【一口コラム】 10倍ズームの廉価スリムコンパクト機
1/31から2/3にかけて開催されたCP+2013にあわせて、各社から多くの新製品が登場しました。パナソニックからも、10倍ズームスリム機DMC-SZ3をはじめ、兄弟機のDMC-SZ9、多機能モデルのDMC-TZ40、DMC-TZ35、タフネスモデルのDMC-FT5、DMC-FT25、スタイリッシュコンパクトのDMC-FH10、DMC-XS1と、あわせて8機種がリリースされています。
LUMIX DMC-SZ9、DMC-SZ3は、2012年2月に発売開始となったDMC-SZ7の後継機となります。とはいっても、SZ3はSZ7の直接の後継機というよりは、後継機であるSZ9の廉価モデル、という位置づけです。両機種の主な違いは、DMC-SZ7のイメージセンサーが有効1410万画素1/2.33型CMOSであるのに対し、DMC-SZ3は有効1610万画素1/2.33型CCDであること、動画性能がSZ7の方が高いこと、液晶モニターもSZ7の方が大型で高精細なこと、といった違いがあります。イメージセンサーの違いはあるものの、基本的な性能はSZ7の方が上位と言えるように思います。
LUMIX DMC-SZ3(左側)とDMC-SZ7(右側)。ボディ上面の曲線部分が変わっていますが、基本的なデザインはやはり共通しています。サイズは、99x59.4x21
mmから94.8x55.8x21.9 mmへと一回り小型化されました。重さも、5gとわずかながら軽量化されています。搭載されているレンズは同じものとなります。
LUMIX DMC-SZ3(左側)とDMC-SZ7(右側)。液晶パネルは、SZ7の3型46万ドットに対し、SZ3は2.7型23万ドットとなります。ボタンの配置も、一部入れ替わっています。
なお、DMC-SZ7は2012年3月の発売ですが、2012年8月にはDMC-SZ5が発売されています。この機種も同じ10倍ズームレンズですが、有効1410万画素1/2.33型CCDとWi-Fiを搭載しており、ボディデザインもやや大型となっています。
それでは次に、同時に発表された上位モデルDMC-SZ9との違いをチェックしてみます。
LUMIX DMC-SZ3(左側)とDMC-SZ9(右側)。搭載されているレンズは両機種とも同じもので、35mm換算で25-250mmF3.1-5.9となります。
LUMIX DMC-SZ3(左側)とDMC-SZ9(右側)。SZ9の方が大型で高精細な液晶パネルを搭載しています。Wi-Fi機能の有無の違いにより、ボタン類の機能も一部入れ替えられています。動画ボタンも、SZ3では液晶パネル側にありますが、SZ9ではボディ上面に移されています。なお、SZシリーズはすべてタッチセンサー液晶ではありません。SZ3はコスト面を重視しているため、背面パネルは樹脂製となっています。
LUMIX DMC-SZ3(左側)とDMC-SZ9(右側)。ボディ上面のボタンの配置は一部異なっています。また、SZ9のマイクはステレオに対応しています。動画ボタンもシャッターボタンの横に移動されていますが、これはSZ9では動画撮影も重視しているためと思われます。
【DMC-SZ3、DMC-SZ9の比較】
機種名 |
DMC-SZ3 |
DMC-SZ9 |
イメージセンサー |
有効1610万画素
1/2.33型CCD |
有効1610万画素
1/2.33型CMOS |
レンズ (35mm判換算) |
24-250mm相当
F3.1-5.9 |
24-250mm相当
F3.1-5.9 |
最短撮影距離
(レンズ前) |
通常時:50cm(W)/1.5m(T)
マクロ時:5cm(W)/1.5m(T) |
通常時:50cm(W)/1.5m(T)
マクロ時:5cm(W)/1.5m(T) |
手ブレ補正 |
レンズシフト方式 |
感度 |
ISO100-1600
(拡張でISO6400) |
ISO100-3200
(拡張でISO6400) |
ファインダー |
- |
- |
フラッシュ |
約0.6 〜 4.1 m(広角側)
約1.5 〜 2.1 m(望遠側) |
約0.6 〜 4.1 m(広角側)
約1.5 〜 2.1 m(望遠側) |
シャッター速度 |
8-1/1600秒
星空モードで60秒 |
4-1/1600秒
星空モードで30秒 |
液晶モニター |
2.7型23万ドット |
3型46万ドット |
連写速度 |
約10枚/秒 |
約10枚/秒 |
動画記録 |
1280x720/24fps |
1920x1080/60i |
バッテリー |
DMW-BCK10 約250枚 |
DMW-BCL7 約220枚 |
付加機能 |
- |
Wi-Fi |
外形寸法 |
94.8 x 55.8 x 21.9mm |
