分離可能なタフネス・コンパクト 【カシオ EXILIM EX-FR10】
先日、カシオは新しいジャンルのコンパクトデジカメ、EXILIM EX-ZR50を発表しましたが、今度は別のコンセプトで設計したEXILIM EX-FR10がリリースされました。EX-ZR50は、一般的なデザインのコンパクトカメラに「自分撮り」という味付けをしたのに対し、EX-FR10ではカメラ部と液晶部を分離したタフネスカメラとなっています。カメラ部ユニットを見ると、ソニーのレンズカメラ、サイバーショットDSC-QX10やDSC-QX100をイメージしますが、EX-FR10はスマートフォンなしに本体のみでも完結できる点が大きな違いとなっています。また、IPX6・IPX7相当の防水性能や2mの耐衝撃性能など、アウトドアでラフに取り扱うことができるタフネス性能もポイントであり、ウェアブルカメラ・カムコーダーであるGoProにも似た顔も持っています。
比較的似たコンセプトのソニー サイバーショット DSC-QX10。このレンズ&カメラユニットに専用液晶モニターユニットを組み合わせたるとEX-FR10に近くなります。
EXILIM EX-FR10(左側)とDSC-QX10(右側)。EX-FR10は21mm相当F2.8の広角単焦点レンズであるのに対し、DSC-QX10は25-250mm相当F3.3-5.9の光学10倍ズームレンズを搭載しているといった違いはありますが、どちらも1/2.3型CMOSセンサーを搭載しており、カメラユニット部分の大きさも概ね同じです。
EXILIM EX-FR10(左側)とDSC-QX10(右側)。撮影状態では、レンズ部分の大きさはかなり違います。なお、EX-FR10に搭載されている21mm相当F2.8のレンズはEX-TR15(詳細レビュー記事)のものと同等と思われます。
EXILIM EX-FR10はカメラユニットを右側のヒンジユニットに装着して使います。液晶モニターを内蔵したコントローラー部とBluetoothで接続されます。コントローラーユニットの代わりにWi-Fi接続したスマートフォンを使うことも可能です。
EXILIM EX-FR10の主な特長は次の通りです。
- カメラユニット(EX-FR10)とコントローラーユニット(EX-FR10CT)によって構成されているセパレートタイプのデジタルカメラです。基本的な撮影機能はカメラユニット内にあり、コントローラーユニットは液晶モニター部による表示機能を担っています。標準ではヒンジユニット内にカメラユニットを装着し、それをコントローラーユニットに接続します。カメラユニットとコントローラーユニットはBluetoothで接続されています。
- イメージセンサーは有効1400万画素1/2.3型CMOSセンサーで裏面照射タイプです。
- ISO感度やシャッタースピードはオート設定のみとなります。
- フルHDでの動画撮影にも対応しています。
- レンズは21mm相当F2.8の単焦点レンズで、EX-TR15に搭載されているものと同等と思われます。
- メモリーカードはマイクロタイプのSDカードとなっており、カメラユニット内にスロットが設けられています。
- コントローラーユニットには2型23万ドットの液晶パネルが搭載されています。タッチ操作にも対応しています。
- カメラユニットには、レンズ、イメージセンサーの他に、マイクやスピーカーも内蔵されています。ボタン関係では、電源スイッチ、シャッターボタンと動画ボタンのみとなります。
- コントローラーユニットには、電源ボタンのみが置かれています。
- バッテリーはカメラユニット、コントローラーユニットの各々に内蔵されており、USBケーブルで充電します。
- カメラユニットにはWi-Fiが内蔵されており、スマートフォンからのリモート操作にも対応しています。この時、コントローラーユニットは必ずしも必要ありません。
- 連写には対応していないようですが、インターバル撮影は可能です。
- IPX6(全方位直接噴射)・IPX7(水道水・静水で水深1mに30分)の防水性能、IP6X相当の防塵性能、2m落下に対応する耐衝撃性能、強化ガラス、水滴対応タッチパネル液晶などのタフネス性能を持っています。
- オプション品として、マルチアングルベルトセットEAM-3、マルチアングルグリップEAM-2、トライポッドマウンターEAM-1などのアタッチメントも用意されています。
EXILIM EX-FR10は9月19日に発売予定で、発売開始時の価格は4万5千円前後となります。コンパクトカメラとしてはやや高めに感じますが、使われ方に似た部分があるEX-TR15の価格が10万円台であったことを考えると、踏み込んだ価格であるようにも思います。いずれにしても、他のカメラにはない独自のポジションのカメラであり、EX-TR15のコンセプトをさらに推し進めたデジカメと言えそうです。仕様表には表れない実際の使用感を早く知りたいところです。
(
by Inaba Kunio)
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