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特集 Nikon COOLPIX P7800

ニコン COOLPIX P7800 ~EVF内蔵の多機能・高級コンパクト

ニコン COOLPIX P7800  by Inaba Kunio    電子ビューファインダーを内蔵した多機能高級コンパクト  評価:5.0
ニコン   COOLPIX P7800 Nikon


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1.COOLPIX P7800の位置づけと概要


 電子ビューファインダーを搭載した多機能カメラ

 ニコンの高級コンパクト、COOLPIX P7800が発売開始となりました。前機種であるCOOLPIX P7700(製品レビュー)から1年ぶりでの世代交代で、一番の進化ポイントは電子ビューファインダーを内蔵したことです。0.2型92万ドットと、ミラーレスカメラと比べるとやや小型のEVFですが、電子ビューファインダーを内蔵したコンパクトカメラ自体が極めて限られていますので、貴重な1台であると思います。

 →発売前の記事【コラム】 EVFを搭載した多機能高級コンパクトはこちら。

ニコン COOLPIX P7800 電子ビューファインダー
COOLPIX P7800は電子ビューファインダーを内蔵。

 上記の記事にも記載しました通り、COOLPIX P7800の主な特徴は次の通りです。
  • P7700と同じ28-200mm相当F2-4の光学7.1倍ズームレンズを搭載。
  • イメージセンサーも有効1219万画素1/1.7型CMOSと、P7700と同じ。
  • 新たに0.2型92万ドットの電子ビューファインダーを搭載。視度補正機構も付いていますが、アイセンサーはありません。
  • 液晶モニターは3型92万ドットのバリアングル可動液晶と同じですが、新たにRGBW対応となったため、輝度がアップしているようです。
  • P7700と同様に、フルHDで30pの動画撮影に対応。
  • 連写性能も8コマ/秒で6コマまでと同じ。
  • P7800では、新たにワイヤレスリモートコントローラーWR-R10に対応。
  • ボディサイズは縦108.8mm、奥行50.4mmはP7700と同じですが、高さはP7700の72.5mmに対し、P7800では5mm高くなっています。
  • 重さも399gでP7700の392gとほぼ同じです。

 P7800のカメラとしての基本機能は、ほぼCOOLPIX P7700と同じですので、P7800は「EVFを搭載したP7700」という捉え方で、概ねあっているように思います。

 P7800の魅力は?

 かなり以前より、コンパクトタイプのデジカメからファインダーが省略されてきています。高倍率望遠ズームを搭載したネオ一眼では電子ビューファインダー(EVF)は標準装備ですが、それ以外の比較的コンパクトなタイプでEVFを内蔵している機種は、キヤノンのPowerShotG16(実像式)PoweerShotG1X(実像式)キヤノンPowerShotA1400(実像式)富士フイルムX20(実像式)X100S(実像式とEVFのハイブリッド)パナソニックLUMIX DMC-LF1(EVF)、そしてニコンCOOLPIX P7800の7機種にとどまります。とりわけ、日常的に使えるズームレンズと電子ビューファインダーという条件では、パナソニックのDMC-LF1とCOOLPIX P7800の2機種のみとなります。つまり、この点に、P7800の価値が集約されていると言えます。

パナソニック LUMIX DMC-LF1 電子ビューファインダー
EVFを内蔵したコンパクトズーム機は、P7800以外ではDMC-LF1のみ。


 それでは、早速COOLPIX P7800の実力をテストしてみます。


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2.COOLPIX P7800を開封し外観をチェック


 ニコン COOLPIX P7800を開封する

 ニコンのCOOLPIX P7800が発売開始となりました。基本的な性能は、2012年9月に登場したCOOLPIX P7700(製品レビュー)を踏襲していますが、やはりCOOLPIX P7000シリーズでは初となる電子ビューファインダー内蔵機である点がポイントとなります。

 販売開始時の実売価格は5万4千円前後でした。COOLPIX P7700も5万円強でしたので、おおむね同等レベルでのスタートとなります。

 ボディカラーはブラック一色です。他社製品もこのクラスはブラックのみを展開する傾向がありますが、意外とホワイトやシルバーも似合うような気がします。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 COOLPIX P7800のパッケージはP7700のものと同じデザインで、型番やカメラの写真が異なっています。やや厚みがある箱です。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 蓋を開けると、上に簡易トレイが置かれており、使用説明書や保証書等が載せられています。保証書は国内でのみ有効なものとなります。購入したカメラのS/Nは1xxxでした。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ユーザーガイド等が入っているトレーの下には、カメラ本体や付属品が格納されています。上の白い包みがカメラ本体で、下にストラップやバッテリーチャージャー等が入っています。比較的余裕がある詰め方だと思います。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 同梱されている付属品。左上より使用説明書、ViewNX 2 CD-ROM、バッテリーチャージャーMH-24、Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL14、USBケーブル UC-E16、ストラップ。P7700には付属していたオーディオビデオケーブルは省略されましたが、できればHDMIケーブルが代わりに入ると良いと思います。


