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特集 キヤノン Canon EOS6D
4.キヤノン Canon EOS6Dの描写力をチェック |
キヤノン EOS6D
by Inaba Kunio
キヤノンの小型多機能フルサイズ・デジタル一眼レフ
評価:5.0
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描写力チェック1:高感度性能Canon EOS6Dの基本感度はISO100で、標準ではISO25600まで設定可能となっています。拡張設定では低感度側はISO50まで、高感度側はISO102400まで設定可能となっており、これはEOS5DMark3と同じです。ノイズ低減処理のやり方としては、カメラ内で設定する方法と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法があります。カメラ内でのノイズ低減は、「高感度撮影時のノイズ低減」と「長秒時露光のノイズ低減」の2つとなります。どちらも、撮影メニューの中で設定可能となっています。 「高感度撮影時のノイズ低減」は「OFF」、「弱め」、「標準」、「強め」の4種類の中から設定します。設定するとすべてのISO感度でノイズ低減処理をかけますが、特に高感度での効果が大きくなります。また、低ISO感度では低輝度部分を中心にノイズ低減処理を行います。 「長秒時露光のノイズ低減」は、「OFF」、「AUTO」、「ON」の3種類があります。「ON」にすると1秒以上のシャッター速度で撮影したときに常に長秒時ノイズ低減がかかります。「AUTO」では、1秒以上のシャッタースピード撮影よりも低速撮影時で、長秒時特有のノイズが発生した時にのみ処理がかかります。 イメージセンサーは異なりますが、全体的な高感度性能はEOS5DMark3と似た傾向であると感じました。 高感度ノイズ低減を「OFF」にしても、ISO800まではほとんどノイズ感はありません。ISO1600ではわずかにノイズ感が増えますが、ISO800との違いはわずかです。この傾向はISO3200でも同等です。 ISO3200を超えると暗部を中心にややノイズが目立ってくるとともに、わずかに解像感の低下も感じられますが、ISO6400でも十分実用的なレベルであるように感じました。このあたりまでなら常用可能だと思います。 ISO12800以上になると、等倍ではノイズが目立ちますが、画像自体が破たんしているわけではないので、縮小して利用するなど活用方法によっては十分使えるレベルです。 高感度ノイズ低減を標準にすると、1〜2段分程度ノイズが低減化されます。解像感はやや低下するものの、ISO12800以上でもそれなりに使えるレベルとなっており、ISO25600でも十分活用可能だと思います。 ノイズ低減を「強め」にすると、ノイズ感はさらに改善されるものの、解像感の低下もやや目立つようになります。 下記のサンプルは、高感度撮影時のノイズ低減を「OFF」、「標準」、「強め」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものです。高感度撮影時のノイズ低減を「標準」「強め」に設定した時には長秒時露光のノイズ低減も「AUTO」に設定しています。切り出した表示画像はほぼ等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。
ISO50(左から「OFF」「標準」「強め」) 描写力チェック2:解像度Canon EOS6Dのイメージセンサーは有効2020万画素です。今回テストしたEF24-105mmF4L IS USMの結果は、基本的に絞り開放から優れた解像力を示しました。このレンズは、広角端では2段絞るとさらに解像力が向上したため、開放絞りF4から2段絞ったF8のもので確認を行いました。広角端が一番解像力は高く、望遠端に向けて徐々に低下していきます。下記のサンプルは、標準域50mmで2段絞ったF8.0のものです。視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも、2500本ラインを超えて視認可能であり、画素数を活かした高い解像力を示しています。
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限界解像度チェック用のラインでは、わずかにモアレが発生している部分もあるが、2500本まで十分視認できている。
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横方向の限界解像度チェック用のラインでも、同様に2500本ラインは十分視認可能。
描写力チェック3:レンズ光学補正機能キヤノンEOS6Dには、レンズの特性による周辺光量の低下と色収差を軽減する「レンズ光学補正機能」があります。撮影メニューの中にある「レンズ光学補正」の中に、周辺光量補正と色収差補正があり、各々「しない」「する」のどちらかに設定できるようになっています。対応しているのは、レンズの光学補正データがあるものに限られ、現時点ではLレンズを中心に約25本のデータが登録されています。なお、未登録レンズの補正データをカメラに登録することも可能です。 今回テストしたEF24-105mmF4L IS USMは対応しているため、レンズ光学補正の有無でどのように変化するのかを確認しました。 EF24-105mmF4Lは、広角端から望遠端まで、比較的周辺光量不足が大きいレンズですが、補正を「する」にすると、良好に補正されます。とくに周辺光量不足に関しては、広角端では周辺部に光量不足が残るものの、標準域から望遠側では、ほぼ完全に補正されました。 基本的には積極的に活用されると良いと感じました。
24mmF4.0 |