トップページ > デジカメ徹底レビュー > ナノ一眼 ペンタックス PENTAX Q > 1.PENTAX Qの位置づけと概要 |
特集 ナノ一眼 ペンタックス PENTAX Q
1.PENTAX Qの位置づけと概要 |
![]() |
ペンタックス Q
by Inaba Kunio
世界最小最軽量のレンズ交換式デジタルカメラ
評価:5.0
|
![]() |
世界最小最軽量のレンズ交換式デジタルカメラPENTAX Qが発表された6月から、発売された9月まで、実に長い3カ月間であった。一眼レフカメラに対するミラーレスカメラの一番の特徴は「小型軽量」という点であるが、それを極限まで突きつめたのがPENTAX Qである。ペンタックスには110サイズのオート110という実績があったが、まさにオート110の現在版と言えるかもしれない。ペンタックスが想定していたQのユーザー層は、コンパクトカメラに飽き足らず、さりとて本格的な一眼レフにはちょっと、と感じている方々であった。発表時のインタビューでも、コンパクトカメラからステップアップしてくるユーザーをターゲットに商品開発を進めたと発言されていた。 しかし、実際には、そうしたユーザーだけでなく、趣味性の高いカメラとしてハイアマチュア層からも注目を集めた。製品コンセプトである「小さな本格派」という部分の魅力に引き寄せられたということだろう。世界最小最軽量ではあるものの、ダイヤルを多用したインターフェースは、まさに一眼レフのものを踏襲している。かつてのフィルム時代に、ベテランユーザーがサブカメラとしてキヤノンのEOS Kissを購入したのと同じ構図かもしれない。 さて、レンズ交換式デジタルカメラとしてのPENTAX Qの特徴を整理すると、次のとおりである。
PENTAX Qの特徴●世界最小最軽量で、コンパクトカメラと同等のボディサイズサイズはオート110と同等であり、男性であれば手の中に包み込むことも可能かもしれない。セットとなっている標準レンズも小型のため、そのままコートのポケットに入れることできる。それでいて金属を多用したボディは、手に持った時のしっかりとした重みを含め、凝縮感を感じさせてくれる。 ●イメージセンサーは、コンパクトカメラで主流の1/2.3型CMOSセンサー 現在、デジタルカメラ用に出荷されているイメージセンサーの圧倒的大部分は、このサイズである。その意味では、ハードウェア面だけでなくノウハウが一番蓄積されているセンサーと言うこともできる。とはいえ、このサイズで1200万画素という画素ピッチは光学的な限界に到達しており、将来の展開ということでは若干の不安感もある。ペンタックスとしても、マウント系に余裕を見ていることや、レンズの35mm換算焦点距離を積極的に表示していない点を見ると、より大きなセンサー搭載のための含みがあるのだろう。 ●手振れ補正、ゴミ除去、フラッシュ内蔵など、機能面が充実 ボディサイズが小さいにもかかわらず、レンズ交換式カメラとして必要な機能が標準で搭載されている点も特徴の一つである。とくに小型センサーではよりゴミ問題の影響が大きくなるため、しっかりとゴミ除去機能が組み込まれた点は重要だ。また、標準のアクセサリーシューも備わっており、拡張性に対しても配慮されている。 ●ダイヤルを主体とした一眼レフライクなインターフェース ミラーレスカメラには、コンパクトカメラに近いインターフェースを持つものと、一眼レフに準じたものとに分類できるが、PENTAX Qは典型的な後者である。ペンタックスは既存の一眼レフも品ぞろえしており、ニーズの喰い合いを避けるためにもコンパクトカメラ的な操作性とすべきという意見もあっただろうが、両者ではセンサーサイズが大きく違うことから、結果的にここに落ち着いたのかもしれない。 ●5本のレンズなど、システムカメラとして展開 5本のレンズのうち、3本はトイレンズとしての位置づけではあるが、発売当初から5本のレンズが用意されている点は、評価に値するだろう。トイレンズにしても、価格の割にしっかりとした写りをしており、決して片手間に作られたレンズではない。 今後のロードマップは明らかとなっていないが、とくに望遠側については早急なラインアップ強化が期待される。 それでは、具体的にQの実力をチェックしてみたい。
|