【一口コラム】描写性能や機能を強化したミドルクラス
ニコンのミドルクラス・デジタル一眼レフ、D5300が正式発表となりました。型番からもわかるとおり、2012年12月に発売されたD5200(製品レビュー)の後継機にあたります。D5100(製品レビュー)が登場した2011年4月からD5200登場までは1年8か月だったのが、今回は1年足らずで世代交代となりますので、少々ペースが早くなっているのかもしれません。
- D5000(2009年5月):有効1230万画素、バリアングル液晶(液晶下部に可動部)
- D5100(2011年4月):有効1620万画素、バリアングル液晶(液晶左側に可動部)
- D5200(2012年12月):有効2410万画素、バリアングル液晶(同上)
- D5300(2013年11月):有効2416万画素、バリアングル液晶(同上)、Wi-Fi、GPS
D5000シリーズは、ニコンのデジタル一眼レフでは唯一のバリアングル液晶搭載機。D5300もバリアングル液晶を搭載しました。
まずは、D5300はD5200からどのように進化したのか、主なポイントを見てみたいと思います。
- イメージセンサーが新型となり、ローパスフィルターレスに。
- 画像処理エンジンはEXPEED4に進化し、高感度性能と解像感が向上。
- ファインダー視野率は95%と同じものの、倍率が0.78倍から0.82倍へと拡大。
- 液晶モニターは3.2型104万ドット(720x480でアスペクト比は3:2)と大型化。D5200は3型92万ドット(640x480でアスペクト比は4:3)だったので、静止画表示も拡大。
- Wi-FiとGPSを内蔵。ニコンのデジタル一眼レフでは初。
- 動画性能が強化され、フルHD(60p)に対応。D5200は60i。
- オートフォーカスモジュールはD5200と同じマルチCAM4800DX。
- ボディサイズは僅かながらコンパクトになり、重さも軽量化。
D5300(左側)とD5200(右側)。基本的なデザインは共通ですが、左側の肩ラインや滑り止めゴムの形状などが少々変わっています。
D5300(左側)とD5200(右側)。液晶モニターが3型から3.2型になるとともに、アスペクト比がイメージセンサーと同じ3:2に変わりました。静止画像を画面いっぱいに表示できるため、表示できる画像サイズは一回り大きくなると思われます。
D5300(左側)とD5200(右側)。ボディ上面のレイアウトもほぼ共通ですが、Wi-FiとGPSのアンテナ部が盛り上がっています。D5200ではモードダイヤル右側にあった「レリーズモードボタン/セルフタイマーボタン/リモコン撮影ボタン」は、ボディ左側面に移設されています。
【ニコンD5300とD5200、D7100の比較】
機種名 |
D5300 |
D5200 |
D7100 |
イメージセンサー |
有効2416万画素
APS-Cサイズ |
有効2410万画素
APS-Cサイズ |
有効2410万画素
APS-Cサイズ |
マウント |
ニコンFマウント
(AF連動軸なし) |
ニコンFマウント
(AF連動軸なし) |
ニコンFマウント
(AF連動軸あり) |
ISO感度 |
ISO100-12800
(拡張でISO25600相当) |
ISO100-6400
(拡張でISO25600相当) |
ISO100-6400
(拡張でISO25600相当) |
シャッタースピード |
30-1/4000秒
フラッシュ同調は1/200秒まで |
30-1/4000秒
フラッシュ同調は1/200秒まで |
30-1/8000秒
フラッシュ同調は1/250秒まで |
ファインダー |
ペンタミラー
視野率95%、倍率0.82倍 |
ペンタミラー
視野率95%、倍率0.78倍 |
ペンタプリズム
視野率100%、倍率0.94倍 |
液晶モニター |
3.2型104万ドット
バリアングル可動
非タッチパネル |
3型92万ドット
バリアングル可動
非タッチパネル |
3.2型123万ドット
非タッチパネル |
連写速度 |
最高5コマ/秒 |
最高5コマ/秒 |
最高7コマ/秒 |
動画撮影 |
1920x1080 (60p) |
1920x1080 (60i) |
1920x1080
(60i) |
バッテリー |
EN-EL14a
600コマ |
EN-EL14
500コマ |
EN-EL15
950コマ |
付加機能 |
Wi-Fi/GPS
フラッシュ
※12bitRAWにも対応 |
フラッシュ |
フラッシュ ※12bitRAWにも対応 |
サイズ (W x H x D) |
125×98×76 mm |
129×98×78 mm |
135.5×106.5×76 mm |
重さ |
530g/480g |
555g/505g |
765g/675g |
こうして比較してみると、D5300は新型センサーと新型画像処理エンジンEXPEED4を搭載したことにより、D5200だけでなくD7100よりも描写性能が向上している可能性があります。まだまだ進化のスピードが速い現状では、最新の技術を惜しみなく投入する姿勢は重要ですが、やや複雑な思いを抱く方もいるかもしれません。
なお、D5300とキットになったAF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VRは、8月に登場したばかりの新製品です。35mm換算で27-210mmの画角をカバーする高倍率ズームとして、オールマイティに使える利便性の高いレンズです。このレンズの店頭実売価格は6万円弱となっていますので、これとセットになったD5300レンズキットの実売価格が12万円弱ということは、ボディ単体では6万円程度ということになります。単純に比較できませんが、D5200登場時の価格(ボディ単体で8万円弱、18-55mmVRレンズキットで9万円弱、300mmダブルズームキットで12万円前後)とほぼ同等レベルでのスタートとなりそうです。
( by Inaba Kunio)
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