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特集 ニコン Nikon D800

1.ニコン Nikon D800の位置づけと概要


ニコン D800  by Inaba Kunio    フルサイズ3630万画素の破壊力 中判に迫るデジタル一眼レフカメラ  評価:5.0
Nikon D800

 「D700の進化」を超えた存在

 3月22日、奇しくも同じ日にニコンとキャノンのフルサイズ機がリリースされた。D800/D800EとEOS5DMark3は「よきライバル」として、今後あらゆる場面で比較されることになるだろう。

 キヤノンのEOS5DMark3は、イメージセンサーのブラッシュアップとオートフォーカス性能をはじめとするパフォーマンス向上が特長であるのに対し、ニコンのD800/D800Eの特長を一言で表すのは難しい。もちろん、D700の1210万画素が一気に3倍の画素数になった点がもっとも大きな違いではあるが、そのことを指摘すればするほど、進化の全体像を誤って伝えてしまうのではないか、という思いが募る。あえて言えば、D700の進化モデルではなく、D3Xの後継機に近い存在がD800/D800Eなのである。

 3630万画素の破壊力

 とはいえ、D800/D800Eを評価するにあたっては、まず3630万画素イメージセンサーについて触れなければならない。デジタルカメラの黎明期、VGAサイズのイメージセンサーを搭載したカメラが出始めのころ、メーカーの企画関係の方と話しをする機会があった。その時にフィルムの持っている解像力の議論になり、35mm版のリバーサルフィルムで概ね1000万画素レベルというのが大体の評価であった。言い換えれば、当時はまだまだフィルムでしか記録できない世界がたくさん残っており、デジカメ開発部隊としても謙虚に取り組まなければならない、という認識だった。


D800の有効3630万画素イメージセンサー。

 フィルムの持っている情報量については様々な議論がある。しかし、D800/D800Eの3630万画素イメージセンサーは、少なくとも解像力についてはフィルムを超えているという点について、ほとんどの方は同意するだろう。実際にネット上で公開されているサンプル画像を見ても、人間の視力では到底見えなかった細部までくっきりと記録されていることがわかる。ポートレートであれば、産毛の一本一本が見えることなどは当たり前で、瞳の中に写った撮影者が構えているカメラの機種さえ識別できるものもある。3630万画素の画像は、まさに「立体顕微鏡の世界」と言えるのかもしれない。

 先日発売された第三世代iPadが搭載する9.7型Retina(網膜)ディスプレイの解像度は264ppiであり、この解像度のレベルは人間の視力の限界であるといわれている300ppiにほぼ等しい。RetinaディスプレイにD800の画像を仮に等倍で表示するには、実に32型を超えるサイズが必要となる。メーカーが「中判に迫る描写力」と表現するのも、単なる営業トークでないことが理解できるだろう。


D800の画像を等倍で表示するには、新型iPadの12倍の大きさが必要。

【Nikon D800とD700の比較】
機種名 D800 D700
イメージセンサー 有効3630万画素
フルサイズ CMOS
有効1210万画素
フルサイズ CMOS
マウント ニコンFマウント ニコンFマウント
連続撮影枚数 14bitロスレス圧縮で17枚 14bitロスレス圧縮で20枚
ファインダー ペンタプリズム
視野率100%、倍率0.7
ペンタプリズム
視野率95%、倍率0.72
ISO感度 ISO100-6400
(拡張でISO25600まで)
ISO200-6400
(拡張でISO100-25600)
シャッタースピード 30-1/8000秒 30-1/8000秒
液晶モニター 3.2型92万ドット 3型92万ドット
連写速度 5コマ/秒 5コマ/秒
動画撮影 1920 X 1080 (30p) -
インターフェース USB3.0、HDMI mini、外部マイク入力、ヘッドホン出力 USB2.0、AV出力、HDMI
バッテリー EN-EL15
900コマ
EN-EL3e
1000コマ
サイズ
(W x H x D)
146×123×81.5 mm 147x123x77 mm
重さ
(含カード、バッテリー)
900g 995g

 視野率100%の光学ファインダー

 D700に対する改善要望の中で、常にトップ1、2位を占めていたのがファインダー視野率が95%にとどまった点である。デジタルカメラは比較的容易にトリミングが行えることもあり、実用上視野率95%で困ることはそれほど多くはないかもしれない。しかし、ミラーレスカメラが搭載している電子ビューファインダーは基本的に視野率100%であり「100%であるかないか」は販売力の点で大きな違いとなる。ミドルクラスであるD7000が視野率100%の光学ファインダーを搭載したのも、おそらく同じ事情からと推察される。

 今回、D800で視野率100%とすることができたのは、ローパスフィルターを薄型化したことが大きく貢献している。D700からの3年半の要素技術の進化が、こうした点にも反映されている。

 オートフォーカス機能と性能の向上

 カメラのクラス分けにおいて、オートフォーカス性能は重要なポイントの一つである。D800には、D4と同じオートフォーカスモジュールが搭載されており、基本的なスピードや精度はD4と同等となっている。位相差方式のオートフォーカスは、コントラスト方式と比べピント精度に課題があるが、このセンサーであればコントラスト方式と遜色ないピント精度となっている。

 動画撮影に対応

 機能面での大きな進化は、動画撮影機能を搭載した点である。D700ではライブビューモードはあったものの、動画撮影には対応できていなかった。今回、D800にフルHD動画撮影機能が搭載されたことで、フルサイズのイメージセンサーを活用した動画が撮影できるようになった。フィルムカメラからカメラに入った方は、デジタル一眼レフでの動画撮影をまったく使わない方も少なくないが、実際に撮影された高画質な動画は、一般的なビデオカメラのものよりも高品位であり、ぜひ活用されることをお勧めする。

 液晶モニターの大型化をはじめ機能面で進化

 その他、搭載している液晶モニターが3型から3.2型に大型化されただけでなく、ガラスと液晶パネルを一体化させることで屋外での視認性が大幅に向上している。また、大きなところでは、SDカードとCFカードのダブルスロットに対応した点も、使い勝手を向上させている。

 それでは実際に、ニコンのフルサイズ・デジタル一眼レフ、D800の実力をテストしてみたい。



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ニコン Nikon D800 特集メニュー
1.ニコン Nikon D800の位置づけと概要
2.製品仕様からみたニコン Nikon D800
3.ニコン Nikon D800の外観をみる
4.ニコン Nikon D800の描写力をチェック
5.結局、ニコン Nikon D800は「買い」か?
【付録】Nikon AF-S 50mmF1.4G
【付録】Nikon AF-S 50mmF1.8G
ニコン Nikon D800 一口コラム
対決! vs ニコン D600
対決! vs ニコン D4
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