ソニーはニコンとキヤノンを超えるか? さらに快進撃が続くソニーの映像事業


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 デジタルカメラをはじめとする映像分野で、ソニーの快進撃が続いています。2月に発表された2013年第三四半期(10-12月)の決算状況をみると、デジタルカメラの年間販売台数は2012年の1700万台から1200万台へと台数ベースでは7割程度に減少する見込みとなっています。しかし、デジカメも含むイメージング・プロダクツ&ソリューション全体で見ると、第3四半期の売上高は1981億円(対前年同期+122億円)、営業利益は121億円(対前年同期+150億円)と、大幅な増収増益となっています。この背景には円安による為替の影響が大きく働いているものの、こうした決算状況を見ると、映像部門に対する積極的な姿勢は、今後も継続して行われていくことが予測されます。
 このことは、デジカメ分野における噂情報からも裏付けられるように思います。

 SONY α RUMORSなどで伝えられている主な噂情報には次のようなものがあります。
  • 秋のフォトキナまでに、Aマウントではフルサイズ1台にAPS-C1台(α77後継機?)、Eマウントではフルサイズ1台、4K対応フルサイズ機1台(α7S?)とAPS-C1台をリリース。
  • 特に2014年はハイエンドのAマウント機、Eマウント機に力を入れる。
  • α7Sには、1200万画素フルサイズセンサーが搭載され、4Kでの動画撮影にも対応。
  • イメージセンサー事業では10%以上の売上増を計画。(現在、ソニーはスマートフォン用では台数ベースで44%の世界シェア、CMOSセンサー全体では世界市場の1/3を占めるトップメーカー。)
  • フルサイズに対応した大口径単焦点レンズ、F2.8固定の標準ズーム、F4固定の超広角ズームなどのFEレンズをリリースする。
  • DSC-RX1やDSC-RX100M2の後継機。
  • Eマウント機にも手ぶれ補正機能内蔵機種。
  • AマウントとEマウントの切り替え可能なハイブリッド機種。
  • 5000万画素の中判カメラも検討。
 また、ハイエンド機に注力する、という言葉の裏付けになるかもしれませんが、ソニーは4月から新たにプロ向けサービス「ソニー・イメージング・プロ・サポート」も開始しました。昨年のソニーのシェアは、レンズ交換式カメラ全体では台数ベースで12%であり、キヤノンの34%、ニコンの29%と比べると差は小さくありませんが、ミラーレスカメラだけに限定するとソニーのシェアは27%であり、すでにトップ集団の一角を占めています。
 ソニーがコニカ・ミノルタからαマウントを引き継いだ2006年から10年近くが経過しましたが、この間にソニーからリリースされたレンズ交換式フラグシップカメラはα900とα99の2機種だけでした。とくに2012年にα99が登場するまでのことを考えると、このあたりからデジタルカメラに対するソニーの意気込みが大きく変わってきたように思います。
 昨年末に行われたソニー・デジタルイメージング事業部長のインタビュー(デジカメWatch)の中で、「世界にないないものを作りたいというソニーのDNAがある」「ソニー成長期の雰囲気が開発部門に戻った」という発言がありました。この言葉の中からも、さらにアグレッシブに進んでいこうとしているソニーの姿を垣間見る思いがします。


関連記事:「2013年のレンズ交換式デジタルカメラ販売状況



ソニーはニコンとキヤノンを超えるか? さらに快進撃が続くソニーの映像事業」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: ソニーの快進撃は続く? | monoxデジカメ比較レビュー

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