【一口コラム】 薄型IXYの最上位モデル
1/31から2/3にかけて開催されたCP+2013にあわせて、各社から多くの新製品が登場しました。キヤノンからも、薄型コンパクトモデルのIXY610Fをはじめ、IXY110F、IXY90F、ベーシックモデルのPowerShotA2600、PowerShotA1400、ニューコンセプトモデルのPowerShotNと、あわせて5機種がリリースされています。
IXY610Fを筆頭とする3モデルは、2011年9月に発売開始となったIXY600Fの後継機となりますが、IXY600Fは2012年にキヤノンで一番売れた機種であり、コンパクトカメラの中でも主力カメラという位置づけになると思います。今回、後継機として3機種が登場したのも、この分野の可能性を考慮してのことだと思われます。
IXY610Fを前機種のIXY600Fと比較すると、
- イメージセンサーは有効1210万画素1/2.3型CMOSで同じ。
- 画像処理エンジンは、DIGIC4からDIGIC5に進化。
- レンズは、35mm換算で28-224mmF3-5.9の光学8倍ズームから、24-240mmF3-6.9の光学10倍ズームに。
- 液晶モニターは3型46万ドットで同じ。
- 動画性能は、24fpsのフルHD対応であり、同じ。
- 新たにWi-Fiを搭載。
- サイズはわずかに大きくなったが、重さを含めほぼ同等。
IXY610F(左側)とIXY600F(右側)。ボディの基本的なデザインは同じです。サイズは、95.8x56.8x22.1 mmから97.2x56.4x22.5 mmへとわずかながら大きくなっています。
IXY610F(左側)とIXY600F(右側)。液晶パネルはどちらも3型46万ドットです。IXY610Fではボディ右側面にあったモードスイッチとMENUボタンは、液晶パネル側に移設されています。
IXY610Fは、IXY600Fのズーム域を広角側と望遠側の両方に伸ばすとともに、Wi-Fiを内蔵させた点がポイントになります。
それでは次に、同時に発表された下位モデルIXY110Fとの違いをチェックしてみます。
IXY610F(左側)とIXY110F(右側)。基本的には同じデザインですが、レンズ周りやボディ形状など、細かく見ると違いがあることがわかります。前面ランプの位置の違いも、その一つです。IXY610Fでストロボ下とレンズ左上に見える穴はステレオマイク用のものです。IXY110Fではモノラルマイクとなります。
IXY610F(左側)とIXY110F(右側)。液晶モニター側のインターフェースは、ほぼ共通しています。液晶モニターは、どちらも3型46万ドットのもので、タッチパネルではありません。
IXY610F(左側)とIXY110F(右側)。ボディ厚は、IXY110Fの20.6mmに対し、IXY610Fでは22.5mmと約2mm厚くなっています。ボディ形状も、IXY610Fの方が膨らみが大きいことがわかります。
IXY610FとIXY110Fの主な違いは、次の通りとなります。
- イメージセンサーは、IXY610Fの有効1210万画素CMOSに対し、IXY110Fでは有効1610万画素CCD。
- レンズはIXY610Fの方が、望遠側と広角側の両方で広くなっています。IXY110Fの8倍ズームは、IXY600Fのものとほぼ同じです。
- 液晶モニターも両機種とも同じ。
- IXY610FはフルHDに対応しているのに対し、IXY110FはHDまでです。
- 連写性能もIXY610Fの最高6.2コマ/秒に対し、IXY110Fでは0.8コマ/秒。
- どちらもWi-Fiを搭載。
- サイズはほぼ同じものの、厚さはIXY610Fの方が2mm程度厚い。
基本的には、IXY600Fのレンズを強化しWi-Fiを搭載してIXY610Fに対し、IXY600FのイメージセンサーをCCDに変え、Wi-Fiを搭載したIXY110Fという関係になります。ベストセラーモデルとなったIXY600Fのバリエーションを増やしたと言えると思います。
【IXY610F、IXY110F、IXY90の比較】
機種名 |
 IXY610F |
 IXY110F |
 IXY90F |
イメージ
センサー |
有効1210万画素
1/2.3型CMOS |
有効1600万画素
1/2.3型CCD |
レンズ
(35mm換算) |
24-240mm相当
F3.0-6.9 |
28-224mm相当
F3.2-6.9 |
最短撮影距離
(レンズ前) |
通常時:1cm(W)/1m(T)
マクロ時:1cm(W) |
通常時:1cm(W)/1.3m(T)
マクロ時:1cm(W) |
手ブレ補正 |
レンズシフト方式 |
感度 |
ISO80-6400 |
ISO100-1600 |
Wi-Fi |
○ |
- |
タッチパネル |
- |
フラッシュ |
約0.5 〜 4.0 m(広角側)
約1.0 〜 2.0 m(望遠側) |
約0.5 〜 3.5 m(広角側)
約1.3 〜 1.7 m(望遠側) |
シャッター速度 |
15-1/2000秒 |
液晶モニター |
3型46万ドット |
2.7型23万ドット |
連写速度 |
6.2枚/秒 |
0.8枚/秒 |
動画記録 |
1920x1080/24fps |
1280x720/25fps |
バッテリー |
NB-4L 約300枚 |
NB-11L 約260枚 |
NB-11L 約275枚 |
外部端子 |
AV OUT、USB、HDMI |
AV OUT、USB |
外形寸法 |
97.2×56.4×22.5mm |
95.4×56.0×20.6mm |
92.9x52.4x21.6 mm |
質量
(電池,カード含) |
約144g |
約133g |
約133g |
実売価格
(2013年2月時) |
2万5千円前後 |
2万円前後 |
1万5千円前後 |
選択の
ポイント |
10倍ズームのIXY最上級モデル。Wi-Fiも搭載。フルHD動画撮影や6.2コマ/秒の連写に対応。 |
8倍ズームの最薄モデル。イメージセンサーとレンズはIXY90Fと同じ。Wi-Fiも搭載。 |
8倍ズームの最薄モデル。イメージセンサーとレンズはIXY110Fと同じ。IXY最小モデル。 |
IXY610FとIXY110Fは2月21日、IXY90Fは3月7日の発売予定で、店頭での実売価格はIXY610Fは2万5千円前後、IXY110Fは2万円前後、IXY90Fは1万5千円前後となっています。なお、IXY600Fは2011年9月に発売開始となりましたが、その時点での実売価格は2万円台中頃でしたので、IXY610Fについてはほぼ同じ水準でのスタートといえるかもしれません。なお、現時点のIXY600Fは、カラーによっては1万円弱で購入できるようです。
(2013年 2月17日 記)
|