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特集 COOLPIX A
1.ニコン Nikon COOLPIX Aの位置づけと概要 |
ニコン COOLPIX A
by Inaba Kunio
ニコン初の本格高級コンパクトデジカメ登場!
評価:5.0
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ニコン初の本格高級コンパクト3月5日に発表されたニコンCOOLPIX Aが、いよいよ21日に発売開始となりました。以前から噂情報はありましたが、発表から2週間余りでの発売は「電撃的」であり、昨年6月4日発表、15日発売となったソニーサイバーショットDSC-RX100を彷彿とさせます。もともとニコンは、描写性能を重視したコンパクトカメラにも力を入れてきたメーカーでした。「高級コンパクト」という呼び方が生まれるかなり前に登場したCOOLPIX5000(有効5メガ画素2/3型CCDに28-85mm相当F2.8-4.8ズーム:2002年12月発売開始)が最初で、後継機となるCOOLPIX5400(有効5.1メガ画素1/1.8型CCDに28-116mm相当F2.8-4.6ズーム:2003年6月発売開始)を経てCOOLPIX8400(有効8メガ画素2/3型CCDに24-85mm相当F2.6-4.9ズーム:2004年10月発売開始)が一つの完成形だったように思います。 左からCOOLPIX5000、COOLPIX5400、COOLPIX8400。
その後、COOLPIX P5000(有効10メガ画素1/1.8型CCDに36-126mm相当F2.7-5.3ズーム:2007年3月発売開始)やCOOLPIX P5400(有効12メガ画素1/1.72型CCDに35-123mm相当F2.7-5.3ズーム:2007年9月発売開始)、COOLPIX P6000(有効13.5メガ画素1/1.7型CCDに28-112mm相当F2.7-5.9ズーム:2008年9月発売開始)を経て、COOLPIX P7000(有効10.1メガ画素1/1.7型CCDに28-200mm相当F2.8-5.6ズーム:2010年9月発売開始)やCOOLPIX P300(有効12.2メガ画素1/2.3型CMOSに24-100mm相当F1.8-4.9ズーム:2011年3月発売開始)と、現在のラインアップへと繋がってきます。 左からCOOLPIX P5000、COOLPIX P5100、COOLPIX P6000。
左からCOOLPIX P7000、COOLPIX P300。
こうして振り返ってみると、今までのニコン高級コンパクトは、どちらかといえばコンパクト性が重視されており、「描写性能第一」というカメラではありません。今回登場したCOOLPIX Aは、デジタル一眼レフと同じAPS-C型イメージセンサーに、28mm相当F2.8の単焦点レンズを搭載していることからも明らかなように、まさに描写性能を最優先に設計されたカメラです。その意味では、「ニコン初の本格高級コンパクトカメラ」といえます。 ニコン COOLPIX Aの特徴は?それでは、ニコンCOOLPIXの新シリーズとなるCOOLPIX Aの特徴を、具体的に見ていきたいと思います。デジタル一眼レフと同等な描写力まず第一に注目すべきは、コンパクトカメラとしては群を抜いて高い描写性能です。COOLPIX Aは、一般的なデジタル一眼レフと同じAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載していますが、このクラスのセンサーを搭載しているコンパクトカメラは極めて限られています。現行機種では、フルサイズのソニーDSC-RX1は別格として、COOLPIX Aの他には富士フイルムX100SとシグマDP Merrillシリーズのみとなります。いずれの機種も単焦点レンズを搭載していることからも明らかなように、単に描写力に優れたイメージセンサーを採用しただけでなく、レンズを含めたトータルな描写性能が追及されています。描写性能の点でのCOOLPIX Aのポイントは次の通りです。
デジタル一眼レフと似た操作体系2番目の特徴は、デジタル一眼レフと同等のインターフェースとなっている点です。撮影モードダイヤルやコマンドダイヤル、ロータリーマルチセレクター、液晶モニター左側のボタン群など、ニコンデジタル一眼レフを使ったことがあれば、違和感なく操作可能となっています。また、撮影メニューやセットアップメニューの構成もデジタル一眼レフを踏襲しているとともに、iボタンを押して表示される情報表示画面も、軍艦部にある液晶パネルを模しています。COOLPIX Aには電子ビューファインダーは装着できませんが、オプションでアクセサリーシューにつける光学ファインダー DF-CP1も用意されていますので、組み合わせて速写スタイルをとることも可能です。 コンパクトなボディサイズ3番目の特徴は、APS-Cサイズという大型センサーを搭載しているにもかかわらず、比較的コンパクトで軽量なボディサイズであるという点です。ほぼ同じサイズのセンサーを搭載している富士フイルムX100Sは126.5x74.4x53.9 mm、シグマDP1 Merrillは126.5x74.4x53.9 mmであるのに対し、COOLPIX Aは111x64.3x40.3 mmと、一回り小型です。これは、ファインダーを内蔵していないことや沈胴式のレンズであることがプラスに働いていますが、気軽に持ち歩くコンパクトカメラとして、大きなメリットだと思います。なお、ボディの重さは、X100Sは445g、DP1 Merrillは360gに対し、COOLPIX Aは299gと、やはり小さくない差があります。 同じサイズのセンサーを搭載した機種と比べると一回り小さい。
コンパクトなデジタル一眼レフと比較しても、さらに違いは大きい。
COOLPIX Aが想定しているユーザー層COOLPIX Aの特徴をみると、やはりデジタル一眼レフと一緒に使うユーザー層を想定していることがわかります。デジタル一眼レフをメインに使いつつも、気軽な撮影用に高級コンパクトカメラを求めているユーザーや、逆に高級コンパクトをメインに使い、連写性能や望遠撮影などが必要な場合にはデジタル一眼レフを持ち出す、といった撮影スタイルです。小型軽量な装備であるにもかかわらず、描写性能に妥協をしなくても良い点が魅力的です。それでは実際に、「実用性と描写性を大幅に高めたカメラ」、COOLPIX Aの実力をテストしてみます。 |