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トップページ > デジカメ購入アドバイス > キヤノンのレンズ交換式カメラについて 実際に選ぶ
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【キヤノンのレンズ交換式カメラ 実際に選ぶ】

 今まで、キヤノン製品の特徴、キヤノンのレンズ交換式デジタルカメラの特徴について記載してきました。これからは具体的な選択の視点ごとに、整理をしてみたいと思います。

 まずはじめに、フルサイズカメラからの選択です。フルサイズのデジタルカメラは、APS-Cと比べて約2倍のセンサー面積を持つことから、描写力に富んでいるとともに、35mmフィルムカメラと同じ画角で撮影できるというメリットがあります。

 デメリットとしては、レンズを含めたシステム全体が比較的大きくなることと、コスト面があげられます。 キヤノンの現行機では、フルサイズのカメラは3機種が展開されています。EOS-1DX、EOS5DMark3、EOS6Dで、いずれも2012年に登場した新型機です。

 

キヤノンの選び方1:フルサイズカメラから選ぶ

Canon EOS6D

フルサイズの大型ミラー(Canon EOS6D)

キヤノン EOS-1DX

キヤノン EOS-1DX 2012年に登場した新世代フラグシップ機です。前世代までは、高速タイプのEOS-1Dと高画素タイプのEOS-1Dsの2機種がありましたが、1DXになって統合されました。

 有効1810万画素のフルサイズイメージセンサーは、画素数だけを比べればEOS5DMark3よりも少ないですが、最高で14コマ/秒、38コマ(14bitRAW)の連続撮影枚数、ISO204800まで設定可能な高感度性能など、どのような場面でもしっかりと対応できる実力を備えています。

 また、EOS-1DXは有線LANにも標準で対応しています。このあたりは、報道関係だけでなくコマーシャル分野でもニーズの高かった機能であり、EOS-1D MarkIVからでも2年、EOS-1Ds MarkIIIからは4年の進化がきちんと実装されています。

 もし、新たにデジタル一眼レフを買うのであれば、そして予算面や小型軽量化ということに気を使う必要がなければ、キヤノンの最優先候補としてEOS-1DXの検討をお勧めします。そのことは、仮に使用者が初心者であったとしても変わりません。フラグシップ機はどのような場面でも結果を出せることを優先して創られたカメラであり、その意味では初心者こそ使うのにふさわしい機種と言えるかもしれません。

キヤノン EOS5DMarkIII

キヤノン EOS5DMarkIII EOS5DMark3はMark2の後継機種ですが、カメラとしての中身はワンランクレベルアップされています。位置づけ的には、EOS-1DXに近い機種と言えます。

 イメージセンサーの画素数は、Mark2の2110万画素に対し、Mark3は2230万画素と、ほとんど同等ですが、高感度性能をはじめ描写性能が大幅に強化されています。改善要望が高かった光学ファインダー視野率も98%から100%になったことや、オートフォーカスモジュールはEOS-1DXと同じものが搭載されている点など、EOS-1DXがなければ「フラグシップ機」となりうる実力を持っています。

 また、連写性能の強化もポイントです。Mark2では3.9コマ/秒で14コマ(14bitRAW)の連続撮影枚数が、Mark3では6コマ/秒、18コマへと大幅に強化されています。細かいところでは、液晶モニターが92万ドットから104万ドットに高精細化されるとともに、アスペクト比がイメージセンサーと同じ3:2に変わった点も、確実に使い勝手を向上させています。

 発売開始からそろそろ1年が経過しますので、価格面でも値頃感が高まってきた点も魅力的です。EOS-1DXの50万円台と比べると、ほぼ半額で入手できますので、上級者にお勧めの1台だと思います。

EOS5DMark3詳細レビュー記事もご参照ください。

キヤノン EOS6D

キヤノン EOS6D EOS6Dは新しい製品ラインで、キヤノンのフルサイズ機におけるローエンドモデルとなります。フルサイズ機の中では一番の小型軽量機であり、ボディサイズはAPS-Cサイズ中級機のEOS60Dとほぼ同等レベルとなっています。

