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オリンパスのフラグシップカメラ
OM-D E-M1の発売が開始されました。E-M1はオリンパス・レンズ交換式カメラ全体の中でフラグシップカメラと位置づけられており、ミラーレスカメラに一元化することを表明した節目のカメラと言えます。同じフォーサーズ/マイクロフォーサーズ陣営であるパナソニックは、2007年10月のDMC-L10(ちなみに現在も現行機です)を最後にフォーサーズ規格のカメラをリリースしていませんので、これでフォーサーズ規格のデジタル一眼レフは事実上の終焉を迎えたことになります。
→発売前の記事「オリンパスのフラグシップカメラ登場!」はこちら。
オリンパス最後のデジタル一眼レフとなったE-5(2010年10月)。
OM-D E-M1の特徴は、次のとおりです。
- イメージセンサーはローパスフィルターレスの有効1628万画素の新型Live MOSセンサーで、画像処理エンジンもTruePicVIIにバージョンアップ。高感度設定時の色ノイズ低減による色再現性の向上や、動画撮影時に発生しやすいブロックのノイズを低減。また、レンズ情報や絞り情報により倍率色収差補正やシャープネス処理が過不足なく行われるとのことです。
- コントラストAF方式と像面位相差AF方式を組み合わせた「DUAL FAST AF」を搭載。フォーサーズ用レンズ装着時には像面位相差AFを、マイクロフォーサーズ用レンズ装着時は両方を併用。
- 1/8000秒の高速シャッターを搭載。シンクロ同期も最大で1/320秒まで対応。
- 連写性能が向上し、AF可動時でも6.5コマ/秒で連写可能。連続撮影枚数も、RAWで50コマ、JPEGでカード容量一杯まで撮影可能に。(6.5コマ/秒時)
- 電子ビューファインダーを大型化・高精細化し、表示の高速化や動体への追随性も向上。
- 手ぶれ補正アルゴリズムの改善で低速シャッターでの手ぶれ補正を強化。
- 防塵防滴性を引き継ぎつつ、-10°の低温環境でも可動。
- Wi-Fiを搭載しており、スマートフォンからのリモート操作にも対応。
- チルト式液晶モニターは3型104万ドットに高精細化。
- グリップ部が大型化されたことにより、サイズと重さが増しています。
フラグシップ機の条件はメーカーごとに違いますが、概ね100%視野率のファインダー、1/8000秒以上の高速シャッター、タフなボディ、精度が高く速いオートフォーカス、高速な連写性能、ボタンやダイヤル等の直接的なインターフェース、トップレベルの描写力といったところが必要条件であると思いますが、E-M1はこうした条件をクリアーしていることがわかります。
OM-D E-M1の魅力は?
オリンパスはミラーレス方式でフラグシップ機を実現したわけですが、このことから多くのメリットが見えてきます。
まず第1に、フラグシップ機としては極めて安価である、ということです。同じサイズのイメージセンサーを搭載したデジタル一眼レフのフラグシップ機、E-5の実売価格は、スタート時点で約20万円、最安値の時でも13万円を切ることはありませんでした。これに対し、E-M1はボディ単体では最初から12万円台で購入可能となっています。これだけの価格低下はミラーレス方式でなければ実現不可能であったと思います。
OM-D E-M1のイメージセンサー部。ミラーレス化により、構造が大幅に簡略化されています。
第2に、フラグシップカメラとしては、小型軽量なボディを実現したということです。デジタル一眼レフE-5と比較すると、ボディサイズは1まわり以上小型化され、重さも半分に近いレベルまで軽量化されました。大型のペンタプリズムやミラーボックスを取り除いただけでなく、部品配置の自由度が格段に向上したことによるメリットも小さくありません。
第3に、静止画と同じように動画撮影も可能であるということです。大型のイメージセンサーや明るいレンズに価値を見いだし、ミラーレスカメラやデジタル一眼レフを動作撮影に活用する方も増えてきました。ファインダーを覗いて動画も撮影できるという点はミラーレスカメラの特長の一つであり、フラグシップ機によるトップレベルの動画描写力を楽しむことができます。
それでは、オリンパスの新型フラグシップ機、OM-D E-M1の実力をテストしてみたいと思います。
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