カテゴリー別アーカイブ: 市場動向

2014年、デジカメはどう進化する?

カメラ画像 by イラストポップ

 2013年も残すところ数時間となりました。デジカメで振り返る今年の特徴は、高付加価値モデルへのシフトが加速したことだと思います。とくにWi-Fi機能についていえば、エントリークラスを除いてほぼ標準装備になりつつあると言えそうです。こうした流れは、今まで以上にカメラとしての魅力を強めていくことを求めるとともに、環境や使われ方の変化に適合していくことが、カメラメーカーとして生き残る上でも必要になるように思います。
 今年、詳細レビュー記事として取り上げた製品は、デジタル一眼レフ7機種、ミラーレスカメラ13機種、高級コンパクト11機種、ネオ一眼1機種、その他4機種で、計36機種でした。取り上げた数自体はほぼ昨年並みと言えますが、本来取り上げるべき機種でレビューできなかったものもチラホラと残っています。このことは「レビューしたい」と思わせる魅力をもった機種が増えていることの表れだと思いますし、こうした傾向は来年、さらに強まっていくのではないでしょうか。

monoxAwards2013を振り返って

monoxAwards2013

 昨年に引き続き、monoxAwardsの選定を終えることができました。検討自体は12月8日に実施したのですが、その後の原稿整理に時間がかかってしまい、公表は昨日となりました。発表するまでの間に大型新製品が発表されたらどうしようか、とやきもきしていましたが、幸いなことに、そうしたトラブル(?)もなく、無事発表することができました。
 前回の表彰は1社13製品でしたが、今回は特別製品賞が増えたため、1社17製品が表彰対象となりました。これでも選考時の印象で言えば昨年以上に絞り込んでおり、4名の選者全員が「できれば○○も入れたかった」という思いを残しての選定でした。

ミラーレスカメラへの移行は止まったのか?

Nikon Df

 カメラメーカーの発表によると、ミラーレスカメラの伸びが停滞しつつあります。こうした状況は、2008年9月に登場した最初のミラーレス、パナソニック LUMIX DMC-G1の登場以来、はじめてのことです。デジタル一眼レフもリリースしているメーカーは、そちらに開発資源を厚く振り向けるなどの施策をとり始めており、ミラーレスカメラに集約したメーカーは売上収益の下方修正を行いつつあります。
 スマートフォンの爆発的な普及によりコンパクトデジカメ分野が収縮している中、レンズ交換式カメラの騎手と目されていたミラーレスカメラの停滞は、メーカー各社も厳しく受け止めているものと思われます。このままミラーレスカメラは停滞し続けるのか、それともこれは一時的な現象なのか、ざっくりと考えていきたいと思います。(写真はAマウントレンズを装着したソニーα7)

東京オリンピック2020でデジカメはどう変わる?

東京オリンピック2020 TOKYO OLYMPIC
昨日、2012年夏季オリンピック&パラリンピックの開催地が東京に決定しました。1964年の東京オリンピックから56年ぶりで、同一都市での複数回開催は、ロンドン(1908年、1948年、2012年)、ロサンゼルス(1932年、1984年)、パリ(1900年、1924年)、アテネ(1896年、2004年)に続く5都市目であり、アジアでは初となります。

まだ日本国内でオリンピックが開催されるという実感はわきませんが、早くも東京オリンピックに向けてどのようなデジカメを用意したらいいか、考えてらっしゃる方もいるのではないかと思います。

2020年夏ということは、今から7年後と言うことになります。まずは、この時にどのようなデジタルカメラが展開されているかについて考えてみたいと思います。

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ニコンの四半期決算~市場の変化を先取りできるか?