 上位機種となるEOS5DMark3との主な違いは、光学ファインダー視野率が98%に留まること、連写性能が4.5コマ/秒であること、オートフォーカスモジュール測距点がEOS5DMark3の61点に対し11点であること、液晶モニターが一回り小さい3型であること、となっています。ただし、測距輝度範囲はEOS5DMark3よりも1段分広い-3EVまで対応していることや、ファインダースクリーンが交換可能であることなど、EOS6Dの方が勝っている点もあります。

 また、EOS6Dでは、キヤノンのデジタル一眼レフとしては初めてGPSとWi-Fiを標準搭載しています。とくにWi-Fiについては、デジタルカメラの活用範囲をさらに一回り広げる力を持っていますので、この点だけを評価してEOS6Dを選択するということもあると思います。

 EOS6Dは、発売直後から価格面でも魅力を持っています。ボディ単体では15万円強で入手できますので、値ごろ感のあるEOS5DMark3と比べても、さらに10万円もの違いがあります。キヤノンのフルサイズ入門機として、だれにでも勧めることのできる1台だと思います。

EOS6D詳細レビュー記事もご参照ください。

 

キヤノンの選び方2:デジタル一眼レフ・エントリーから選ぶ

 次に、キヤノンのデジタル一眼レフカメラのうち、エントリークラスからの選択について見てみましょう。

 現行機では、EOS KissX6iとEOS Kiss X50の2機種がエントリークラスに位置します。EOS Kiss X6iについては、前機種であるX5よりもカメラとしての基本性能がかなり強化されており、ミドルクラスとして見ることも可能な実力を持っています。

●EOS Kiss X6iとEOS Kiss X50の仕様上の違い

 両機種の仕様を比べると、主な違いは次の点となります。

  • 搭載しているイメージセンサーは、X6iの有効1800万画素CMOSに対し、X50は有効1220万画素CMOS。設定できるISO感度は、X6iのISO12800(拡張でISO25600まで対応)に対し、X50はISO6400と1段分の差があります。画像処理エンジンもX50はDIGIC4ですが、X6iはDIGIC5となります。
  • 連写速度は、X6iの5コマ/秒に対し、X50は3コマ/秒です。連続撮影可能枚数はRAWモードでX6iの6コマに対し、X50は5コマとほぼ同等です。なお、どちらもRAWは14bitとなります。
  • 動画撮影機能は、X6iはフルHDに対応しているのに対し、X50はHDまでとなります。
  • 液晶モニターはX6iの3型104万ドットに対し、X50は2.7型23万ドットです。また、X50は固定式液晶ですが、X6iはバリアングル可動のタッチパネルとなっています。

●EOS Kiss X6iとEOS Kiss X50の金額上の違い

 現時点での実売価格を比べると、

  • X50本体のみ  概ね3万円台
  • X50 + EF-S18-55mm  概ね3万円台
  • X50 + EF-S18-55mm + EF-S55-250mm  概ね4万円台
  • X50 + EF-S18-55mm + EF50mmF1.8  概ね3万円台
  • X6i本体のみ  概ね5万円台
  • X6i + EF-S18-55mm  概ね5万円台
  • X6i + EF-S18-55mm + EF-S55-250mm  概ね7万円前後
  • X6i + EF-S18-135mm  概ね7万円強

となっています。

 X6iの方が新しいこともあり、同じ構成であればX6iの方が2万円~2万5千円程度高価です。

●両機種の選択の考え方〜参考まで

 両機種ともコストパフォーマンスにすぐれた素晴らしいデジタル一眼レフです。結果的にどちらを選んだとしても、後悔することはないでしょう。

 そのことを踏まえた上で、しいて選択の考え方を述べれば、予算面を特に重視されるのであればX50を、そうでなければできるだけX6iを選択されることをお勧めします。差額の2~2万5千円は決して少ない額ではありませんが、X6iはミドルクラスに近い中身ですので、差額以上の実力を発揮できると思います。

キヤノン EOS Kiss X6i

キヤノン EOS Kiss X6i EOS Kiss X6iはキヤノンのAPS-Cサイズ・デジタル一眼レフの中で、最新機種となります。前機種であるEOS Kiss X5と比較すると、ライブビュー時のオートフォーカス高速化、液晶パネルのタッチセンサー化が大きな違いですが、これ以外にも連写性能の向上(3.7コマ/秒から5コマ/秒に)や高感度性能の向上、画像処理エンジンの進化など、カメラとしての基本性能が着実にレベルアップされています。価格的にはエントリークラスに位置づけられますが、中身はミドルクラスと言ってもよい実力をもったカメラに仕上げられています。

