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高級コンパクトの選び方~具体編(単焦点モデル)

リコー GR

 前回は、高級コンパクトの選び方について、5つのポイントを整理しました。「目的を整理する」「ズームレンズか単焦点レンズか」「機能面への目配り」「操作性については?」「旧機種でもいい?中古はだめ?」という項目に沿って考え方をまとめましたが、今回は具体的に各現行機種をどう見るか、注目すべきポイントについてまとめてみたいと思います。
 なお、あわせて「お勧めの高級コンパクト 2014年4月版」もご参照いただければと思います。
高級コンパクトの選び方(具体編その1)単焦点モデル

高級コンパクトの選び方~購入にあたって注意すべきポイント

ソニー サイバーショット DSC-RX1

 スマートフォンの普及と進化に伴い、単なる記録が目的であればわざわざデジタルカメラを使う必要がなくなってきました。スマートフォンであればいつでも持ち歩いていますし、ネットワークにつながっていますから撮った写真の共有も簡単です。最近では簡単なビジネス用途でもスマートフォンを使う方も少なくありません。その結果、メーカー各社も高付加価値モデルに重点を置き始めています。たとえば、スマートフォンでは難しい望遠ズームレンズを搭載した機種や、水中などの過酷な環境でも問題なく使える機種、毎秒30コマの連写ができる機種などです。ここで取り上げる「高級コンパクト」も、この高付加価値モデルの一つで、とくに描写性能に力を入れたカメラと言うことができます。
 ちなみに「高級コンパクト」という概念は、フィルム時代に生まれたもので、1996年10月に発売開始となったリコーGR1が最初です。薄型ボディに28mmF2.8の高性能単焦点レンズを搭載しており、現在のリコー GRの先祖でもあります。
(写真はソニー サイバーショット DSC-RX1。フルサイズセンサーに35mmF2.0を搭載。)

ソニーはニコンとキヤノンを超えるか? さらに快進撃が続くソニーの映像事業

SONY logo

 デジタルカメラをはじめとする映像分野で、ソニーの快進撃が続いています。2月に発表された2013年第三四半期(10-12月)の決算状況をみると、デジタルカメラの年間販売台数は2012年の1700万台から1200万台へと台数ベースでは7割程度に減少する見込みとなっています。しかし、デジカメも含むイメージング・プロダクツ&ソリューション全体で見ると、第3四半期の売上高は1981億円(対前年同期+122億円)、営業利益は121億円(対前年同期+150億円)と、大幅な増収増益となっています。この背景には円安による為替の影響が大きく働いているものの、こうした決算状況を見ると、映像部門に対する積極的な姿勢は、今後も継続して行われていくことが予測されます。
 このことは、デジカメ分野における噂情報からも裏付けられるように思います。

はじめてのミラーレスカメラ選びで注意すべき15のポイント

SONY A6000 ILCE-6000

 新しい年度が始まり、お花見や入園・入学式、運動会など、カメラが活躍する季節が来ました。消費税が5%から8%に上がったものの、実質的なカメラの価格は逆に下がっているものも少なくありませんので、この機会に本格的なレンズ交換式カメラの購入を考えている方も多いと思います。私も今まで多くの方々のお手伝いをさせていただいてきましたが、「初めてのミラーレスカメラ購入」の相談を受けたとき、必ずお伝えする項目をまとめてみました。
 なお、レンズ交換式カメラということではデジタル一眼レフと共通する点もありますので、「初心者がデジタル一眼レフを購入するとき注意すべき7つのポイント」も参考にしていただければと思います。
(写真はソニー α6000。)

春のデジカメ新製品ラッシュ~まだまだ残されている「新しい切り口」

CP+2014

 2月13日から16日まで開催されたCP+2014(速報記事)は、あいにくの悪天候となってしまいましたが、昨年以上に魅力的な製品が多数展示されていました。とくに今年は秋にフォトキナが開催される年ですので、これからも引き続き新製品のリリースが続くものと思われます。
 他方で、デジカメ業界の「苦境」がメディアでも報じられています。スマートフォンと直接競合するような廉価タイプのコンパクトデジカメ市場が急速に縮小しているだけでなく、レンズ交換式カメラにおいても「右肩上がり」の状況に陰りがさしてきており、こうした状況の変化に対する戦略が求められているのだと思います。

