【お勧めのデジタル一眼レフカメラ】 2012年3月版

　フラグシップからエントリー機まで、数多くあるデジタル一眼レフカメラの中で、ズバリお勧めの機種です。

【注意事項：選択の視点】

　どのような場面で、どのような方が、何を撮影するのかによって、最適なデジタルカメラは変わってきます。ここでは、はじめてデジタルカメラを購入される方や、これから腰を据えてデジカメを勉強しようと考えている方を想定しています。そのため、レンズがセットになっている場合には、基本的にそれを含めて対象としています。
　また、後継機種が発売されている場合には、旧機種が併売されていても、後継機種のみを対象とします。

●予算制約がない方にお勧めのデジタル一眼レフ

第１位：ニコン D4　　60万円前後
第１位：キヤノン EOS-1D X　　60万円前後(2012年3月発売予定)
第１位：ニコン D800　　30万円前後(2012年3月発売予定)
次点：ソニー α77 ズームレンズキット　　１８万円前後

　私は、初心者の方でも、予算があればできるだけフラグシップ機をお勧めするようにしています。「いいカメラを買っても使いこなせない」としり込みされる方も少なくありませんが、撮影のしやすさや画像のクオリティはフラグシップならではのものです。

　今回は、ニコンとキャノンのフラグシップ2機種に、2月に発表されたばかりのD800を同率1位に加えました。D800/D800Eは、基本的な位置づけとしてはD700の後継機となりますが、3600万画素のイメージセンサーや視野率100%の光学ファインダーなど、D3Xの後継機としての要素も持っています。ボディ自体も、D700よりもさらにしっかりとつくりこまれているように思います。

　次点には、前回3位だったα77をあげました。α77の画質と多機能性は、ミノルタ時代からの7シリーズに通じる実力を持っています。なお、α77はトランスルーセントミラー方式のため、厳密にはデジタル一眼レフではありませんが、機能面ではミラーレスよりもこちらに近いため、デジタル一眼レフ部門で取り上げました。

　なお、今回はD800が加わった結果選に漏れましたが、体力的にできるだけ小型のデジカメが欲しい場合には、K-5のレンズキットをお勧めします。

●概ね15万円以下でお勧めのデジタル一眼レフ

第１位：キヤノン EOS 60D ダブルズームキットII　　10万円弱
第２位：ニコン D7000 18-105VRレンズキット　　12万円前後
第３位：ペンタックス K-5 18-135レンズキット　　11万円前後
次点：ニコン D5100 ダブルズームキット　　8万円弱

　この価格帯は、上級機として、各メーカーとも力を入れた機種が揃っています。EOS60DとD7000は、性能的にはよい勝負ですが、レンズを含めたコストパフォーマンスでややEOS60Dが勝っていると判断しました。両機種とも前回より値段が下がっているため、さらに費用対効果がよくなっています。

　3位には、ペンタックスのK-5を取り上げました。前回は予算制限なしの無差別級で次点とさせていただきましたが、小型軽量なモデルとして他機種にはない魅力にあふれた機種です。カメラとしての基本性能や機能は、むしろEOS60DやD7000よりも高い部分もあります。

　次点にはニコンのD5100を選択しました。前回はソニーのα65としましたが、D5100の実売価格が低下したことにより、費用対効果が向上したためです。D5100は、位置づけ的にはミドルクラスの機種となりますが、バリアングル液晶を搭載しているなど機能面では安心して使える機種です。ただし、ボディ本体内にはオートフォーカス用のモーターがないため、AF-Sタイプのレンズでないとオートフォーカスで使えない点に注意が必要です。

●概ね10万円以下でお勧めのデジタル一眼レフ

第１位：キヤノン EOS 60D ダブルズームキットII　10万円弱
第２位：ニコン D5100 ダブルズームキット　　8万円弱
第３位：ソニー α65ダブルズームキット　　8万円弱
次点：キヤノン EOS Kiss X5 ダブルズームキット　　7万円弱

　コンパクトカメラだけでなく、レンズ交換式カメラも、ここのところ値頃感が高まっています。この価格帯のカメラでも、一般的な使い方であれば不足のないしっかりとした機能が備わっています。これからデジタル一眼レフで写真をしっかり取り組んでいかれようとされている方であれば、このクラスからの選択をお勧めしたいところです。

　１位のEOS60Dは、より上位のところでも出てきましたとおり、コストパフォーマンスに優れた機種です。ここではやや金額が安いためダブルズームキットをあげましたが、ほぼ同じ価格帯に18-135ISのセットもありますので、1本で気軽に撮影したい場合にはこちらを選択すべきでしょう。

　２位のD5100も、EOS60D同様、安心して使える機種です。ただし、上記にも記載しましたが、使えるレンズに一部制限があるため、もしフィルムカメラ時代の比較的古いレンズを使われるのであれば、D7000以上の機種を選択する必要があります。

　ソニーのα65は、画質や機能を評価して3位としました。α77と同様、ソニー独自となるトランスルーセントミラー方式を採用した電子ビューファインダーを搭載していますので、購入を検討される場合にはぜひ店頭で確認されることをお勧めします。

　次点のEOS Kiss X5は、エントリークラスと評価することもできますが、しっかりとした画質とコストパフォーマンスの高さを評価しました。トータルでの支出を抑えることを優先するのであれば、第一候補として検討されても良いと思います。

●概ね5万円以下でお勧めのデジタル一眼レフ

第１位：キヤノン EOS Kiss X50 ダブルズームキット　　5万円弱
第２位：ペンタックス K-r レンズキット　　4万円弱
第３位：ニコン D3100レンズキット　　5万円弱
次点：キヤノン EOS Kiss X50こだわりスナップキット　　5万円弱

　5万円以下のクラスにも、実力派が揃っています。さすがにダブルズームのついた製品はかなり限られますが、まずは標準ズームの付いた製品を購入し、必要に応じてレンズを揃えていく、というあり方も、レンズ交換式カメラならではです。

　1位のEOS Kiss X50は、前回よりもさらに実売価格が低下したため、ダブルズームキットとして購入することができるようになりました。カメラとしてはエントリークラスですが、やはりコンパクトカメラとは異なるレベルの写真を撮影することができます。また、Kiss X50については、標準レンズと50mm単焦点レンズがセットとなったこだわりスナップキットも、前回同様次点にエントリーさせました。

　2位のK-rは、メーカーでの生産が終了したため、一時よりもやや値段がアップしていますが、それでも5万円弱で標準ズームのセットを入手できます。この機種も、コストパフォーマンスに優れています。今後、Kマウントカメラのエントリークラスは、ファインダーやミラーボックスを廃したK-01シリーズが中心的になってくると思いますので、ファインダー付のエントリークラスを望まれるのであれば、店頭在庫が残っているうちに入手されることをお勧めします。

　3位のD3100も、しっかりしたつくりです。タイの洪水の影響で、一時、値段が上がりましたが、徐々に下がり始めているようです。機種の実力としては、EOS Kiss X50とほぼ同等であり。エントリー機としての機能に不足はありません。