【一口コラム】 10倍ズームの薄型コンパクト
キヤノンもCP+2014(速報)を前に、新製品をリリースしました。エントリークラスのデジタル一眼レフEOS KissX70、1.5型の大型イメージセンサーを搭載した高級コンパクトPowerShotG1X Mark II、高倍率ズームを搭載したPowerShotSX700HSとPowerShotSX600HS、コンパクトなIXY630、IXY140、IXY120、防水タフネス機PowerShotD30、ニューコンセプトモデルのPowerShotN100の計9機種です。
ここで紹介するIXY140は、新たな位置づけとなるスタンダードモデルで、比較的仕様が近いIXY100F(2013年8月発売開始)と比較すると、次のような進化を遂げています。
- イメージセンサーは1/2.3型CCDセンサーですが有効1600万画素から有効2000万画素に高画素化されています。
- 画像処理エンジンはDIGIC4からDIGIC4+に進化しています。
- レンズは28-224mm相当F3.2-6.9から24-240mm相当F3-6.9へと、ズーム幅を拡張。
- IXY100Fに搭載されていたWi-Fiは省略されました。
- 液晶モニターは2.7型23万ドットで同じです。
- 動画機能はHD(25fps)で同じです。
- ボディサイズはわずかながら大きくなっており、重さも7g増しています。
2013年8月に発売開始となったIXY100F。光学8倍ズームを搭載。
まずは、この2機種の外観を比較してみたいと思います。
IXY140(左側)とIXY100F(右側)。ズームレンズが光学8倍から光学10倍に変わっています。ボディサイズは僅かですが大きくなり、重さも7g増しています。ボディデザインはIXYシリーズのものですが、やや直線を強調したものに変わっています。
IXY140(左側)とIXY100F(右側)。液晶モニターはどちらも2.7型23万ドットのパネルです。新たにヘルプボタンが追加されています。モードスイッチは省略されました。
【IXY630、IXY140、IXY120の比較】
機種名 |

IXY630 |

IXY140 |

IXY120 |
イメージ
センサー |
有効1600万画素
1/2.3型CMOS |
有効2000万画素
1/2.3型CCD |
有効1600万画素
1/2.3型CCD |
レンズ
(35mm換算) |
25-300mm相当
F3.6-7.0
(7群9枚) |
24-240mm相当
F3.0-6.9
(7群9枚) |
28-224mm相当
F3.2-6.9
(7群8枚) |
最短撮影距離
(レンズ前) |
通常:1cm(W)/1m(T)
マクロ:1cm(W) |
通常:1cm(W)/1.3m(T)
マクロ:1cm(W) |
手ブレ補正 |
レンズシフト方式 |
- |
感度 |
ISO100-3200
ローライトモードはISO6400まで可変 |
ISO100-1600 ローライトモードはISO6400まで可変 |
Wi-Fi |
○ NFCあり |
- |
- |
GPS |
- |
- |
- |
タッチパネル |
- |
フラッシュ |
約0.5〜4.0 m(W)
約1〜2 m(T) |
約0.5〜3.0 m(W)
約1.3〜1.5 m(T) |
シャッター速度 |
15-1/2000秒 |
液晶モニター |
3型46万ドット |
2.7型23万ドット |
連写速度 |
3.9枚/秒
ハイスピード連写10.5枚/秒 |
0.8枚/秒 |
動画記録 |
1920x1080/30fps |
1280x720/25fps |
バッテリー |
NB-11LH 約190枚 |
NB-11LH 約230枚 |
NB-11L 約230枚 |
外形寸法 |
99.7×57.6×22.4mm |
95.3×56.8×23.7mm |
95.2×54.3×22.1mm |
質量
(電池,カード含) |
147g/130g |
142g/125g |
127g/112g |
実売価格
(2014年3月時) |
2万円前後 |
1万5千円前後 |
1万1千円前後 |
選択の
ポイント |
12倍ズームのWi-Fi/NFC搭載モデル。 |
10倍ズームのコンパクトモデル。 |
8倍ズームのコンパクトモデル。 |
今回同時に発売されたIXYシリーズ3機種を比較すると、次のような特長があります。
- イメージセンサーは1/2.3型センサーですが、IXY630はCMOSであるのに対し、他の2機種はCCDとなります。
- レンズは、光学12倍、光学10倍、光学8倍と差があります。IXY630とIXY140は各々25mm相当、24mm相当からのズームレンズですが、IXY120は28mm相当からとなりますので、やや広角側での撮影に差が出てきそうです。
- 動画機能では、CMOSを搭載しているIXY630はフルHDに対応していますが、他の2機種はHDまでとなります。
- Wi-FiおよびNFCを搭載しているのはIXY630のみです。
- IXY120では手ぶれ補正機能が省略されています。
- 液晶モニターはIXY630が3型46万ドットであるのに対し、他2機種は2.7型23万ドットに留まります。
- ボディサイズは、わずかながらIXY630が大きくなっていますが、ほぼ同等レベルです。重さは、IXY120が頭一つ分軽量です。
- ソフト面では、IXY630のみクリエィティブショット機能を搭載しています。
IXY140の発売開始時の価格は1万6千円前後で、IXY100F登場時の1万4千円とくらべるとやや高くなっています。イメージセンサーや画像処理エンジン、光学ズームは強化されていますが、Wi-Fiは省略されるなど注意すべき点もあります。現時点でIXY100Fは1万円弱で購入可能となっていますので、24mm始まりのズームレンズに魅力を感じないのであれば、在庫があるうちはIXY100Fを選択されるのでも良いかもしれません。
( by Inaba Kunio)
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