ドットサイトを搭載したネオ一眼、オリンパス SP-100

OLYMPUS SP-100 with DOT SIGHT

 オリンパスから、新しい仕組みを搭載したネオ一眼、SP-100が登場しました。このカメラは「ドットサイト」という仕組みを内蔵しており、高倍率撮影時に被写体の位置を追従しやすくするものです。
 「ドットサイト」と聞いて、「ああ、よく犯罪ドラマなどに出てくるやつで、銃で狙ったところに赤い点が投射されるやつね」と思った方もいると思いますが、それは「レーザーサイト」で、「ドットサイト」とはちょっと違います。どちらも銃器用に開発されたシステムで、銃の照準を合わせるためのものという点では同じですが。

CP+2014に向けた新製品噂情報

 いよいよ来月2月13日から16日までの4日間、CP+2014が横浜で開催されます。今年は秋にフォトキナも予定されており、多くの新製品が登場すると思われます。徐々にメーカーからも情報が出始めていますが、ここでは噂情報を含めてご紹介したいと思います。

2014年、デジカメはどう進化する?

カメラ画像 by イラストポップ

 2013年も残すところ数時間となりました。デジカメで振り返る今年の特徴は、高付加価値モデルへのシフトが加速したことだと思います。とくにWi-Fi機能についていえば、エントリークラスを除いてほぼ標準装備になりつつあると言えそうです。こうした流れは、今まで以上にカメラとしての魅力を強めていくことを求めるとともに、環境や使われ方の変化に適合していくことが、カメラメーカーとして生き残る上でも必要になるように思います。
 今年、詳細レビュー記事として取り上げた製品は、デジタル一眼レフ7機種、ミラーレスカメラ13機種、高級コンパクト11機種、ネオ一眼1機種、その他4機種で、計36機種でした。取り上げた数自体はほぼ昨年並みと言えますが、本来取り上げるべき機種でレビューできなかったものもチラホラと残っています。このことは「レビューしたい」と思わせる魅力をもった機種が増えていることの表れだと思いますし、こうした傾向は来年、さらに強まっていくのではないでしょうか。

monoxAwards2013を振り返って

monoxAwards2013

 昨年に引き続き、monoxAwardsの選定を終えることができました。検討自体は12月8日に実施したのですが、その後の原稿整理に時間がかかってしまい、公表は昨日となりました。発表するまでの間に大型新製品が発表されたらどうしようか、とやきもきしていましたが、幸いなことに、そうしたトラブル(?)もなく、無事発表することができました。
 前回の表彰は1社13製品でしたが、今回は特別製品賞が増えたため、1社17製品が表彰対象となりました。これでも選考時の印象で言えば昨年以上に絞り込んでおり、4名の選者全員が「できれば○○も入れたかった」という思いを残しての選定でした。

ミラーレスカメラへの移行は止まったのか?

Nikon Df

 カメラメーカーの発表によると、ミラーレスカメラの伸びが停滞しつつあります。こうした状況は、2008年9月に登場した最初のミラーレス、パナソニック LUMIX DMC-G1の登場以来、はじめてのことです。デジタル一眼レフもリリースしているメーカーは、そちらに開発資源を厚く振り向けるなどの施策をとり始めており、ミラーレスカメラに集約したメーカーは売上収益の下方修正を行いつつあります。
 スマートフォンの爆発的な普及によりコンパクトデジカメ分野が収縮している中、レンズ交換式カメラの騎手と目されていたミラーレスカメラの停滞は、メーカー各社も厳しく受け止めているものと思われます。このままミラーレスカメラは停滞し続けるのか、それともこれは一時的な現象なのか、ざっくりと考えていきたいと思います。(写真はAマウントレンズを装着したソニーα7)