| 【一口コラム】 30倍ズームとWi-Fi搭載の高機能コンパクトニコンは1月末に高機能コンパクトCOOLPIX S6800、薄型コンパクトCOOLPIX S3600、単三電池対応の廉価モデルCOOLPIX L30の3機種を発表しましたが、2月7日には追加で多機能コンパクトCOOLPIX S9700、ファミリー向けタフネスカメラCOOLPIX S32、本格タフネスカメラCOOLPIX AW120、高級コンパクトCOOLPIX P340、ネオ一眼COOLPIX P600の5機種をリリースしました。
 COOLPIX S9700はS9000シリーズの新製品であり、高機能コンパクトの中では最上位機種となります。2013年2月に登場した前機種COOLPIX S9500と比較すると、光学ズームが30倍に伸びるとともに、新たに世界地図が搭載されています。また、オートフォーカス性能が強化された点もポイントの一つです。S9500の代では、GPSとWi-Fiを省略した兄弟モデルCOOLPIX S9400もリリースされていましたが、今回はS9700に統合されました。これは、他社も進めているコンパクトカメラのラインアップ整理の表れかもしれません。S9700の当初月間台数は4万台となっています。
 
 
          S9100(2011年3月発売):1210万画素、25-450mm相当光学20倍。
          S9300(2012年3月発売):1602万画素、GPSを搭載。
          S9400(2013年2月発売):1811万画素、25-450mm相当。GPSとWi-Fiは非搭載。
          S9500(2013年2月発売):1811万画素、25-550mm相当。GPSとWi-Fiを搭載。
         こうしてみると、有効1602万画素の1/2.3型CMOSセンサーに、25-300mm相当光学12倍ズーム、Wi-Fi搭載したCOOLPIX
        S9700は、S6500のブラッシュアップモデルと言えそうです。
 
 
  2013年2月に発売開始となったCOOLPIX S9500。光学22倍ズームを搭載。まずは、この2機種の外観を比較してみたいと思います。
 
 
 
  COOLPIX S9700(左側)とCOOLPIX S9500(右側)。基本的なデザインは似ていますが、レンズが光学22倍から光学30倍に強化されたことにより、わずかながらボディ高が増しています。
 
  COOLPIX S9700(左側)とCOOLPIX S9500(右側)。液晶モニターはどちらも3型ですが、61万画素から92万画素に高画素化されています。インターフェースも似ていますが、S9700では新たに地図ボタンが搭載されています。
 
  COOLPIX S9700(左側)とCOOLPIX S9500(右側)。モードダイヤルの設定項目が変わり、PSAMが設けられています。より上級者向けのインターフェースに変わりました。
 
 
 
 
        
          【COOLPIX S9700、S6500、S3600の比較】
          
            
              | 機種名 |  COOLPIX S9700
 |  COOLPIX S9500
 |  COOLPIX S6800
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              | イメージ センサー
 | 有効1605万画素 1/2.3型CMOS
 | 有効1811万画素 1/2.3型CMOS
 | 有効1602万画素 1/2.3型CMOS
 |  
              | レンズ (35mm換算)
 | 25-750mm相当 F3.7-6.4
 (11群13枚)
 | 25-550mm相当 F3.4-6.3
 (10群12枚)
 | 25-300mm相当 F3.3-6.3
 (7群9枚)
 |  
              | 最短撮影距離 (レンズ前)
 | 通常:0.5m(W)/2.0m(T) マクロ:1cm(W)
 | 通常:0.5m(W)/1.5m(T) マクロ:1cm(W)
 | 通常:0.5m(W)/1.5m(T) マクロ:2cm(W)
 |  
              | 手ブレ補正 | レンズシフト方式 |  
              | 感度 | ISO125-6400 | ISO125-1600 (オート時のみISO3200)
 | ISO125-1600 (オート時のみISO6400)
 |  
              | Wi-Fi | ○ | ○ | - |  
              | GPS | ○ (GRONASにも対応)
 | ○ | - |  
              | タッチパネル | - |  
              | フラッシュ | 約0.5〜6.0 m(W) 約1.5〜3.5 m(T)
 | 約0.5〜2.8 m(W) 約0.5〜1.5 m(T)
 |  
              | シャッター速度 | 1-1/2000秒 | 1-1/1500秒 | 1-1/2000秒 |  
              | 液晶モニター | 3型92万ドット | 3型61万ドット | 3型46万ドット |  
              | 連写速度 | 約6.9枚/秒 | 約7.5枚/秒 | 約9.4枚/秒 |  
              | 動画記録 | 1920x1080/30fps | 1920x1080/30fps |  
              | バッテリー | EN-EL12 約300枚 | EN-EL12 約230枚 | EN-EL19 約170枚 |  
              | 外形寸法 | 109.6×63.5×34.5mm | 110.1×60.3×30.7mm | 96.8×57.5×22.9mm |  
              | 質量 (電池,カード含)
 | 約232g | 約205g | 約145g |  
              | 実売価格 (2014年3月時)
 | 3万8千円前後 | 1万8千円前後 | 2万5千円前後 |  
              | 選択の ポイント
 | 30倍ズームのWi-Fi/GPS搭載モデル。コンパクトボディ。 | 22倍ズームのWi-Fi/GPS搭載モデル。コンパクトボディ。 | 12倍ズームのWi-Fi搭載モデル。コンパクトボディ。 |  COOLPIX S9700をCOOLPIX S9500と比較すると、主に次のような違いがあります。
 
 
          イメージセンサーは1/2.3型CMOSセンサーで、画素数は有効18メガから16メガ画素へと減っています。その結果、設定できるISO感度が1段分拡張されISO6400まで対応するようになりました。
          レンズの焦点距離は25-550mm相当F3.4-6.3から25-750mm相当F3.7-6.4に延ばされています。ニコンのコンパクトタイプのデジカメとしては、最大のズームとなります。
          オートフォーカスが高速化され、最短で0.15秒での合焦が可能です。
          モードダイヤルにPSAMが設定されました。
          液晶モニターは3型61万ドットの有機ELパネルから3型92万ドットへと高精細化されました。
          Wi-FiとGPSは引き続き搭載されていますが、S9700では新たに世界地図データが内蔵されています。S9500では地名情報だけでした。また、GPSもロシア版GPSであるGRONASにも対応しています。
          ボディの縦横はほぼ同じですが、高さが3.2mm、厚さは3.8mm増しています。重さも27g増えています。
          バッテリーは同じEN-EL12ですが、撮影可能枚数は230枚から300枚に増えています。
          ソフト面では、メイクアップ効果で今までの8種に4種(テカり軽減、マスカラ、アイシャドウ、リップカラー)が追加され、スペシャルエフェクトやクイックエフェクトも強化されています。
         S9700では、新たに世界地図情報が内蔵されました。COOLPIX S9700の発売開始時の価格は3万8千円前後で、S9500登場時の3万5千円とくらべるとちょっと高めでのスタートとなりました。とはいえ、レンズの強化や地図情報の内蔵など、全面的に仕様が強化されていますので、やはり最新型の方がお勧めだと思います。
 
 
 
 ( by Inaba Kunio) 
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