Nikon ニコン
ニコンが2014年3月期第一四半期(4月-6月)の決算状況を発表しました。
グループ全体の連結決算は、売上2389億円、営業利益60億円で、前年同期と比べると売上204億円の減、営業利益173億円の減と、減収減益となっています。
デジカメ関連が属する映像事業を見ると、売上1875億円(前年同期比26億円の減)、営業利益196億円(前年同期比51億円の減)で、相対的には健闘しているものの厳しい結果となっています。

この結果を踏まえ、2014年3月期の見通しも、全社的には売上1兆400億円(5/9時点の見通しよりも700億円の減)、営業利益650億円(同200億円の減)へと下方修正されました。なお、映像事業についても売上7400億円(同700億円の減)、営業利益740億円(同200億円の減)となっており、下方修正の原因は映像事業であることがわかります。

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ドコモはルビコン川を渡ったか?~「ツートップ」戦略

京セラ VP-210 by Morio in CP+2011
5月15日に行われたドコモの夏モデル発表会は、驚きをもって迎えられました。ジリジリと市場シェアを落としつつある厳しい状況の打開策として、新たに「ツートップ」戦略が示されたからです。私はこの情報をネット上で知りましたが、ついにドコモもルビコン川を渡ったのではないか、と感じました。

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ニコンが決算を発表!映像事業は増収増益なものの、課題も出てきた?

Nikon ニコンニコンが2013年3月期の決算状況を発表しました。
グループ全体の連結決算は、売上1兆104億円、営業利益510億円で、前期と比べると売り上げは10%増と過去最高になったものの、営業利益は290億円の減となっています。
デジカメ関連が属する映像事業を見ると、売上7512億円(前期比28%増)、営業利益607億円(前期比12.5%増)で、引き続き会社を牽引していることがわかります。なお、ニコンは映像関係以外では、半導体や液晶の露光装置だけでなく、バイオサイエンス関係にも力を入れています。先日も、川崎市との間で「ナノ医療イノベーションセンター」事業を行うことを決定しており、東京大学や東京工業大学、富士フイルムなどと取り組みを進めるようです。

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デジカメWeekly:先週(2/10-16)の動きと今週(2/17-23)の予定

◎先週の主な動き(2/10-16)
前週で、アジア最大の総合映像展示会であるCP+2013が終了したため、とりわけ大きな動きはありませんでした。
その中で、ニコンとオリンパスの2013年3月期第3四半期決算について新聞等でも報じられました。オリンパスについては、「オリンパスは沈むか?」をご覧いただければと思います。

ニコンは、全社的には年間売上1兆円、営業利益480億円を見込んでおり、これは前回11/1時点の予測と比較すると、売り上げで100億円、営業利益では320億円を各々下方修正しています。2012年3月期と比べると、売上814億円の増、営業利益320億円の減、純利益213億円の減と見込まれ、増収減益の見込みとなっています。

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オリンパスは沈むか?

オリンパス OM-D E-M52月12日、「オリンパスはデジタル一眼レフ事業を大幅に縮小する」、というニュースが報道されました。翌13日には、オリンパスは「今後強化するミラーレス一眼カメラと共に、デジタル一眼レフカメラについても従来と変わらず継続して行く」との発表をし、前日の報道内容を否定しました。
もともと12日の報道は、同日に行われたオリンパスの2013年3月期第3四半期決算発表会で、デジタルカメラを含む映像事業を下方修正したことを受けたものでした。その発表を映像事業に絞ってみると、概ね次のような内容でした。

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デジカメWeekly:先週(1/20-26)の動きと今週(1/27-2/2)の予定

◎先週の主な動き(1/20-1/26)
1/31から横浜で開催される「CP+2013」に向けて、各社から新製品の情報が出てくるものと予想していましたが、昨年秋のフォトキナで目白押しだったせいか、現時点ではあまり情報が出ていないようです。
先週の動きとしては、まず国内外の5社が新たにマイクロフォーサーズ規格に賛同したことがあります。オーストラリアのBlackmagic Design社(Blackmagic Design Pty. Ltd.)、アメリカのJK Imaging 社(JK Imaging Ltd.)、日本の株式会社フォトロン、ドイツのSVS-VISTEK社(SVS-VISTEK GmbH)、日本の株式会社ビュープラスの5社です。いずれも日本ではあまり知名度がある会社ではありませんが、たとえばJK Imagingはコダックブランドのデジカメを引き継いでいる会社ですし、他にも放送や動画関係、産業機器等の分野で実力をもった企業といえます。

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