新版：キヤノンのレンズ交換式カメラ　特徴と選び方
 新版：キヤノンのレンズ交換式カメラ　具体的に選ぶ

【キヤノン　エントリークラスからの選択】

　ニコンの項でも記載したが、フィルムカメラ時代と比べ、エントリークラスの基礎体力は大きく向上している。このことは当然ながらキヤノンのレンズ交換式デジタルカメラについても言えることであり、その機種の特性を把握し、丁寧に撮影すれば、上級機やフラグシップ機と遜色ない画像を得ることも難しいことではない。

　キヤノンの場合、エントリークラスの機種としては、EOS Kiss X50とEOS Kiss X5の2機種が該当する。ニコンのD5100と同様、X5も性能的には中級機の実力を持っているが、金額面を重視し、まずはエントリークラスの機種として対象に加えることとする。

●X50とX5の仕様上の違い

　両機種の仕様を比較すると、主な違いは次の点となる。

搭載しているイメージセンサーは、どちらもAPS-CサイズのCMOSセンサーであるが、有効画素数を比較すると、X50の1220万画素に対し、X5は1800万画素となっている。両機種とも14bitRAWでの撮影が可能であり、標準で設定可能なISO感度は最高ISO6400となる。X5はさらに拡張設定ができ、ISO12800まで可能となっている。
連写性能は、X50の3コマ/秒(JPEG)、2コマ/秒(RAW)に対し、X5は3.7コマ/秒である。RAWでの連続撮影枚数は、X50は5枚、X5は6枚であるが、RAW+JPEGだと、各々1枚、3枚に低下する。
動画撮影については、X50は1280x720までの対応であるのに対し、X5は1920x1080のフルHDでの撮影も可能である。
液晶モニターも両機種では異なっており、X50の2.7インチ23万ドットに対し、X5は3インチ104万ドットである。なお、X5の液晶は、バリアングル液晶となっている。
その他の主な違いとしては、X5はゴミ取り機能が内蔵されていること、ファインダー倍率がX50の0.8倍に対し、X5は0.85倍となっていること等がある。

　ボディサイズや重量については、若干X50の方が小さく軽いが、ほぼ同等サイズである。また、ユーザーインターフェースやシャッタースピードなどもほぼ同様となっている。

　現時点での実売価格を比較すると、

　単純に価格で比較をすれば、X50であれば標準ズームとのセットで購入するのが、X5であればダブルズームのセットで購入するのが、割安感がある。

　ニコンと同様、このクラスの機種は数が出るだけに、どちらもコストパフォーマンスに優れた素晴らしい機種である。そのことを踏まえた上で選択の考え方を述べれば、やはりこの1機種ですべてを撮影するのであればX5を、他のカメラのサブカメラとして用いるのであればX50をまずは推奨したい。

　なお、ニコンのエントリークラスであるD3100とD5100との性能差に比べると、X5とX50の性能差の方が若干大きいように感じる。そのあたりにも目配りをして機種選択を行う必要があるだろう。

【追記】キヤノン EOS5DMark3 とキヤノン EOS Kiss X5 の詳細レビュー記事を掲載しました。製品外観や解像力、レンズ評価も行っています。

【追記】キヤノン EOS-1DX とキヤノン EOS5DMark3 の記事を掲載しました。