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【キヤノン 中・上級クラスからの選択(2)】前回、キヤノンの中・上級機からの選び方について、基本的な考え方と機種ごとの特徴を整理したが、今回はもう少し踏み込んで具体的に各機種別にみることとする。 なお、キヤノンの場合、個々の機能を見ると、下位に位置づけられる製品の方が上位機を上回ることも少なくない。こうしたことは進化の激しいデジタル技術の特長でもあり、多かれ少なかれ他社製品でも見られることではあるが、キヤノンの場合は他社と比べると比較的顕著に表れているように思う。 ●EOS5D Mark IIキヤノンの中・上級機唯一のフルサイズセンサー搭載機である。フルサイズのセンサーを搭載している機種は、この他にはEOS-1Ds MarkIIIのみであり、位置づけ的にはNikon D700と同じポジションになるかもしれない。すでに発売から3年が経過しようとしているが、フルHDの動画撮影にも対応しているなど、仕様上大きく目につくような「古さ」は感じられないのはさすがである。 イメージセンサー自体はEOS-1Ds Mark IIIよりも新しい世代のため、得られる画像はキヤノンのレンズ交換式デジタルカメラの中でトップとなる。大きなセンサーサイズからもたらされる解像感や描写力は、フィルム中判カメラに迫っている。 他方、フルサイズということで、レンズを含めたシステム全体では、どうしても大きくかつ重くなり、必要なコストも嵩まざるを得ない。Nikonとは異なり、APS-Cサイズ対応のEF-Sレンズは物理的に装着できないため、純正ではフルサイズ用のレンズから選択することになる。 ●EOS7DEOS7DはキヤノンAPS-Cサイズモデルの中で、フラグシップに位置づけられた機種である。NikonD300Sと同様に、ボディの作りはEOS-1Dシリーズのものを踏襲している。イメージセンサーは、APS-Cサイズの中・上級クラス3機種とも同じものを搭載しているため、主な違いは画像以外の機能面やクオリティということになる。 特にEOS7Dは、視野率100%で倍率も1.0倍のファインダーを搭載しているとともに、最高8コマ/秒の高速連写性能を持っており、どのような場面でも安心して使うことができる。 ●EOS60DEOS60Dは位置づけ的にはEOS7DとEOS Kiss X5の中間となるが、内容的にはEOS7Dに近いものとなっている。EOS7Dから1年後の登場ということで、対応するメモリーカードがコンパクトフラッシュからSDカードへと切り替えられるなど、より使い勝手の良い機種となっている。また、EOS Kiss X5と同様にバリアングル液晶モニターが搭載されている点も、ポイントの一つだろう。 ボディ上面の液晶パネルや防塵防滴性能など、ボディ全体の作りはよりEOS7Dに近いものの、約150gの軽量化もはかられている。また、連写速度も最高5.7コマ/秒が確保されている。 ●EOS Kiss X5エントリークラスでも取り上げたが、カメラの機能面では十分中・上級クラスとしての中身を持っている。ただし、やはりKissの名称が冠されているように、性能面ではAPS-Cサイズの他2機種と差別化されている。まずはボディの防塵防滴性が省かれていること、連写速度が最高3.7コマ/秒に抑えられているとともに、バッファー容量も少なくRAW連写可能枚数は6枚となっている。とはいえ、日常的な使用シーンでは十分な性能とも言え、逆にそうした観点からスペックの絞り込みがされているのかもしれない。 金額的にももちろん一番廉価で、次に安いEOS60Dと比較しても1万5千円から2万円程度の差となっている。 以上、今まで5回にわたって、キヤノンのレンズ交換式デジタルカメラの選び方について記してきた。キヤノンもニコン同様、豊富なレンズ資産が用意されている。幅広く様々な活用ができるキヤノンのカメラを、ぜひ楽しんでもらいたい。 【追記】 キヤノン EOS5DMark3 とキヤノン EOS Kiss X5 の詳細レビュー記事を掲載しました。製品外観や解像力、レンズ評価も行っています。 【追記】 キヤノン EOS-1DX とキヤノン EOS5DMark3 の記事を掲載しました。 |
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