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特集 ニコン レンズ交換式アドバンストカメラ Nikon 1 J10.はじめに 〜Nikon 1 J1の位置づけと概要 |
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ニコン 1 J1
by Inaba Kunio
軽快さとコンパクト性を重視したニコンの新型ミラーレスカメラ
評価:5.0
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10月20日、いよいよニコンのミラーレスカメラ、V1とJ1が発売開始となった。 おりしも、タイを襲った洪水被害により、ニコンの主力一眼レフは生産がストップしたまま再開の目途もたっていない。 直接の被害にはあわなかった「新世代プレミアムカメラ」には、さらに大きな期待が寄せられることになった。 J1、V1全体に関する背景については、V1のページを参照してもらうこととし、ここではJ1ならではの特徴についてみてみたい。 J1を手にしてまず感じるのは、「コンパクト」ということである。 ボディサイズは、パナソニックのDMC-GF3やソニーのNEX-5Nよりも、さらにやや小さく、両側を丸めたデザインは「コンパクト感」に役立っている。 特にブラックボディに10mm薄型レンズを装着した姿は、ライカのコンパクトデジカメD-LUX5を彷彿とさせてくれる。 機能的にも、背面の大部分を占める大型の液晶モニター、電子ビューファインダー非搭載、コンパクトカメラに準じた操作系など、「レンズ交換可能なコンパクトデジタルカメラ」として、ステップアップユーザーにターゲットを置いた商品となっている。 これらのことは、J1は、ミラーレスカメラ創世記ともいうべき現時点での「本流」に位置する製品であることを意味する。 値段的には、10mmから110mm(35mm換算で27mmから270mm)をカバーする2本のズームレンズをセットにした「ダブルズームキット」が8万円前後と、発売直後であることを考えれば十分競合製品と渡り合える価格帯となっている。 まだ正確な販売情報はわからないものの、「かなり売れる」条件が、きちんと揃えられた商品となっている。 マイクロフォーサーズやソニーのNEXシリーズと比較したとき、J1の優位点を上げるとすれば、ニコンブランドの製品であること、レンズも含めればかなり小型なシステムカメラであること、像面位相差センサーによる高速オートフォーカス、となる。 特に、3番目オートフォーカススピードは、動画撮影時に大きな威力を発揮する。 少なくとも、他のミラーレスカメラで その代償として、1インチサイズセンサーによるマイナス面をどこまで受け入れられるか、ということになる。 最新のAPS-Cセンサー搭載機と比較すれば、高感度性能や解像感には明らかな差が存在する。 しかし、J1も一般的な利用シーンでは十分すぎる画像を生み出してくれることも事実である。 実際に多くのユーザーは、コンパクトカメラの画像で満足していることを考えれば、実用面で困る場面はあまり想定できないだろう。 最後に、J1とV1の関係についてである。 V1の項でも記載したが、これら2機種は上位下位の関係ではなく、電子ビューファインダーを内蔵するモデルとしないモデルのバリエーションの関係であると見るべきだろう。 もし電子ビューファインダーを必要としないのであれば、液晶モニター解像度やメカニカルシャッターの有無など他の違いは無視してでもJ1を購入することを勧める。 逆に、電子ビューファインダーに魅力を感じるのであれば、価格やサイズの違いには目をつぶってV1を選択すべきである。
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