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特集 ニコン Nikon D5100
1.ニコン Nikon D5100の位置づけと概要 |
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ニコン D5100
by Inaba Kunio
ユーザーニーズを網羅した贅沢なエントリー機 評価:5.0
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ユーザーニーズを網羅した贅沢なエントリー機D5100は、ニコン初の4桁シリーズであるD5000の後継機であり、2011年4月に登場した。位置づけ的にはエントリークラスであるものの、ユーザーニーズをすべて網羅したかのような贅沢な機能が特徴となっている。D5100のポイントを列挙すると、
D3100とほぼ同じ大きさの小型ボディ。 その一方で、エントリー機としての「差別化」も図られている。
こうしたD5100の特徴を一言で表すと、「描写力では妥協しないが、撮影を便利にする機能はそぎ落とした」デジタル一眼レフ、ということになるかもしれない。 オールラウンドに使える魅力このカメラをD300SやD7000と一緒に使うと、たとえばシャッターの切れや動作感の違いを否応なく感じさせられる。ファインダー像のクリアーさにも大きな差がある。しかし、それは「一緒に並べて使ってみれば」ということであり、D5100単体で使えば、やはりデジタル一眼レフとしての基本力にはきちんと目配りがされている。廉価なミラーレスカメラでは味わうことのできないテンポの良さもしっかりと堪能することができる。また、ニコンの現行機としては唯一バリアングル液晶を搭載している点も、D5100の重要なポイントである。光学ファインダーを使った撮影で力を発揮するデジタル一眼レフではあるが、やはり自由に向きを変えることができる液晶モニターは、カメラとしての使い勝手を大きく向上させてくれる。 バリアングル液晶を搭載する現行機はD5100のみ。 厳しい撮影環境や高速で移動する被写体の連続撮影など、ある種のシーンではD5100の力不足を痛感するかもしれないが、逆に言えばどのような場面でも「そこそこ」使えるカメラでもある。そして、一般のユーザーにとっては、この「そこそこ」使えるということが重要なのかもしれない。 D7000とD3200にはさまれて・・・とはいえ、D3200が新たに登場しようとしている中、D5100のポジションも微妙になりつつある。発売開始時点ではD3200とD5100とではボディ単体で3万円近くもの金額差があるため、D5100とD3200の購入層は大きく分かれるだろう。しかし、他のカメラと同様に、いずれはD3200の価格もかなり低下していくことが予想される。そうした状況の中で、D5100のポジションを改めて整理する必要が出てくるのかもしれない。
D7000、D5100、D3200を比較してみると、D5100がD3200に対して明らかに優位に立つのは、バリアングル液晶モニターを搭載している点と、RAWが14bitである2点だけである。また、D7000との間には、光学ファインダーやシャッタースピード、連写速度やボディのクラスなど、超えることのできない壁が立ちはだかっている。 今後、D3100からD3200への世代交代が進む中で、D5100はニコンのエントリー機としての性格をさらに強く持つことになるだろう。その時に、単なる最廉価機とならず、D5100ならではといった特長が出せるかどうかが、今後のニコンのラインアップを考えるうえでも大切なポイントになるように思われる。 それでは実際に、ニコンのオールマイティ・デジタル一眼レフ、D5100の実力をテストしてみたい。 |