新デザインの小型デジタル一眼レフ 【ペンタックス K-S1】
リコーから、ペンタックスブランドの新型デジタル一眼レフ、K-S1が発表されました。K-S1はエントリー機的な位置づけのカメラですが、リコーによるとK-50(詳細レビュー記事)やK-30(詳細レビュー記事)の後継機ではなく、新しいシリーズとのことです。実際に、今までのデジタル一眼レフとは一味違ったデザインやコンパクトなボディ、そして背面に設置されたモードダイヤルなど、K-50やK-30との違いは小さくありません。
また、有効2012万画素のイメージセンサーにローパスフィルターレス、ローパスセレクターの搭載など、描写性能の点でも上位機のK-3(詳細レビュー記事)に準じた実力を持っているものと思われます。
Kマウントの現行機種。左からK-3、K-50、K-01。デザイン的にはミラーレスカメラのK-01にも似ているように思います。
PENTAX K-50。2013年7月の発売で、前機種であるK-30からデザインが一新されました。
まずは、K-S1の特長について、主なポイントを見てみたいと思います。
- イメージセンサーは新型で、有効画素数2012万画素、総画素数2042万画素のAPS-C型CMOSセンサーが搭載されています。画像処理エンジンはPRIME MIIが採用されています。ちなみに、K-50はPRIME M、K-3はPRIME IIIとなっています。
- K-3と同様にローパスフィルターレスでローパスセレクター機能も搭載されています。
- 対応しているISO感度は、ISO100-51200で、K-50と同じです。
- オートフォーカスもK-50と同じで、11点測距(中央9点はクロスタイプ)のSAFOX IX i+が搭載されています。
- ファインダーはK-50と同様にペンタプリズム方式となっています。視野率100%は同じですが、倍率が0.92倍から0.95倍へと僅かながら拡大しています。
- 動画撮影はK-50と同様にフルHD(30p)に対応しています。
- Wi-Fiは引き続き非搭載ですが、オプションのFLUCARD FOR PENTAX 16GB (O-FC1)の利用でスマートフォンからのリモート操作にも対応しています。
- 連写性能は5.4コマ/秒と、K-50の6コマ/秒よりも僅かながら低下しています。
- シャッターは30〜1/6000秒、シンクロ同期は1/180秒まで対応しており、これもK-50と同じです。
- バッテリーシステムはK-50やK-30と同じですが、標準で同梱されるものがK-30と同様に、充電式リチウムイオンバッテリー D-LI109と専用充電器D-BC109になりました。K-50では標準で単3形電池ホルダー D-BH109が付属していましたが、K-S1ではオプションとなっています。
- ボディサイズは幅が9mm小さくなるとともに、重さも100g近く減っています。
K-S1(左側)とK-50(右側)。ボディデザインが変わり、直線と曲線が組み合わさったものになっています。デザインとカラーについては、デザインコンサルタントziba tokyoの監修を受けたとのことですが、K-01にも似た要素があるように感じます。
面白いところでは、新たに「ボディライトインターフェース」が搭載されており、電源レバー、モードダイヤル、OKボタン、グリップ部にLEDのライトを備え、カメラの状態を表示します。
K-S1(左側)とK-50(右側)。ボディ上面にあったモードダイヤルが液晶モニターの右側に移設されています。モードダイヤルでは設定されているモードがグリーンに表示されるとともに、撮影可能状態になると内側にあるOKボタンが点灯します。液晶モニターは3型92万ドットのパネルとなっています。
K-S1(左側)とK-50(右側)。ボディ上面にあったモードダイヤルは背面側に移設されており、コマンドダイヤルが置かれています。
K-S1のレンズキットに付属するレンズ「smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6AL」は防滴性能のないもので、K-30レンズキットのものと同じです。
【ペンタックスK-S1とK-50の比較】
機種名 |

K-S1 |

K-50 |
イメージ
センサー |
有効2012万画素
APS-C型CMOS ローパスフィルターレス |
有効1628万画素
APS-C型CMOS |
画像処理
エンジン |
PRIME MII |
PRIME M |
マウント |
ペンタックスバヨネット KAF2マウント |
ISO感度
静止画 |
ISO100-51200 |
オート
フォーカス |
SAFOX IX i+、11点測距(中央9点はクロスタイプ) |
シャッター
スピード |
30-1/6000秒 フラッシュ同調は1/180秒まで |
ファインダー |
ペンタプリズム 視野率100%、0.95倍 |
ペンタプリズム 視野率100%、0.92倍 |
液晶モニター |
3型92万ドット |
連写速度 |
5.4コマ/秒 |
6コマ/秒 |
動画撮影 |
1920x1080(30p) |
バッテリー |
D-LI109
480コマ |
単三型電池4本/D-LI109
480コマ(D-LI109時) |
Wi-Fi
(W x H x D) |
× |
防塵防滴
(W x H x D) |
× |
○ |
サイズ
(W x H x D) |
120 x 92.5 x 69.5 mm |
129 x 96.5 x 70 mm |
重さ |
558g / 498g |
675g / 590g |
多くのカラーが用意されているのもペンタックス製品の特長です。前列3機種がレギュラーカラーのブラック、ホワイト、ブルーで、オーダーカラーは2列目左からファブリックコレクションとしてツイードグレー、デニムブルー、リネンブラウン、コットンベージュの4色、ナイトスカイコレクションとしてドーンパープル、サンセットオレンジ、ミッドナイトブラック、ムーンシルバー、ダスクゴールドの5色。
9月19日の発売開始に先立ち、すでに予約受付も始まっています。ボディ単体で7万5千円前後、レンズキットで8万円前後、ダブルズームキットで10万円前後の価格は、K-50登場時と比べると1~2万円程度高価でのスタートとなります。ポジション的には、K-50のやや上と言った感じになると思いますので、やはりコンパクトなボディと進化した描写性能に対する評価が選択のポイントです。
(
by Inaba Kunio)
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