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特集 ニコン Nikon V2
1.ニコン Nikon V2の位置づけと概要 |
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ニコン 1 V2
by Inaba Kunio
フルモデルチェンジされた新しい「V」 評価:5.0
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明らかとなったニコンのミラーレス戦略2011年11月に登場したV1とJ1は、コンパクトカメラからのステップアップユーザーをメインターゲットとした製品でした。デジタル一眼レフが絶好調であるニコンとしては、急速に存在感を高めているミラーレスカメラ市場に参入しつつも、デジタル一眼レフの市場をできるだけ侵食しない、というスタンスだったのだと思います。今回、V2がフルモデルチェンジし、デジタル一眼レフと同じインターフェースとなったことで、ニコンのミラーレス戦略が明らかになったように思います。それは、「デジタル一眼レフとミラーレスの差別化は画質で行う」、というものです。 コンパクトカメラが採用しているイメージセンサーは1/2.3型が主流で、高級コンパクトでもサイズは1/1.7型あたりとなっています。描写性能はイメージセンサーのサイズだけで決まるものではありませんが、しかしデジタル一眼レフに搭載されているAPS-Cサイズのセンサーと比較すると、面積で10倍程度も違っており、この差は決して小さくありません。ニコンのミラーレスカメラが採用した1型センサーは、ほぼこれらの中間に位置する大きさであり、間を埋めるのにちょうどよいサイズとなります。 ![]() これはあくまで推測ですが、ニコンは将来にわたってデジタル一眼レフを存続させるつもりであり、だからこそミドルクラスの描写性能をもつ新しい製品群として、ミラーレスカメラを位置づけているのだと思います。そうであるならば、今後デジタル一眼レフと同じレベルで開発資源をミラーレス分野に注ぎ込んでいくものと推察されます。
ニコン1 V2の有効1425万画素1型イメージセンサー。
これと対照的なのがソニーです。開発資源をミラーレスカメラにも集中的に投じる点はニコンと同じですが、ゴールとして描いているのは「ミラーレスカメラへのデジタル一眼レフの統合(デジタル技術に最適化された新しいレンズ交換式システムの創造)」のように思われます。αAシリーズでのトランスルーセントテクノロジーの全面的な採用は、すでにその道程の半ばに来ていることを示しているのかもしれません。また、噂されている「フルサイズに対応したαEシリーズ」も、こうした流れを考えれば、それなりのリアリティがあるように思います。 フルモデルチェンジされた新しい「V」V1は「J1に電子ビューファインダーを内蔵したもの」であったのに対し、V2はJ1/J2とは異なる位置づけのミラーレスとなっています。V1と同じ「V」が付いていますが、内容的には別ラインの製品と言えるほど、完全なモデルチェンジがされています。目立つ点だけをあげても、
V2(左側)とV1(右側)。ボディ上面を見るだけで、両機種の性格の違いがわかる。
V1からフルモデルチェンジしたV2。このV2を「小型デジタル一眼レフ」として見た場合、ミドルクラスとしては十分役割を果たせるレベルに到達していますが、デジタル一眼レフ上級機と比較すると、まだ進化すべき点が残っています。
それでは実際に、ニコンの新型ミラーレス、V2の実力をテストしてみます。 |