【一口コラム】 デザインとバッテリーを変えた薄型ズーム機
8月22日、キヤノンはPowerShotS120、PowerShotS200、PowerShotG16といった高級コンパクト3機種を国内発表しましたが、他にも高倍率ズームPowerShotSX170IS、PowerShotSX510HS、薄型コンパクトのIXY620F、IXY100F、低価格モデル PowerShotA3500IS、の計5機種も発表しています。これらの機種は、高級コンパクト機よりも一足早い8月29日に発売開始予定です。
PowerShotSX170ISは、2012年9月に登場したPowerShotSX160ISの後継機となりますが、同時に発表となったPowerShotSX510HSの下位機でもあります。まずは、PowerShotSX160ISからどのように変化したのか、チェックしてみたいと思います。
PowerShotSX170IS(左側)とPowerShotSX160IS(右側)。ボディから受ける印象はかなり変わったと思います。ポップアップストロボ部やグリップ部の張り出しが大きくなっていますが、ボディ部分の厚さ自体はむしろ薄くなりました。これはバッテリーが単三電池型からリチウムイオン電池に変わったことが影響しているかもしれません。
PowerShotSX170IS(左側)とPowerShotSX160IS(右側)。搭載しているレンズやイメージセンサーは同じものと思われます。よりネオ一眼的なデザインに変わっています。
PowerShotSX170IS(左側)とPowerShotSX160IS(右側)。液晶パネルはどちらも3型23万ドットのものです。SX160ISにはあったストロボポップアップボタンは、SX170ISでは省略されましたが、それ以外のインターフェースはほぼ共通しています。
PowerShotSX170ISの主な特徴は次の通りです。
- PowerShotSX160ISと同じ28-448mm相当F3.5-5.9の光学16倍ズームレンズを搭載。
- イメージセンサーは有効1600万画素1/2.3型CCDで、SX160ISやSX500ISと同じです。
- 高感度性能やシャッター速度、連写性能、動画撮影機能も同じです。
- 画像処理エンジンもDIGIC4と同じです。
- 液晶モニターは3型23万ドットで同じ。タッチ操作やチルト可動には非対応です。
- 大きな違いは、単三型電池2本だったSX160ISに対し、SX170ISでは専用リチウムイオン電池となったことで、通常モードで300コマ、エコモードでは440コマの撮影が可能です。
- SX160ISでは設けられていたHDMIミニ端子は省略されています。
- ボディサイズは108x71x43.9 mmと、SX160ISよりもややコンパクトになりました。
- バッテリーシステムが変わったことにより、撮影時の重さは291gから251gへと40gの軽量化が図られています。
【PowerShotSX170ISとSX160ISの比較】
機種名 |
PowerShotSX170IS |
PowerShotSX160IS |
イメージ
センサー |
有効1600万画素
1/2.3型 CCD |
有効1600万画素
1/2.3型 CCD |
レンズ |
5-80mm F3.5-5.9
(35mm換算:約28-448mm) |
5-80mm F3.5-5.9
(35mm換算:約28-448mm) |
ISO感度 |
ISO100-1600 |
ISO100-1600 |
シャッタースピード |
15-1/3200秒 |
15-1/3200秒 |
液晶モニター |
3型23万ドット
| 3型23万ドット
|
連写速度 |
0.8コマ/秒 |
0.8コマ/秒 |
動画撮影 |
1280 X 720(25fps) |
1280 X 720(25fps) |
インターフェース |
USB、AV OUT |
USB、AV OUT、HDMIミニ |
バッテリー |
NB-6LH
300枚 |
単三型電池2本
単三型アルカリ電池:140枚
単三型ニッケル電池:380枚 |
その他 |
- |
- |
サイズ
(W x H x D) |
108x71x43.9 mm |
110x72.5x44.1 mm |
重さ |
251g / 228g |
291g / 243g |
また、同時に発売となるPowerShotSX510HSはSX170ISの上位機種となりますが、どのような点に違いがあるのかを見てみます。
PowerShotSX170IS(左側)とPowerShotSX510HS(右側)。高倍率ズーム機としてデザインテイストは似ていますが、レンズ部分の大きさやグリップ部の形状、シャッターボタンの配置など、細かい点での違いは多くあります。とくにSX170ISのボディ厚は、かなり薄く感じられます。
PowerShotSX170IS(左側)とPowerShotSX510HS(右側)。SX170ISのレンズは24-720mm相当の光学30倍ズームであるのに対し、SX170ISは28-488mm相当の光学16倍ズームとなります。
PowerShotSX170IS(左側)とPowerShotSX510HS(右側)。こちら側のインターフェースも似ています。液晶モニターはどちらも3型ですが、SX170ISでは46万ドットのパネルであるのに対し、SX170ISでは23万ドットとなります。また、SX510HSにはWi-Fiが内蔵されている点もポイントだと思います。
【PowerShotSX170ISとSX510HSの比較】
機種名 |
PowerShotSX170IS |
PowerShotSX510HS |
イメージ
センサー |
有効1600万画素
1/2.3型 CCD |
有効1210万画素
1/2.3型 CMOS |
レンズ |
5-80mm F3.5-5.9
(35mm換算:約28-448mm) |
4.3-129mm F3.4-5.8
(35mm換算:約24-720mm) |
ISO感度 |
ISO100-1600 |
ISO80-3200 |
シャッタースピード |
15-1/3200秒 |
15-1/1600秒 |
液晶モニター |
3型23万ドット
| 3型46万ドット
|
連写速度 |
0.8コマ/秒 |
10.5コマ/秒 |
動画撮影 |
1280 X 720(25fps) |
1920 X 1080(24fps) |
インターフェース |
USB、AV OUT |
USB、AV OUT、HDMIミニ |
バッテリー |
NB-6LH
300枚 |
NB-6LH
250枚 |
その他 |
- |
Wi-Fi |
サイズ
(W x H x D) |
108x71x43.9 mm |
104x69.5x80.2 mm |
重さ |
251g / 228g |
349g / 316g |
PowerShotSX170ISとPowerShotSX510HSを比較すると、レンズやイメージセンサー、連写性能、動画機能やWi-Fi有無など、カメラとしての性能は大きいと思います。前機種であったSX160ISとSX500ISの違い以上に差があります。これに対し、SX170ISではレンズ沈胴時のボディサイズは一般的なコンパクトカメラと同等となりますので、このあたりをどう評価するかによって、選択は分かれてくると思います。
PowerShotSX170ISの直販価格は19980円の予定で、PowerShotSX160IS登場時の価格と比較するとやや高めでのスタートとなります。バッテリーシステムとデザインの違いがポイントだろうと思いますが、もしこれらの点が気にならないのであれば、1万円台前半となっているSX160ISを積極的に選ぶということでも良いかもしれません。
( 記)
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