トップページ > デジカメ徹底レビュー > 特集 ニコン Nikon D600 > 1.ニコン Nikon D600の位置づけと概要 |
特集 ニコン Nikon D600
1.ニコン Nikon D600の位置づけと概要 |
![]() |
ニコン D600
by Inaba Kunio
フルサイズへのハードルを下げる戦略カメラ 評価:5.0
|
![]() |
フルサイズへのハードルを下げる戦略カメラD600は、ニコンのフルサイズFX機における新しいシリーズとなります。とはいうものの、ニコンのFX機は、フラグシップ機であるD3、D4シリーズを除くと、今までにD700とD800/D800Eのみがリリースされた状態でしたので、むしろラインアップの整備途上にあると言えるかもしれません。D800とD600の関係は、イメージセンサーの画素数だけでなく、搭載されているオートフォーカスモジュールやシャッタースピードの違いなど、上下の関係にありますが、D700とD600とを比較すると、単純にD700の方が上というわけでもありません。シャッタースピードなどの基本性能はD700の方が上回りますが、たとえばファインダー視野率はD700は95%に留まるのに対し、D600では100%となっています。また、両機種の登場には4年の差があるため、イメージセンサーの画素数も約2倍の差があります。 ![]() ミラーアップするとフルサイズセンサーが顔を出します。 ニコンD600の特徴を整理すると、次のようになります。
![]() ニコンのフルサイズ機の中で最小最軽量のボディ。 フルサイズ「入門機」を超える実力デジカメWatchに掲載されたニコン映像カンパニー 開発本部長のインタビュー記事によれば、D700は「D3という高感度撮影におけるエポックメイキングな進化」をアマチュアレベルでも楽しめることに主眼を置いて開発されたのに対し、D600は「FXフォーマットのパフォーマンスを、もっと小型・軽量のボディで実現したい」ということで企画されたとのことです。また、D800はフィルムカメラにおける中判などを好まれる方など、画質を特に重視される方々を想定しているのに対し、D600は一般的なハイアマチュアも視野に入れた製品とのことです。とはいえ、D600のフルサイズ2426万画素のイメージセンサーも、圧倒的な描写力を持っているのも事実です。A3程度であれば画素補完せずに楽しむことができますし、実際にはA1サイズでも十二分に使える実力を持っています。(FAQ「きれいにプリントするために必要な画素数は?」をご参照ください。) D600の仕様を見て、唯一気になるのはシャッタースピードかもしれません。最高で1/4000秒、シンクロ同期も1/200秒まで(ガイドナンバーを減少させることで1/250秒も可能です)という点はD3100やD3200、D5100と同じですので、基本的にはエントリー~ミドルクラスの製品に搭載されているものが入っているように見えます。 しかし、D600のシャッターユニットは15万回のレリーズテストをクリアーした高耐久性・高精度ユニットとのことであり、しかも当然ながらフルサイズのイメージセンサーに対応したものとなりますので、D5100等とはクラスが異なるものが搭載されています。 実用的にも、快晴の屋外でISO100、1/4000秒に設定すると概ねF2.8までの絞りで撮影ができますので、上限が1段分低いことは実質的に大きな問題にはならないかもしれません。 それでは実際に、ニコンの小型軽量フルサイズ、D600の実力をテストしてみます。 |