中身が一新された中堅ミラーレス 【ソニー α5100 (ILCE-5100)】
ソニーから、Eマウントのミラーレスカメラ、α5100(ILCE-5000)が正式発表となりました。外観はα5000とほとんど同じですが、カメラ内部はα6000に近いものへと大幅にブラッシュアップされています。位置づけ的にもα6000とα5000の中間機種とされており、基本的には電子ビューファインダーを搭載しないα6000、というイメージになります。
参考記事:実機詳細レビュー記事:α6000 ILCE-6000
2014年2月に発売開始となったα5000。ボディ形状はα5100と同じですが、ローエンドモデルです。
まずは、α5100 (ILCE-5100)の特長について、主なポイントを見てみたいと思います。
- イメージセンサーはα6000と同じ有効2430万画素Exmor APS HD CMOSセンサーが搭載されています。α5000は有効2040万画素でした。
- 画像処理エンジンは、BIONZ Xが採用されています。これはα6000やα5000と同じです。ディテールリプロダクション技術や回析低減処理、エリア分割ノイズリダクションなども同様に搭載されています。
- オートフォーカスは、α6000と同じファストハイブリッドAF(位相差方式/コントラスト方式併用)が搭載されています。α5000はコントラスト方式だけでしたので、かなり強化されたと言えます。
- 連写性能も6コマ/秒に高速化(α5000では通常時2.5コマ、速度優先時3.5コマ)するとともに、連続撮影枚数もα5000から格段に強化されています。なお、α6000は11コマ/秒の連写性能でしたので、この点では差別化が図られています。
- シャッター速度はシリーズ他機種と同様、1/4000〜30秒に対応しています。フラッシュ同調も1/160秒まで可能です。
- 電子ビューファインダーは内蔵されておらず、外付けにも対応していません。このあたりはα5000と同じです。
- 液晶モニターもα5000から強化されています。サイズは3型で同じですが、46万ドットから92万ドットに高精細化されるとともに、新たにタッチ操作にも対応しています。上側180°までチルト可動できますので、自分撮りも可能です。
- 動画撮影機能が強化され、新たにXAVC S(120p)での撮影が可能になりました。また、AVCHDやXAVC S撮影時には同時にMP4フォーマットでの記録もできます。
- Wi-FiとNFCも内蔵されています。これはα5000やα6000と同じです。
- 追加アプリケーションで機能を追加できるPlayMemories Camera Appsにも対応しています。
- ボディサイズは、α5000と同じです。重さは14g増えていますが、同等レベルとなっています。
- ボディカラーはブラック、ホワイトに加えてブラウンが用意されています。
α5100 (ILCE-5100)(左側)とα5000(ILCE-5000)(右側)。ボディ形状は同じですが、α5000で用意されていたシルバーがブラウンに変わっています。
α5100 (ILCE-5100)(左側)とα5000(ILCE-5000)(右側)。こちら側もほぼ同じです。液晶モニターは高画素化されるとともに、タッチ操作にも対応するようになりました。上側に反転可能ですので、自分撮りにも対応しています。
α5100 (ILCE-5100)(左側)とα5000(ILCE-5000)(右側)。ボディ上面のレイアウトも同じです。同じブラックモデルでも、レンズ基部のリングがシルバーからブラックに変わっています。レンズ光軸上にフラッシュが内蔵されており、マルチインターフェースシューは省略されています。
【ソニーα5100 (ILCE-5100)とα6000、α5000の比較】
機種名 |

α6000 (ILCE-6000) |

α5100 (ILCE-5100) |

α5000 (ILCE-5000) |
イメージ
センサー |
有効2430万画素 APS-Cサイズ |
有効2040万画素 APS-Cサイズ |
ごみ取り機能 |
帯電防止コートおよび超音波振動による
アンチダスト機能 |
アンチダストコーティング付き光学フィルター |
画像処理
エンジン |
BIONZ X |
マウント |
ソニーEマウント |
ISO感度
静止画 |
ISO100-25600 |
ISO100-16000 |
オート
フォーカス |
179点(位相差検出方式)/25点(コントラスト検出方式)
ファストハイブリッドAF(位相差検出方式/コントラスト検出方式) |
25点(コントラスト検出方式)
コントラスト検出方式 |
シャッター
スピード |
30-1/4000秒
フラッシュ同調は1/160秒まで |
ファインダー |
0.39型EVF 144万ドット |
非対応 |
液晶モニター |
3型92万ドット 非タッチ操作 上約90°、下約45°のチルト可動 |
3型92万ドット タッチ操作 上約180°のチルト可動 |
3型46万ドット 非タッチ操作 上約180°のチルト可動 |
連写速度 |
11コマ/秒
RAWで最大21コマ |
6コマ/秒
RAWで最大23コマ |
速度優先時3.5コマ/秒
RAWで最大5コマ |
動画撮影 |
AVCHD時 1920x1080(60p) AVC MP4時 1440x1080(30fps) |
XAVC S時 1280x720(120p) AVCHD時 1920x1080(60p) AVC MP4時 1440x1080(30fps) |
AVCHD時 1920x1080(60i) AVC MP4時 1440x1080(30fps) |
付加機能 |
WiFi / NFC |
バッテリー |
NP-FW50
360 コマ |
NP-FW50
400 コマ |
NP-FW50
420 コマ |
サイズ
(W x H x D) |
120x66.9x45.1 mm |
109.6x62.8x35.7 mm |
重さ |
344g / 285g |
283g / 224g |
269g / 210g |
発売 |
2014年3月 |
2014年9月 |
2014年2月 |
実売価格
(パワーズームキット) |
7万円前後 (開始時7万5千円前後) |
6万5千円前後 |
4万円前後 (開始時4万8千円前後) |
こうしてみると、α5100 (ILCE-5100)はα5000の後継機というよりも、α6000の電子ビューファインダー省略機というほうが、よりしっくりくるように思います。描写性能の進化も大きいですが、オートフォーカスや連写性能などが大幅に強化された点が使い勝手に大きくプラスになっています。
発売開始は9月8日ですが、すでに店頭では予約も受け付けられており、パワーズームレンズキットで概ね6万5千円前後でのスタートとなるようです。価格的にはα6000スタート時よりもやや安価となっていますが、α5000スタート時は4万8千円前後だったことを考えると、価格面でもα6000に近いポジションと言えます。
なお、α5100の登場により、αNEX-5Tは市場からフェードアウトするようです。NEXブランドのミラーレスカメラは2012年1月に登場したαNEX-7(詳細レビュー)だけとなりましたので、ソニーのレンズ交換式カメラは実質的にαシリーズに統一されたと言えそうです。
(
by Inaba Kunio)
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