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特集 ペンタックス PENTAX K-3
4.ペンタックス K-3の描写力をチェック |
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ペンタックス K-3
by Inaba Kunio
ローパスフィルターを調整可能なフラグシップ・デジタル一眼レフ
評価:5.0
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描写力チェック1:高感度性能ペンタックス K-3の基本感度はISO100で、標準でISO51200までの設定が可能です。前機種のK-5II/K-5IIs(製品レビュー)は、標準でISO12800まで、拡張ではISO80-51200まで設定できましたので、標準域でISO51200に対応した一方で、ISO80は省略されたことになります。K-3は1/8000秒までの高速シャッターを搭載していますので、ISO80の省略は実用面ではあまり影響がないかもしれません。ノイズ低減方法としては、カメラ内での設定と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法があります。K-3にはカメラ内にRAW現像機能も搭載されています。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルのパラメータが設定されるだけで、画像自体には変更は加えられません。 カメラ内でのノイズ低減は、「高感度NR」と「長秒時NR」の2つです。他社にない機能として、高感度NRのカスタム設定があり、ISO感度別にノイズリダクションの設定ができるようになっています。 「高感度NR」は「オフ」、「弱」、「中」、「強」と、「オート」、「カスタム」の計6種類があり、初期設定では「オート」になっています。「オート」ではISO感度の設定によって、カメラ側で自動的にノイズリダクションを行う。 「長秒時NR」は、「オフ」、「オン」、「オート」の3種類があります。「オン」にすると1秒よりも低速のシャッター速度で撮影したときには、常に長秒時ノイズリダクション処理がかかるようになります。こちらも初期設定は「オート」になっており、シャッター速度、設定ISO感度、カメラ内部温度等を判断して、カメラ側で処理を行います。 K-5II/K-5IIsでは有効1628万画素だったセンサーが、K-3では有効2435万画素へと高画素化されましたので、単純に1画素あたりの面積を比較すると2/3程度に小さくなります。このことが高感度性能にどう影響するかが気になりましたが、実際にはほぼK-5II/K-5IIsと同じ傾向であると実感しました。 テスト結果を見ると、高感度ノイズ低減を「しない」にしても、ISO1600まではほとんどノイズ感は感じられません。ISO3200を超えると暗部を中心にややノイズが目立ってきますが、ISO6400でも十分実用的であるように感じます。ISO12800以上になると、等倍ではかなりノイズが目立ちますが、画像自体は破たんしているわけではないので、縮小して利用するなど活用方法によっては十分使えるレベルだと思います。さすがにISO51200あたりになると、かなりノイズレベルは高くなります。 高感度ノイズ低減を「中」にすると、概ね1段から2段分程度ノイズが低減されます。やはり解像感はやや低下するものの、ISO12800でもそれなりに使えるレベルとなります。さらにノイズ低減を「強」にすると、ノイズ感は改善されますが、解像感の低下もやや目立つようになります。 下記のサンプルは、高感度撮影時のノイズ低減を「オフ」、「中」、「強」の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものです。表示画像はほぼ等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されるので、あわせて比較をしていただければと思います。 なお、長秒時ノイズ低減については、高感度ノイズ低減「オフ」の時には「オフ」、それ以外は「オン」に設定しています。
ISO100(左から「オフ」「中」「強」) 描写力チェック2:解像度(ローパスセレクター)K-3のイメージセンサーは有効2435万画素の新タイプです。今回テストしたDA50mmF1.8の結果は、絞り開放ではやや柔らかい表現ながら、絞るにつれて鮮明度が上がっていく標準レンズらしい描写力を持っており、全体に優れた解像力を示しました。絞り開放から1段絞ると、周辺部を含めかなり鮮明度が向上します。絞っていくと、さらに画像がしっかりしてくるので、下記のサンプルにはF1.8から4段分絞ったF7.1のものを掲載しました。視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも、2500本ラインの視認が可能です。今回は、K-3に搭載された「ローパスセレクター機能」を同時にチェックしました。この機能は、イメージセンサーを微細に振動させることでローパスフィルターのような効果を実現するものです。設定は、「OFF」「TYPE1(弱)」「TYPE2(強)」から選択できるようになっています。
【ローパスセレクター機能:オフ】
この状態は、K-5IIsと同様にローパスフィルターレスとなります。限界解像度チェック用のラインでは、縦横とも2500本まで視認できています。モアレもほとんど発生していませんので、基本的にはOFFの状態で良いと思います。
【ローパスセレクター機能:TYPE1(弱)】
一般的なローパスフィルターと同じレベルの効果を出すモードです。ごくわずかながら解像感の低下を感じますが、この状態でも問題なく2500本のラインを視認可能です。
【ローパスセレクター機能:TYPE2(強)】
TYPE1よりも、さらにローパスフィルター効果を強めたモードとなります。やはりごくわずかながら解像感の低下を感じます。この状態でも2500本のラインは視認可能でしたので、実用的には十分な解像力だと思います。
描写力チェック3:レンズ補正機能K-3にはレンズ補正機能として、ディストーション補正、倍率色収差補正、周辺光量補正の3つが搭載されています。これはDAレンズ装着時に有効とすることができますが、FAレンズでも31mmF1.8、43mmF1.9、77mmF1.8の3本のLimitedレンズにも対応しています。なお、K-5II/K-5IIs(製品レビュー)やK-50(製品レビュー)では周辺光量補正には対応していませんでしたので、K-3での新機能となります。 テストに使用したDA50mmF1.8は、もともと収差が目立つレンズではありませんが、それでも絞り開放ではわずかながら周辺光量不足や歪曲収差が残っています。レンズ補正機能を「オン」にすると、ほぼ完全に補正されることを確認しました。 RAW撮影時には、レンズ補正は現像パラメーターとして記録されますので、撮影後に補正前に戻すことも可能です。
DA50mmF1.8 (35mm版75mm相当) 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数ペンタックスによると、K-3の連写性能は次の通りです。
使用したメモリーカードは高速タイプのものです。 (SanDisk ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)
K-3は、さずがにフラグシップ機であり、しっかりとした連写性能であることを実感しました。一番データ量が大きくなるRAW+JPEG(ラージ・スーパーファイン)でも連写Hで24コマの連写ができ、最終的には1コマ/秒のペースでカード容量一杯までの撮影が可能でした。 なお、バッファーが一杯になった時にもたつく感じはしませんでしたが、一気に無限連写可能な速度まで遅くなるのではなく、しばらくはその倍前後の速度で撮影が可能でした。たとえば、連写HでRAW+JPEGでは、8.3コマ/秒で24コマを連写後、その次の14枚は2コマ/秒のペースで撮影ができ、その後は1コマ/秒のペースで最後まで撮影可能でした。 また、K-3はデュアルスロットに対応しており、RAW+JPEG撮影時にはスロット1にRAWを、スロット2にJPEGを記録することも可能です。その場合も、特に連写速度の向上は認められませんでした。 |