【一口コラム】 Wi-Fiを内蔵した新型高級コンパクト
2月13日から開催されるCP+2014に向けて、各社から新製品が発表され始めています。
ニコンからは1月21日に続く第二弾として、ネオ一眼COOLPIX P600、高級コンパクトカメラCOOLPIX P340、多機能コンパクトCOOLPIX S9700、ファミリー向けアウトドアコンパクトCOOLPIX S32、本格アウトドアコンパクトCOOLPIX AW120の5機種がリリースされました。いずれも発売は2月27日の予定で、当初月産台数はP600が一番多い約9万台、S9700とAW120が約4万台、P340が約3万台、S32は約2万台となっています。なお、1月21日発表されたCOOLPIX S3600は約16万台、S6800とL30は約5万台の予定でしたので、トータルの月産台数は約48万台となります。やはりCOOLPIX S3600の台数が頭一つ抜けていることがわかりますが、次に多いのはネオ一眼COOLPIX
P600ですので、ちょっと意外な感じもします。
COOLPIX P600は、2013年2月に登場したCOOLPIX P520の後継機で、レンズのズーム倍率を拡大するとともにWi-Fiを内蔵するなど機能面も強化されています。
2013年2月に発売開始となったCOOLPIX P520。基本デザインを継承しています。
まずは、前機種であるCOOLPIX P520と外観を比較してみたいと思います。
COOLPIX P600(左側)とCOOLPIX P520(右側)。基本的なデザインは似ていますが、グリップ部の形状が一眼レフに近くなっています。
COOLPIX P600(左側)とCOOLPIX P520(右側)。液晶パネルはP520の3.2型から3型へとサイズが小さくなりました。画素数は92万ドットで同じで、2軸方式のバリアングル可動に対応している点も同様です。ボタン等のインターフェースも概ね共通ですが、P600ではMENUボタンにWi-Fiも振り当てられています。また、ファインダー接眼部の右側にモニターボタンが設置されています。
COOLPIX P600(左側)とCOOLPIX P520(右側)。ボディ上面もほぼ同じです。P600ではWi-Fiが内蔵されましたが、GPSは省略されました。グリップ部の形状も若干変わっています。
【COOLPIX P600、P520の比較】
機種名 |

COOLPIX P600 |

COOLPIX P520 |
イメージ
センサー |
有効1605万画素
1/2.3型CMOS |
有効1808万画素
1/2.3型CMOS |
レンズ
(35mm換算) |
24-1440mm相当
F3.3-6.5
(11群16枚 EDレンズ4枚、スーパーEDレンズ1枚) |
24-1000mm相当
F3-5.9
(10群14枚 EDレンズ4枚) |
最短撮影距離
(レンズ前) |
通常:0.5m(W)/2.0m(T)
マクロ:1cm(W) |
手ブレ補正 |
レンズシフト方式 |
感度 |
ISO100-6400
(高感度モノクロでISO12800相当) |
ISO80-3200
(拡張でISO6400相当、高感度モノクロでISO12800相当) |
Wi-Fi |
○ |
- |
GPS |
- |
○ |
タッチパネル |
- |
フラッシュ |
約0.5〜7.5 m(W)
約1.5〜4.0 m(T) |
約0.5〜8.0 m(W)
約1.5〜4.5 m(T) |
シャッター速度 |
15-1/4000秒 |
8-1/4000秒 |
ファインダー |
0.2型20万ドット |
液晶モニター |
3型92万ドット |
3.2型92万ドット |
連写速度 |
約7枚/秒 |
動画記録 |
1920x1080(60i) |
バッテリー |
EN-EL23 約330枚 |
EN-EL5 約200枚 |
外形寸法 |
125.0×85.0×106.5 mm |
125.2×84.1×101.6 mm |
質量
(電池,カード含) |
約565g |
約550g |
実売価格
(2013年2月時) |
5万円前後 |
2万8千円前後(発売開始時は4万6千円前後) |
COOLPIX P600をCOOLPIX P520と比較すると、主に次のような違いがあります。
- イメージセンサーは有効1808万画素1/2.3型CMOSセンサーから有効1605万画素となりましたので、画素数は減少しています。
- レンズは24-1000mm相当F3-5.9から24-1440mm相当F3.3-6.5へと、ズーム域が望遠側に伸ばされています。COOLPIXシリーズでは初となるスーパーEDレンズ1枚を採用しています。
- ズーム倍率が拡大されていますが、ボディサイズほぼ同じです。重さは15gほど増しました。
- 液晶モニターは3.2型から3型へと一回り小型化されました。ドット数や2軸方式のバリアングル可動は引き継いでします。
- P520に搭載されていたGPSは省略されました。
- 新たにWi-Fiが内蔵となりました。スマートフォン等によるリモート操作にも対応しています。なお、P520もワイヤレスモバイルアダプターWU-1aに対応していました。
- AF合焦時間と撮影タイムラグを短縮。
COOLPIX P600は、光学42倍から光学60倍へとズーム倍率を拡大するとともに、Wi-Fiを搭載した点が一番の違いと言えます。2013年2月に登場した時のP520の実売価格は4万6千円前後でしたので、P600スタート価格の約5万円は健闘しているように思います。ただし、P520も発売から1年が経過する中、現在の実売価格は2万8千円前後まで下落しており、P600とは2万円強の差となります。とはいえ望遠側1000mm相当と1440mm相当とはそれなりに画角の違いがありますので、予算を最優先するのでなければ新型の方がお勧めだと思います。
( by Inaba Kunio)
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