【一口コラム】光学36倍ズームの新型コンパクト
富士フイルムからコンパクトデジカメ5機種が発表されました。ここで紹介する高倍率ズーム機FinePixS8600の他に、ネオ一眼のネオ一眼のFinePixS1、FinePixS9400W、高倍率多機能モデルFinePixF1000EXR、アウトドアカメラFinePixXP70であり、あわせて2013年2月に登場したX100S(製品レビュー)のブラックモデルも1000台限定でリリースされました。
FinePixS8600は、型番を見ると2013年1月に登場したネオ一眼 FinePixS8200の後継機に見えますが、実際には国内では新しいラインアップとなります。S8200との一番の違いは、電子ビューファインダーを搭載していない点で、その代り3段式の沈胴レンズの採用などにより30%以上の薄型化を実現しています。また、S8600ではイメージセンサーにCCDが用いられている点もポイントの一つです。
2013年1月発売のFinePixS8200。24-960mm相当F2.9-6.5を搭載したネオ一眼です。
それでは、改めてFinePixS8600の特長について、主なポイントを見てみたいと思います。
- イメージセンサーは有効1600万画素1/2.3型CCDで、静止画最大サイズは4608x3456です。
- レンズは25-900mm相当F2.9-6.9の光学36倍ズームで、新設計のレンズです。とくに3段式に沈胴するタイプのため、電源OFF時の奥行きがコンパクトになっています。
- ISO感度は標準でISO100-1600、画像サイズが小さくなりますがISO6400まで拡張可能です。
- 液晶モニターは3型46万ドットの固定式です。
- 電子ビューファインダーは省略されたため、一般的なコンパクトカメラと同様に液晶モニターを使っての撮影となります。
- 動画撮影もHD(1280x720)で30pとなります。
- 電源には単三型の電池を3本使用します。充電式ニッケル水素電池を用いると410枚の撮影が可能です。
- ボディサイズは高さと奥行きがコンパクト化されました。重さもボディ単体で380g、撮影状態でも450gですので、高倍率ズーム機としては軽量となっています。
FinePixS8600(左側)とS8200(右側)。横幅はほぼ同じですが、高さは約6mm低くなりました。これは電子ビューファインダーを省略したためと思われます。
FinePixS8600(左側)とS8200(右側)。S8600では電子ビューファインダーが省略されました。液晶モニターはどちらも3型46万ドットで、インターフェース部も似ています。
FinePixS8600(左側)とS8200(右側)。ズーム域はS8200の方がやや広い(24-960mm相当F2.9-6.5)ですが、それ以上にレンズがコンパクト化されています。使用する単三電池を4本から3本にしたことで、グリップ部も小型化されていることがわかります。
こうしてみるとFinePixS8600は、電子ビューファインダーを省略したことでボディのコンパクト化を実現していることがわかります。EVFがない分、安定的なホールド感ではネオ一眼に一歩譲りますが、一般的な高倍率ズームコンパクトと比べるとしっかりしたグリップがある分、有利だと思われます。なお、海外市場ではFinePixS4800(有効1600万画素CCD、24-720mm相当F3.1-5.9、EVF無)が投入されており、S8600はレンズを強化した後継機の位置づけになってきます。いずれにしても富士フイルム国内市場向けでは新しいラインアップであり、今後の展開が期待されます。
海外市場に投入されているFinePixS4800。ズームレンズは光学30倍となります。
なお、ネオ一眼FinePixS8200が登場した2013年1月時点の実売価格は2万6千円前後で、S8600の予約価格とほぼ同等となっています。すでにS8200は生産終了しており現時点での実売価格は2万円をきっています。もしコンパクトサイズを重視されないのであれば、店頭在庫があるうちにS8200を購入することも検討されると良いと思います。
( by Inaba Kunio)
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