 なお、イメージセンサー自体はミラーレスカメラEOS Mとほぼ同等のものが搭載されています。このあたりは、キヤノンにおけるミラーレスカメラの位置づけを示していると言えます。

EOS Kiss X6i詳細レビュー記事もご参照ください。

キヤノン EOS Kiss X50

キヤノン EOS Kiss X50 EOS Kiss X50は、Kissシリーズの正統進化モデルと言えるカメラです。登場から2年近くが経過していますが、コンパクトカメラとは違う描写性能をもったカメラとして、現在もなおボリュームゾーンに位置するカメラです。

 価格的には、18mmから250mmまでをカバーするダブルズームキットが4万円台で入手できますので、一部の高級コンパクトカメラとほぼ同じ価格でデジタル一眼レフに手が届くことを示しています。また、ニコンのD3200やD5100よりはやや大きいものの、キヤノンのデジタル一眼レフの中では最小最軽量である点にも注意が必要です。

 EOS Kiss X6iと比較すると、描写性能をはじめ小さくない差がありますが、もし予算面を重視するのであれば、X50も良い選択肢になると思います。

 

キヤノンの選び方3:デジタル一眼レフ・中上級から選ぶ

 次に、中・上級クラス、ミドル・ハイエンドクラスからの選び方について見てみます。

 フラグシップモデルとエントリーモデルとに挟まれたこのクラスの製品は、メーカーごとの違いが出やすい分野でもあります。主に、1台をオールマイティに使いたいと考えるユーザーがターゲットになりますが、いわゆるハイクラスアマチュアもその対象に含まれます。

 フラグシップモデルは、どうしても高価で重量もそれなりの重さになってしまいますが、機能的には上級機でもほぼ同等の内容を備えているため、あえてこのクラスから選択する場合も少なくありません。キヤノンの現行機種では、次の2機種が展開されています。

 難しいのは、キヤノンの中・上級機は、ちょうと代替わりの時期に差しかかっているということです。EOS7Dは2009年10月、EOS60Dは2010年9月の発売開始ですので、すでに2年以上が経過しています。おそらく近いうちに後継機種が登場すると思いますので、基本的にはそれを待ってから購入することをお勧めします。

 ただし、こうした事情があるため、中・上級機としてはかなり魅力的な値段で購入できる点にも注意が必要です。ボディのつくりをみても、エントリークラスとは大きな違いがありますので、あえて後継機が出てくる前に購入する、という選択肢も検討の一つに入れるべきかもしれません。

キヤノン EOS7D

キヤノン EOS7D EOS7Dは発売開始から3年以上が経過していますが、APS-Cサイズの最上級機として、フラグシップに準じた実力を備えています。特に、ボディ単体で8コマ/秒の連写性能、14bitRAWで25コマの連写性能、キヤノンAPS-Cモデルで唯一の100%視野率光学ファインダーは、他のカメラとは一線を画する特長と言えます。シャッタースピードも1/8000秒まで対応しているだけでなく、1/250秒までシンクロ同期も可能となっています。

 登場時、EOS7Dは17万円台で販売されましたが、現在ではボディ単体で8万円台で購入することができます。この点がEOS7Dの一番の魅力かもしれません。
 

キヤノン EOS60D

キヤノン EOS60D キヤノンのベストセラーモデルの一つです。価格的にはEOS Kiss X6iと同等ですが、カメラとしてのつくりには小さくない差があります。ボディ上面の液晶パネルの有無や高速シャッタースピード、ペンタプリズムの光学ファインダー、RAWで16コマまでの連続撮影枚数など、やはりエントリークラスのカメラとは基礎力の違いを感じます。

 EOS7Dとの主な差は、光学ファインダーや連写性能などですが、EOS60Dの液晶はバリアングル可動可能であるなど、逆にアドバンテージの部分もあります。EOS7Dが典型的な上級機であるとすれば、EOS60Dは典型的な中級機と言えるかもしれません。

(2013年 1月 7日 記)
 

キヤノンの選び方3:ミラーレスから選ぶ

→「キヤノンのミラーレスカメラの選び方」をご覧ください。

 

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