感度 |
ISO100-12800 |
シャッタースピード |
60-1/2000秒 |
液晶モニター |
3.5型92万ドット
チルト液晶 |
連写速度 |
30コマ/秒 |
動画撮影 |
1920 X 1080 (30p) |
インターフェース |
USB、HDMI、A/V output
Wi-Fi |
USB、HDMI |
バッテリー |
390枚 |
455枚 |
サイズ
(W x H x D) |
119.9×67.9×50.5mm |
119.9×67.9×48.6mm |
重さ
(含カード、電池) |
389g |
384g |
EXILIM EX-100の主な特長は次の通りです。
- イメージセンサーは有効1210万画素1/1.7型CMOSサイズで、EX-10のものと同じです。高感度性能もISO100-12800まで対応しています。
- レンズは新設計の28-300mm相当F2.8ズームレンズを搭載しています。開放F値はズーム全域でF2.8を確保しています。
- 液晶モニターもEX-10と同じ3.5型92万ドットのパネルを採用しています。タッチ操作には対応していませんが、180°反転させての自分撮りも可能です。2軸方式のため、下方向にも55°までチルトさせることができます。
- フルHDで30fpsの動画撮影が可能です。
- Wi-Fiも搭載しており、スマートフォンでのリモート操作にも対応しています。
28-300mm相当F2.8ズームレンズと12メガ画素1/1.7型イメージセンサーを搭載しているということで、オリンパスSTYLUS-1(製品レビュー)との共通性に気が付いた方も多いと思います。確かに、ハードウェアとしてのレンズやイメージセンサーはほぼ同等のものが搭載されている可能性もありますが、STYLUS1はファインダーを内蔵したネオ一眼であるのに対し、EX-100は小型タイプの高級コンパクトであり、カメラとしての基本的性格が異なります。また、EX-100にはカシオらしい「ハイスピード」という味付けも行われており、実際に手に持っても「まったく別のカメラ」に感じると思います。
カシオ EXILIM EX-100(左側)とオリンパス STYLUS1(右側)。
3月下旬の発売開始を前に、すでに店頭では予約も受け付けられています。概ね8万円を切る程度となっており、EX-10スタート時よりも1万円程度高いようです。STYLUS1のスタート価格6万5千円と比較しても少々高価に感じられますが、しかし比較的コンパクトなボディに300mmまでのF2.8通しズームと1/1.7型センサーを内蔵したカメラは他にありません。カシオ独自の魅力を含め、このあたりの評価によって、選択はわかれるように思います。
( by Inaba Kunio)
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