96.5 x 56.8 x 21.2mm |
質量
(電池,カード含) |
約126g |
約134g |
DMC-SZ9とDMC-SZ3の主な違いは、次の通りとなります。
- イメージセンサーは、どちらも有効1610万画素1/2.33型であるものの、SZ9はCMOSであるのに対し、SZ3はCCD。
- レンズは同じものが搭載されている。
- 液晶モニターは、SZ9の方が大型で高精細。
- SZ9はフルHDの60iに対応しているのに対し、TZ60はHDの24fpsにとどまる。
- SZ9にはWi-Fiを搭載。
- サイズはFZ40の方がわずかに大きいが、ほぼ同じ。
基本的には、動画撮影や暗所機能を重視し、Wi-Fiを搭載したSZ9に対し、機能をシンプルにすることで価格面を重視したSZ3という関係になってきます。
DMC-SZ3、DMC-SZ9とも2月14日の発売予定で、店頭での実売価格はDMC-SZ3は2万円前後であるのに対し、DMC-SZ9は2万円台後半となっています。なお、DMC-SZ7は2012年2月に発売開始となりましたが、その時点での実売価格は2万円強でしたので、SZ9についてはWi-Fiが搭載されている分、やや高めでのスタートになります。SZ7の実売価格は、現時点では1万円強となっていますので、機能の逆転を考えると、やや大きめのボディサイズが気にならなければ、SZ7を選ぶことも検討すべきかもしれません。
(2013年 2月13日 記)
パナソニックから登場した高倍率ズーム機4機種の間で迷われる方もいらっしゃると思います。これらの主な違いを比較すると、次のようになります。
【DMC-TZ40、DMC-TZ35、DMC-SZ9、DMC-SZ3の比較】
機種名 |
 DMC-TZ40 |
 DMC-TZ35 |
 DMC-SZ9 |
 DMC-SZ3 |
イメージ
センサー |
有効1810万画素
1/2.3型CMOS |
有効1610万画素
1/2.33型CMOS |
有効1610万画素
1/2.33型CCD |
レンズ
(35mm換算) |
24-480mm相当
F3.3-6.4 |
24-250mm相当
F3.1-5.9 |
最短撮影距離
(レンズ前) |
通常時:50cm(W)/2m(T)
マクロ時:3cm(W)/1m(T) |
通常時:50cm(W)/1.5m(T)
マクロ時:5cm(W)/1.5m(T) |
手ブレ補正 |
レンズシフト方式 |
感度 |
ISO100-3200
(拡張でISO6400) |
ISO100-1600
(拡張でISO6400) |
Wi-Fi |
○ |
- |
○ |
- |
GPS |
○ |
- |
- |
- |
タッチパネル |
○ |
- |
- |
- |
フラッシュ |
約0.6 〜 6.4 m(広角側)
約1.0 〜 3.3 m(望遠側) |
約0.6 〜 4.1 m(広角側)
約1.5 〜 2.1 m(望遠側) |
シャッター速度 |
4-1/2000秒
星空モードで30秒 |
4-1/1600秒
星空モードで30秒 |
8-1/1600秒
星空モードで60秒 |
液晶モニター |
3型92万ドット |
3型46万ドット |
2.7型23万ドット |
連写速度 |
約60枚/秒 |
約10枚/秒 |
動画記録 |
1920x1080/60p |
1920x1080/60i |
1280x720/24fps |
バッテリー |
DMW-BCM13 約300枚 |
DMW-BCK10 約260枚 |
DMW-BCL7 約220枚 |
DMW-BCK10 約250枚 |
付加機能 |
NFC |
- |
- |
- |
外形寸法 |
108.3 x 58.9 x 27.7mm |
104.9 x 58.9 x 28.7mm |
96.5 x 56.8 x 21.2mm |
94.8 x 55.8 x 21.9mm |
質量
(電池,カード含) |
約198g |
約193g |
約134g |
約126g |
実売価格
(2013年2月時) |
4万円前後 |
3万円前後 |
2万円台後半 |
2万円前後 |
選択の
ポイント |
20倍ズームのフル機能搭載モデル。Wi-Fi、GPS、タッチパネルも搭載。60pのフルHDも対応。 |
20倍ズームのシンプル機能モデル。レンズはTZ40、センサーはSZ9と同じ。 |
10倍ズームのWi-Fi搭載モデル。レンズはSZ3、センサーはTZ35と同じものを搭載。 |
10倍ズームのシンプル機能モデル。レンズはSZ9と同じで、センサーはCCDを搭載。 |
(2013年 2月14日 記)
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