180°チルト可動に対応した防水タフネスカメラ
オリンパスからもレンズ一体型のデジカメ3機種が登場しました。ここで紹介するタフネスコンパクト STYLUS TG-850 ToughとSTYLUS TG-835 Tough、ネオ一眼 STYLUS SP-100EEの3機種です。ちなみに、昨年はこの時期に7機種をリリースしましたので、高付加価値モデルに絞り込んだことを実感します。
TG-850 Toughの一番のポイントは、自分撮り可能なチルト液晶を搭載した点です。同時に発表されたTG-835は、2013年2月に登場したTG-830のブラッシュアップモデルであるのに対し、TG-850はレンズを広角側にシフトするなど、より水中撮影を意識した構成になっています。水中撮影では画角が狭くなり、陸上の約1.33倍となります。21-105mm相当のレンズは28-140mm相当になりますので、ちょうどTG-835/TG-830を陸上で使うのと同じ画角となります。
TG-850が採用した180°チルト液晶は、当然自分撮りにも活用できますが、たとえばレンズ部分を水の中に入れて、液晶モニターは水上に出して撮影する、ということも可能になります。工夫すると、今までは撮りづらかった、撮れなかったシーンでもカメラに収められるケースがいろいろとあるように思います。
今回登場したTG-850 ToughをTG-830 Tough(2013年2月発売)と比較してみたいと思います。
STYLUS TG-850 Tough(左側)とTG-830 Tough(右側)。基本的なデザインは踏襲しています。イメージセンサーは同等のものですが、レンズは広角側にシフトしたため、より水中での撮影がしやすくなっています。
STYLUS TG-850 Tough(左側)とTG-830 Tough(右側)。液晶パネルはどちらも3型46万ドットのものですが、アスペクト比は4:3から16:9に変わっています。これはボディ高を変えずにヒンジ部を確保するためと思われます。ズームレバーはボディ上面に移され、代わりに動画ボタンが液晶モニター右に置かれています。
STYLUS TG-850 Tough(左側)とTG-830 Tough(右側)。ズームレバーと動画ボタンが置き変わった以外では、GPSアンテナ部に違いがあります。TG-850ではGPSは省略されました。使い方によっては注意が必要なポイントだと思います。
【STYLUS TG-850 Tough、TG-835、TG-830の比較】
機種名 |

TG-850 |

TG-835 |

TG-830 |
イメージ
センサー |
有効1600万画素
1/2.3型CMOS |
レンズ
(35mm換算) |
21-105mm相当
F3.5-5.7 |
28-140mm相当
F3.9-5.9 |
最短撮影距離
(レンズ前) |
10cm(W)/10cm(T)
スーパーマクロ:1cm(焦点距離固定) |
20cm(W)/50cm(T)
スーパーマクロ:3cm(焦点距離固定) |
手ブレ補正 |
レンズシフト方式 |
感度 |
ISO125-6400 |
Wi-Fi |
- |
GPS |
- |
○ |
シャッター速度 |
1/2-1/2000秒 |
1/4-1/2000秒 |
タフネス性能 |
10m防水、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf、耐低温-10℃、防塵 |
液晶モニター |
3型46万ドット
チルト可動 |
3型46万ドット |
連写速度 |
未公表 |
約2.5枚/秒 |
動画記録 |
1920x1080(60p) |
1920x1080(60i) |
付加機能 |
チルト液晶 |
GPS |
バッテリー |
LI-50B 約300枚 |
外形寸法 |
109.9x64.1x27.6 mm |
109.5x66.5x28.4 mm |
質量
(電池,カード含) |
約218g |
約214g |
実売価格
(2014年2月時) |
3万3千円前後 |
3万円前後 |
2万円前後
(2013/2発売時は3万円前後) |
STYLUS TG-850 Toughの主な特長は次の通りです。
- イメージセンサーは有効1600万画素1/2.3型CMOSサイズで、オリンパスの多くのコンパクトカメラで採用されているものです。高感度性能もISO125-6400まで対応しています。今回同時に発表された3機種とも同じセンサーを搭載しているものと思われます。
- レンズは新設計の光学5倍ズームで、21-105mm相当F3.5-5.7を搭載しています。水中での画角はちょうど28-140mm相当となります。
- 最短撮影距離はズーム全域でレンズ前10cm、スーパーマクロでは最短で1cmまで寄ることができます。
- 液晶モニターは3型46万ドットのパネルでアスペクト比は16:9となっています。上辺を軸に180°反転させることができます。水中でも可能です。
- タフネス性能は、TG-835/TG-830と同じで、10m防水、2.1m耐衝撃、-10℃、防塵性能などを持っています。
- Wi-Fiは内蔵していませんが、東芝製無線LAN搭載SDHCメモリーカードFlashAirに対応しています。
- GPSについては省略されました。
- 国土交通省などの電子納品基準に適合のCALSに準拠した画像サイズ(120万画素相当・1280×960)で撮影できる「CALS+モード」を搭載しました。
- ボディサイズは、TG-835/TG-830とほぼ同じです。
液晶モニター上部のヒンジで180°反転させることが可能です。
店頭での予約価格は、概ね3万3千円程度でスタートしています。2013年2月登場のTG-830は3万円前後でのスタートでしたので、ほぼ同等レベルと言ってよいと思います。同時に発表されたTG-835のGPSか、TG-850のチルト液晶&広角レンズか、という選択になりますが、できれば「全部入り」も期待したいところです。
( by Inaba Kunio)
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