【一口コラム】 タフネスと動画を強化したファミリーモデル
ニコンは1月末に高機能コンパクトCOOLPIX S6800、薄型コンパクトCOOLPIX S3600、単三電池対応の廉価モデルCOOLPIX L30の3機種を発表しましたが、2月7日には追加でファミリー向けタフネスカメラCOOLPIX S32、多機能コンパクトCOOLPIX S9700、本格タフネスカメラCOOLPIX AW120、高級コンパクトCOOLPIX P340、ネオ一眼COOLPIX P600の5機種をリリースしました。
COOLPIX S32はS30シリーズの新製品であり、大人から子どもまで、家族みんなで使える安心性能・機能を持ったファミリーモデルとなっています。2013年2月に登場した前機種COOLPIX S31と比較すると、イメージセンサーがCCDからCMOSに変わることでフルHDでの動画撮影に対応するとともに、防水・耐衝撃性能も強化されています。S32の当初月産台数は2万台となっています。
- S30(2012年2月発売):1010万画素1/3型CCD、29.1-87.3mm相当、耐衝撃1.2m、水深3m、-10℃。
- S31(2013年2月発売):1014万画素1/2.9型CCD、29-87mm相当、耐衝撃1.2m、水深5m、-10℃。
ボディ自体のデザインは、COOLPIX S31を踏襲したものになっています。
2013年2月に発売開始となったCOOLPIX S31。ボディカラーはホワイトとブルー以外に、ピンク、イエロー、ブラウンも用意されていました。
まずは、この2機種の外観を比較してみたいと思います。
COOLPIX S32(左側)とCOOLPIX S31(右側)。基本的なデザインは共通です。イメージセンサーが1/2.9型CCDから1/3.1型CMOSに変わったことで、レンズの焦点距離が望遠側にシフトしています。
COOLPIX S32(左側)とCOOLPIX S31(右側)。液晶モニターも同じ2.7型23万ドットで、インターフェースも共通です。
COOLPIX S32(左側)とCOOLPIX S31(右側)。デザインは共通していますが、ボディ厚はわずかながら薄くなっています。レンズ部分の形状も曲線的なものに変わっています。
【COOLPIX S32、COOLPIX S31の比較】
機種名 |
 COOLPIX S32 |
 COOLPIX S31 |
イメージ
センサー |
有効1317万画素
1/3.1型CMOS |
有効1014万画素
1/2.9型CCD |
レンズ
(35mm換算) |
30-90mm相当
F3.3-5.9 |
29-87mm相当
F3.3-5.9 |
最短撮影距離
(レンズ前) |
通常時:0.3m(W)/0.5m(T)
マクロ時:5cm(W) |
手ブレ補正 |
電子式(動画) |
感度 |
ISO125-1600 |
ISO80-1600 |
フラッシュ |
約0.5 〜 3.5 m(広角側)
約0.5 〜 2.0 m(望遠側) |
シャッター速度 |
1-1/2000秒 |
光学ファインダー |
- |
液晶モニター |
2.7型23万ドット |
連写速度 |
1.5枚/秒 |
動画記録 |
1920x1080/30fps |
1280x720/30fps |
付加機能 |
JIS/IEC保護等級 8(IPX8)相当
水深10m、60分まで |
JIS/IEC保護等級 8(IPX8)相当
水深5m、60分まで |
バッテリー |
EN-EL19 約220枚 |
EN-EL12 約260枚 |
外部端子 |
AV OUT、USB |
外形寸法 |
107.6×66.1×40.4mm |
105.4×64.8×41.5mm |
質量
(電池,カード含) |
約175g |
約185g |
発売時期 |
2014/2 |
2013/2 |
COOLPIX S32をCOOLPIX S31と比較すると、主に次のような違いがあります。
- イメージセンサーは1/2.9型CCDセンサーから1/3.1型CMOSセンサーに変わりました。基準感度がISO80からISO125に上がるとともに、フルHDでの動画撮影が可能になりました。
- レンズの焦点距離は4.1-12.3mmと同じですが、イメージセンサーが小型化されたことで、28-87mm相当から30-90mm相当へと望遠側にシフトしています。
- 防水性能が5mから10mに、耐衝撃性能も1.2mから1.5mに強化されました。
- バッテリーもEN-EL12からEN-EL19に変わり、撮影可能枚数は260枚から220枚に減っています。
- ソフト面では、わかりやすくシーンモードを活用できる「場面を変える・写真であそぶ」を搭載しています。また、メッセージの交換や採点機能も入りました。
子どもにもわかりやすいメニュー表示「ひらがな表示・アイコン表示」も引き続き搭載。
COOLPIX S32の発売開始時の価格は1万5千円前後で、S31登場時の1万3千円とくらべるとちょっと高めでのスタートとなりました。また、ボディカラーもイエロー、ピンク、ブラウンがなくなり、ブルーとホワイトの2色となっています。タフネス性能の強化とフルHD動画撮影への対応の評価によって、選択はわかれてくるように思います。
( by Inaba Kunio)
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