【一口コラム】 単三電池に対応したローエンドモデル
2月に開催されるCP+2014に向けて、各社から新製品が発表され始めています。
ニコンからは、まずコンパクトカメラCOOLPIX S6800、COOLPIX S3600、COOLPIX L30の3機種が登場しました。S6800は高機能モデル、S3600はスタイリッシュモデル、L30はコストパフォーマンスを重視したローエンドモデルとなっています。なお、ニコンのプレスリリースによれば、S6800とL30の月産台数は当初5万台ですが、L30は16万台となっています。このあたりからも、ニコンのコンパクトカメラ戦略がうかがえそうです。
COOLPIX L30はLシリーズの新製品となります。このクラスの製品はニコンのコンパクトデジカメにおけるローエンドモデルで、価格面を重視したものとなります。また、単三電池2本を電源に用いていることから、根強いファンも居ます。2012年に行った廉価モデルの比較では、ニコンのCOOLPIX L23の詳細レビューも行いましたが、高い実用性に驚いたことを覚えています。
- L20(2009年8月発売):1000万画素1/2.3型CCD、38-136mm相当。3型23万ドット。
- L21(2010年2月発売):800万画素1/2.5型CCD、41-145mm相当。2.5型23万ドット。
- L22(2010年2月発売):1200万画素1/2.3型CCD、37-134mm相当。3型23万ドット。
- L23(2011年2月発売):1010万画素1/2.9型CCD、28-140mm相当。2.7型23万ドット。
- L26(2012年2月発売):1614万画素1/2.3型CCD、26-130mm相当。3型23万ドット。
- L28(2013年2月発売):2005万画素1/2.3型CCD、26-130mm相当。3型23万ドット。
今回登場したCOOLPIX L30は、有効2005万画素の1/2.3型CCDセンサーに、26-130mm相当光学5倍ズームを搭載していますので、前機種L28のブラッシュアップモデルと言えます。
2005年10月に発売開始となった初代COOLPIX L1。有効620万画素1/2.5型CCD、38-190mm相当F2.9-F5.0光学5倍ズーム、2.5型11.5万ドット液晶モニターで、電源は単三型電池2本です。発売開始時の実売価格は3万円台半ばでした。
まずは、この2機種の外観を比較してみたいと思います。
COOLPIX L30(左側)とCOOLPIX L28(右側)。外観はほとんど同じで、わずかにシャッターボタン周りの処理などが異なっています。
COOLPIX L30(左側)とCOOLPIX L28(右側)。液晶パネルはどちらも2.7型23万ドットで、タッチ操作には対応していません。基本的なインターフェースも共通しています。
【COOLPIX L28、COOLPIX L26、COOLPIX L23の比較】
機種名 |
 COOLPIX L30 |
 COOLPIX L28 |
 COOLPIX L26 |
イメージ
センサー |
有効2005万画素
1/2.3型CCD |
有効1614万画素
1/2.3型CCD |
レンズ
(35mm換算) |
26-130mm相当
F3.2-6.5 |
最短撮影距離
(レンズ前) |
通常時:0.5m(W)/0.8m(T)
マクロ時:10cm(W) |
手ブレ補正 |
モーション検知 |
電子式 |
感度 |
ISO80-1600 |
フラッシュ |
約0.5 〜 4.3 m(広角側)
約0.8 〜 2.1 m(望遠側) |
約0.5 〜 3.6 m(広角側)
約0.8 〜 1.7 m(望遠側) |
シャッター速度 |
1-1/2000秒 |
光学ファインダー |
- |
液晶モニター |
3型23万ドット |
連写速度 |
1.1枚/秒 |
1.2枚/秒 |
動画記録 |
1280x720/30fps |
バッテリー |
単3形電池2本
ニッケル水素で約570枚 |
単3形電池2本
ニッケル水素で約530枚 |
単3形電池2本 ニッケル水素で約350枚 |
外部端子 |
AV OUT、USB |
外形寸法 |
95.4×60.3×29.0mm |
95.4×59.8×29.0mm |
96.0×59.7×28.8mm |
質量
(電池,カード含) |
約164g |
約164g |
約164g |
発売時期 |
2014/1 |
2013/2 |
2012/2 |
こうしてみると、L28からの主な違いは、新たに搭載された「メイクアップ効果」となります。これは、美白効果(肌をなめらかに補正)、小顔効果(輪郭を引き締め顔を小さく見せる)、ビッグアイ(ぱっちりとした大きな目に)、肌トーンアップ(肌の色を明るく補正)、クマ軽減(眼の下のクマやくすみを目立たなく)、ホワイトアイ(白目の部分を白く補正)、歯のホワイトニング(歯を白く補正)、チーク(頬にチークをのせる。4色から選択可能)の8つの機能で、2012年2月に登場したCOOLPIX
S6500等と同等の内容です。今回、同時に発表されたS6800やS3600では12種類(テカリ軽減、マスカラ、アイシャドウ、リップカラーの4種類を追加)に強化されていますので、注意が必要です。
L30の現時点での実売予約価格は、約1万3千円です。2013年2月に登場したL28のスタート時点の価格は1万1千円前後でしたので、わずかながら高めでのスタートとなりそうです。現時点のL28の実売価格は8千円程度ですので、メークアップ効果の評価で選択は分かれるかもしれません。
( by Inaba Kunio)
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