【一口コラム】1200mm相当の50倍ズーム搭載機
キヤノンからネオ一眼PowerShotSX40HSの後継機、PowerShotSX50HSが正式発表となった。先にリリースされたPowerShotSX500ISとPowerShotSX160ISはファインダーレスモデルであり、キヤノンの高倍率ズーム機からファインダー搭載モデルが無くなってしまうのではないか、と危惧をしていたが、PowerShotSX50HSの登場によりそれが杞憂に過ぎなかったことが明らかとなった。
PowerShotSX40HSは2011年9月に登場しているので、ちょうど1年で世代交代されることになる。SX50HSの特徴は、やはり24-1200mm(35mm換算)の光学50倍ズームを搭載している点で、現時点では世界で唯一の存在である。一口に50倍と言ってもイメージがわかないが、広角端で撮影できる範囲のうち、望遠端では1/2500の部分を画面いっぱいに拡大できることを意味する。
その他の主な特徴は次の通りである。
- ボディデザインが変わり、一般的なデジタル一眼レフに似た形状となった。これに伴い、高さが5mm程度低くなっている。
- ズームが24-840mm相当から24-1200mm相当になったことにより、開放F値はF2.7-5.8からF3.4-6.5となった。望遠端の実焦点距離は215mmF6.5となるので、それなりにボケを楽しむことができるだろう。
- 設定できるISO感度がISO100-3200から両側に拡がり、ISO80-6400となった。
- 液晶パネルがわずかに大きくなり、同時に高精細化された。
- RAWでの撮影にも対応した。
PowerShotSX50HS(左側)とPowerShotSX40HS(右側)。ペンタ部分のデザインが変わり、一般的なデジタル一眼レフ的な形状となった。幅はほぼ同じだが、高さが5mm程度低くなっている。
PowerShotSX50HS(左側)とPowerShotSX40HS(右側)。液晶パネルは2.7型23万ドットから2.8型46万ドットへと、大型化高精細化されている。バリアングルでの可動方式は同じ。
PowerShotSX50HS(左側)とPowerShotSX40HS(右側)。35倍ズームから一気に50倍ズームになったが、レンズ部分はそれほど大きくなっていないように見える。
主な仕様についてSX40HS(2011年9月発売)と比較すると、次のとおりである。
【PowerShotSX50HSとSX40HSの比較】
機種名 |
PowerShotSX50HS |
PowerShotSX40HS |
イメージセンサー |
有効1210万画素
1/2.3型CMOS |
レンズ |
24mm-1200mm F3.4-6.5
(35mm換算) |
24mm-840mm F2.7-5.8
(35mm換算) |
最短撮影距離
(レンズ前) |
0cm(標準)
0cm(マクロ) |
ISO感度 |
ISO80-6400 |
ISO100-3200 |
シャッタースピード |
1-1/2000秒 |
1-1/3200秒 |
液晶モニター |
2.8型46万ドット |
2.7型23万ドット |
ファインダー |
液晶ビューファインダー(20.2万ドット) |
連写速度 |
13コマ/秒 |
10.3コマ/秒 |
動画撮影 |
1920 X 1080/24fps |
バッテリー |
NB-10L 約335枚 |
NB-10L 約400枚 |
その他 |
バリアングル液晶 |
サイズ
(W x H x D) |
122.5x87.3x105.5mm |
122.9x92.4x107.7mm |
重さ
(含カード、電池) |
595g |
600g |
35mm換算で24mmから1200mmまでの画角をカバーするカメラが手の上に載るということは、考えるだけで楽しくなる。フィルムカメラでは実現できなかったことが、デジタルの世界で一つ一つ可能になっていく。デジタルカメラもまだまだ発展の余地があることを教えてくれるカメラだ。
(9月19日 記)
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