【一口コラム】 12倍ズームとWi-Fi搭載の薄型コンパクト
キヤノンもCP+2014(速報)を前に、新製品をリリースしました。エントリークラスのデジタル一眼レフEOS KissX70、1.5型の大型イメージセンサーを搭載した高級コンパクトPowerShotG1X Mark II、高倍率ズームを搭載したPowerShotSX700HSとPowerShotSX600HS、コンパクトなIXY630、IXY140、IXY120、防水タフネス機PowerShotD30、ニューコンセプトモデルのPowerShotN100の計9機種です。
ここで紹介するIXY630は、2013年8月に発売開始となったIXY620Fの後継機で、薄型コンパクトを特徴とするIXYシリーズの最上位機となります。IXY620Fと比較すると、次のような進化を遂げています。
- イメージセンサーは1/2.3型CMOSセンサーで有効1210万画素から有効1600万画素に高画素化。同時リリースのPowerShotSX600HSと同等のものが搭載されています。
- 画像処理エンジンはDIGIC5からDIGIC4+に変わっています。これもSX600HSと同じです。
- レンズは24-240mm相当F3-6.9から25-300mm相当F3.6-7へと、ズーム幅を拡張。
- Wi-Fiは引き続き搭載されていますが、新たにNFCも搭載されワンタッチでのスマホとの接続ができるようになりました。また、スマートフォン等でのリモート操作にも対応しています。
- 動画機能も強化され、フルHD(24fps)からフルHD(30fps)に。
- ソフト面では、PowerShotNで採用された「クリエイティブショット」を搭載しました。これは1買いシャッターを押すと、カメラ側で構図、色、光を変えて計6種類の画像を自動生成するものです。
- ボディサイズはわずかながら大きくなっており、重さも5g増しています。
2013年8月に発売開始となったIXY620F。光学10倍ズームを搭載。
まずは、この2機種の外観を比較してみたいと思います。
IXY630(左側)とIXY620F(右側)。ズームレンズが光学10倍から光学12倍に変わっています。ボディサイズは僅かですが大きくなり、重さも5g増しています。ボディデザインはIXYシリーズのものですが、少しづつ変わってきています。
IXY630(左側)とIXY620F(右側)。液晶モニターはどちらも3型46万ドットのパネルです。新たにワンタッチスマホボタンが追加されています。モードスイッチはボディ上面に移されています。
IXY630(左側)とIXY620F(右側)。液晶モニター側にあったモードスイッチが上面に移っています。シャッターボタンの同軸にあるズームレバーは引き継がれています。写真ではわかりませんが、IXY630のNFCアンテナはボディ左側面に設けられています。
【IXY630、IXY140、IXY120の比較】
機種名 |

IXY630 |

IXY140 |

IXY120 |
イメージ
センサー |
有効1600万画素
1/2.3型CMOS |
有効2000万画素
1/2.3型CCD |
有効1600万画素
1/2.3型CCD |
レンズ
(35mm換算) |
25-300mm相当
F3.6-7.0
(7群9枚) |
24-240mm相当
F3.0-6.9
(7群9枚) |
28-224mm相当
F3.2-6.9
(7群8枚) |
最短撮影距離
(レンズ前) |
通常:1cm(W)/1m(T)
マクロ:1cm(W) |
通常:1cm(W)/1.3m(T)
マクロ:1cm(W) |
手ブレ補正 |
レンズシフト方式 |
- |
感度 |
ISO100-3200
ローライトモードはISO6400まで可変 |
ISO100-1600 ローライトモードはISO6400まで可変 |
Wi-Fi |
○ NFCあり |
- |
- |
GPS |
- |
- |
- |
タッチパネル |
- |
フラッシュ |
約0.5〜4.0 m(W)
約1〜2 m(T) |
約0.5〜3.0 m(W)
約1.3〜1.5 m(T) |
シャッター速度 |
15-1/2000秒 |
液晶モニター |
3型46万ドット |
2.7型23万ドット |
連写速度 |
3.9枚/秒
ハイスピード連写10.5枚/秒 |
0.8枚/秒 |
動画記録 |
1920x1080/30fps |
1280x720/25fps |
バッテリー |
NB-11LH 約190枚 |
NB-11LH 約230枚 |
NB-11L 約230枚 |
外形寸法 |
99.7×57.6×22.4mm |
95.3×56.8×23.7mm |
95.2×54.3×22.1mm |
質量
(電池,カード含) |
147g/130g |
142g/125g |
127g/112g |
実売価格
(2014年3月時) |
2万円前後 |
1万5千円前後 |
1万1千円前後 |
選択の
ポイント |
12倍ズームのWi-Fi/NFC搭載モデル。 |
10倍ズームのコンパクトモデル。 |
8倍ズームのコンパクトモデル。 |
今回同時に発売されたIXYシリーズ3機種を比較すると、次のような特長があります。
- イメージセンサーは1/2.3型センサーですが、IXY630はCMOSであるのに対し、他の2機種はCCDとなります。
- レンズは、光学12倍、光学10倍、光学8倍と差があります。IXY630とIXY140は各々25mm相当、24mm相当からのズームレンズですが、IXY120は28mm相当からとなりますので、やや広角側での撮影に差が出てきそうです。
- 動画機能では、CMOSを搭載しているIXY630はフルHDに対応していますが、他の2機種はHDまでとなります。
- Wi-FiおよびNFCを搭載しているのはIXY630のみです。
- IXY120では手ぶれ補正機能が省略されています。
- 液晶モニターはIXY630が3型46万ドットであるのに対し、他2機種は2.7型23万ドットに留まります。
- ボディサイズは、わずかながらIXY630が大きくなっていますが、ほぼ同等レベルです。重さは、IXY120が頭一つ分軽量です。
- ソフト面では、IXY630のみクリエィティブショット機能を搭載しています。
IXY630の発売開始時の価格は2万1千円前後で、IXY620F登場時の2万2千円とくらべるとやや買いやすい価格となっています。光学ズームが強化され、Wi-Fi機能もスマートフォンのリモート操作にも対応しNFCも搭載されるなど、全体に進化しています。現時点ではIXY620Fは1万5千円程度まで下がってきていますが、やはり新型機がお勧めです。
( by Inaba Kunio)
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