【一口コラム】 18倍ズームとWi-Fi搭載の高機能コンパクト
キヤノンもCP+2014（速報）を前に、新製品をリリースしました。エントリークラスのデジタル一眼レフEOS KissX70、1.5型の大型イメージセンサーを搭載した高級コンパクトPowerShotG1X Mark II、高倍率ズームを搭載したPowerShotSX600HSとPowerShotSX700HS、コンパクトなIXY630、IXY140、IXY120、防水タフネス機PowerShotD30、ニューコンセプトモデルのPowerShotN100の計9機種です。
ここで紹介するPowerShotSX600HSは、2013年4月に発売開始となったPowerShotSX280HSの後継機で、比較的コンパクトなボディに高倍率ズームレンズを搭載するなど多機能性が特長のカメラです。同時に発表されたSX700SHの弟機で、レンズが光学30倍から光学18倍に抑えられています。
2013年4月に発売開始となったPowerShotSX280HS。光学20倍ズームを搭載。
まずは、この2機種の外観を比較してみたいと思います。
PowerShotSX600HS(左側)とSX280HS(右側)。ズームレンズが光学20倍から光学18倍に変わっています。ボディサイズは僅かですがコンパクトになり、重さも46g軽量化されました。
PowerShotSX600HS(左側)とSX280HS(右側)。液晶モニターはどちらも3型46万ドットのパネルです。SX280HSに搭載されていたモードダイヤルはSX600HSではモードスイッチに簡略化されています。
PowerShotSX600HS(左側)とSX280HS(右側)。SX280HSに搭載されていたGPSは、SX600HSでは省略されていますが、スマートフォンのGPS情報を写真に付加することは可能です。ボディ厚も32.6mmから26mmへと薄型化されています。
【PowerShotSX600HS、SX280HS、SX600HSの比較】
| 機種名 |
PowerShotSX600HS |
PowerShotSX280HS |
PowerShotSX700HS |
イメージ
センサー |
有効1600万画素
1/2.3型CMOS |
有効1210万画素
1/2.3型CMOS |
有効1610万画素
1/2.3型CMOS |
レンズ
（35mm換算） |
25-450mm相当
F3.8-6.9
(8群11枚) |
25-500mm相当
F3.5-6.8
（10群12枚） |
25-750mm相当
F3.2-6.9
(10群13枚) |
最短撮影距離
(レンズ前) |
通常:5cm(W)/1m(T)
マクロ：5cm(W) |
通常:1cm(W)/1.4m(T)
マクロ：1cm(W) |
| 手ブレ補正 |
レンズシフト方式 |
| 感度 |
ISO100-3200
ローライトモードはISO6400まで可変 |
ISO80-6400 |
ISO100-3200
ローライトモードはISO6400まで可変 |
| Wi-Fi |
○
NFCあり |
○ |
○
NFCあり |
| GPS |
- |
○ |
- |
| タッチパネル |
- |
| フラッシュ |
約0.5〜3.5 m（W）
約1〜2 m（T） |
| シャッター速度 |
15-1/2000秒 |
15-1/3200秒 |
| 液晶モニター |
3型46万ドット |
3型92万ドット |
| 連写速度 |
3.9枚/秒
ハイスピード連写10.5枚/秒 |
3.8枚/秒
ハイスピード連写14枚/秒 |
3.1枚/秒
ハイスピード連写8.5枚/秒 |
| 動画記録 |
1920x1080/30fps |
1920x1080/60fps |
| バッテリー |
NB-6LH 約290枚 |
NB-6L 約210枚 |
NB-6LH 約250枚 |
| 外形寸法 |
103.8×61.0×26.0mm |
106.4×62.8×32.6mm |
112.7×65.8×34.8mm |
質量
(電池,カード含) |
188g/164g |
233g/210g |
269g/245g |
実売価格
(2014年3月時) |
2万2千円前後 |
1万8千円前後 |
3万3千円前後 |
選択の
ポイント |
18倍ズームのWi-Fi/NFC搭載モデル。 |
20倍ズームのWi-Fi/GPS搭載モデル。 |
30倍ズームのWi-Fi/NFC搭載モデル。 |
PowerShotSX600HSをPowerShotSX280HSと比較すると、主に次のような違いがあります。
- イメージセンサーは1/2.3型CMOSセンサーで、画素数は有効12メガから16メガ画素へと増えています。
- レンズの焦点距離は25-500mm相当F3.5-6.8から25-450mm相当F3.8-6.9へと僅かながら短くなっています。
- 画像処理エンジンは、SX280HSのDIGIC6に対し、DIGIC4+を搭載しています。動画撮影もフルHDに対応していますが、30fpsまでとなっています。
- 液晶モニターはどちらも3型46万ドットのものが搭載されています。
- Wi-Fiは引き続き搭載されていますが、新たにNFCも搭載されワンタッチでのスマホとの接続ができるようになりました。また、スマートフォン等でのリモート操作にも対応しています。なお、GPSは省略されましたので、位置情報を付加するにはスマートフォンのGPS情報を使う必要があります。
- ボディが一回り小さくなり、厚さも6.6mm薄くなりました。重さも46g程度軽くなっています。
- バッテリーはNB-6LからNB-6LHに変わりました。容量が3.7V 1000mAhから1060mAhに増えたこともあり、撮影可能枚数も210枚から290枚へと増しています。
- ソフト面では、PowerShotNで初搭載された「クリエイティブショット」に対応した点が目立ちます。これは1買いシャッターを押すと、カメラ側で構図、色、光を変えて計6種類の画像を自動生成するものです。
カラーはブラックの他に、レッド、ホワイト、ゴールドが用意されています。
PowerShotSX600HSの発売開始時の価格は2万2千円前後で、SX280HS登場時の3万円とくらべると買いやすい価格となっています。光学ズーム倍率が抑えられただけでなくGPSやモードダイヤルの省略など簡素化された点もありますが、その分ボディは薄くなっています。現在のSX280HSの実売価格は1万8千円前後ですので、ボディサイズやカラー選択の幅をどう評価するか、ということになりそうです。
（ by Inaba Kunio）
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