カシオが高級コンパクト市場に参入?


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 本日、11月4日付の日本経済新聞に「カシオ、高級コンパクトカメラ市場に参入」と題した記事が掲載されました。それほど長い記事ではありませんので、ぜひリンク先の原文を見て頂ければと思いますが、その中に記載されているポイントは次の通りです。
  • ここ3~4年は低価格機の不振で業績が悪化していたが、低価格機を絞り込むことで2013年3月期は赤字から脱却した。
  • ZRなどの上位機種に経営資源を集中してきたが、新製品の投入でさらに収益の底上げを図る。
  • リリースする高級コンパクトは、大型センサーの搭載し、自分撮り機能やSNSに対応する。価格は5~10万円程度。
 製品に関する具体的な情報はありませんが、それでもバリアングル液晶とWi-Fiを内蔵した大型センサー搭載機、ということは明らかとなりました。「大型センサー」が意味するものはわかりませんが、カシオが重視しているハンドリング性を考えると、おそらく1/1.7型程度のサイズではないかと思います。
 先日、国内でも販売されたEX-TR15(製品レビュー)の価格は8万円前後でしたし、現在のフラグシップ機であるEX-ZR1100は4~5万円程度で発売開始されましたので、新型高級コンパクトが占めるポジションがどのようになってくるのか、興味深いところです。
 カシオの考え方を知る上で、本年1月末から開催されたCP+2013でのインタビュー記事(DPReview:英文)や、昨年10月のZR1000発表時のインタビュー記事(デジカメWatch)は参考になります。これらのインタビューで、カシオ計算機株式会社 執行役員 QV事業部長の中山仁氏は、概ね次のように述べられています。
  • デジカメ業界は4年前をピークに停滞。特にコンパクトカメラはコモディティ化とスマホの台頭で非常に厳しい状況。
  • カシオ計算機はレンズ交換式をやる計画はまったくない。思った以上の画質で簡単に撮れるのが理想であり、それはコンパクトでのみ実現できると確信。
  • ミラーレスは銀塩一眼レフの機能がそのまま小さく安くなっているだけ。デジタルでしかできない楽しさと性能を追求したい。
  • スマートフォンのカメラとは、暗いところでの撮影で大きな違いが出る。より大きなセンサーと明るいレンズが必要と考えている。
 具体的な製品スケジュールには触れられていませんが、徐々に具体化していることは感じられます。現在のデジカメ隆盛のきっかけをつくったカシオがどのような切り口で高級コンパクトをリリースしてくるのか。いよいよ期待が高まります。