 ニコン COOLPIX P7800の本体をチェック

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディ前面。表面は艶消しの塗装がされており、指紋は付きにくくなっています。グリップ部分にはゴムが貼付されています。レンズはD7700と同じもので沈胴式です。

ニコン   COOLPIX P7700 Nikon

 Nikon COOLPIX P7700のボディ前面。基本的なデザインはP7800と共通。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディの液晶モニター側。バリアングル可動に対応した液晶モニターと電子ビューファインダーがポイントです。親指部分にはメインコマンドダイヤルが置かれています。

ニコン   COOLPIX P7700 Nikon

 Nikon COOLPIX P7700のボディ液晶モニター側。電子ビューファインダーがない以外は基本的にP7800と同じですが、EVFの部分にクイックメニューダイヤルがあり、モニターボタンとクイックメニューボタンが表示切換ボタンとなっています。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 2軸方式のバリアングル可動ができるため、モニター面を保護することができます。P7800にはファインダーがあるため、この状態のままでも通常の撮影が可能です。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディ上面。電子ビューファインダーの部分が張り出しており、機種名のロゴが印字されています。P7700にあったクイックメニューダイヤルは、スペースの関係で省略されています。モードダイヤルの設定項目はP7700と同じです。

ニコン   COOLPIX P7700 Nikon

 Nikon COOLPIX P7700のボディ上面。電子ビューファインダーのところにクイックメニューダイヤルが置かれています。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディ底面。P7100やP7700と同様に、三脚用の穴はレンズ光軸からシフトした位置にあります。概ねボディ中央となりますので、バランスの面ではメリットがありますが、三脚に装着した状態での使い勝手では、やはり光軸上にある方に分があると思います。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディ左側面。外部マイク端子とアクセサリーターミナルが設けられています。中央部下部の7つの穴はスピーカー用のものです。ストラップ取り付け部は三角環方式となっており、取り回しの自由度が高くなります。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディ右側面。こちら側にはHDMIミニ端子とUSB端子が置かれています。中央部下部にある切欠きカバーは、別売ACアダプター使用時のパワーコネクターカバーです。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディにはNikonのロゴを刻印した中に白いインクが流し込まれています。ロゴの下にあるのはリモコン受光部。ロゴの左にある穴はステレオマイクの左側。


ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 レンズ左下にはファンクションボタンFn1があります。P7700やP7100と共通です。カメラを構えた時に、押しやすい位置です。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 高級コンパクトとしては比較的大型のグリップが設けられています。形状はP7700と同じです。グリップ上にはサブコマンドダイヤルが置かれています。
 グリップの右上に見えるランプは、セルフタイマーランプとAF補助光を兼ねるものです。その右側に、ステレオマイクの左側が見えます。


ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 軍艦部上部のメインコントロール部。こちら側はすべてP7700のものと共通です。露出補正ダイヤルが単独で設けられている点も特徴的です。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 液晶モニター側から見た軍艦部右側のメインコントロール部。こちら側にあるメインコントロールダイヤルと、グリップ部上部にあるサブコマンドダイヤルの2ダイヤル方式のため、上級クラスのデジタル一眼レフと同等の操作性を確保しています。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 電子ビューファインダーの右側に視度調整ダイヤルが置かれています。その右にあるモニターボタンは液晶モニターと電子ビューファインダーの表示切換に使います。その右にあるクイックメニューボタンは、画質やISO感度、ホワイトバランス等の設定に使用します。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 液晶モニター右側のメインコントロール部。基本的なインターフェースはP7700のものを踏襲しています。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 新設された電子ビューファインダーの接眼部。アイセンサーは搭載されていないため、液晶モニターとの切換はモニターボタンで明示的に行います。また、液晶モニターを反転させた場合には、自動的に電子ビューファインダーに切り換ります。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ファインダー接眼部の左側にあるストロボポップアップボタン。機械式のため、電源が入っていない状態でも機能します。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディ左側上部にある外部マイク入力端子のカバーを開いた状態。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 同じくボディ左側下部にあるアクセサリーターミナル端子のカバーを開いた状態。ここにはワイヤレスリモートコントローラー WR-R10やワイヤレスモバイルアダプター WU-1a、GPSユニット GP-1Aなどを装着できます。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディ軍艦部中央にはアクセサリーシューが設けられています。出荷時にはアクセサリーシューカバーBS-1が装着されています。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 新設された電子ビューファインダーの上部には、機種名が印字されています。ちなみにP7700では、ポップアップストロボの上部に印字されていました。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディ右側面にある外部接続端子カバーを開いた状態。上からHDMIミニ端子、USB/オーディオビデオ出力端子となります。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 内蔵ストロボをポップアップさせた状態。ISO感度オートでは、広角端で10mまで、望遠端では5.5mまでの照射が可能です。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディ底面のバッテリー室カバーを開いた状態。メモリーカードの挿入方向を示すシールが貼付されています。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 バッテリー室側面には、バッテリー挿入方向のガイダンスシールが貼付されています。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が液晶モニター側となります。これはデジタル一眼レフを含め、ニコンの共通仕様です。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 液晶モニターは3型92万ドットで、アスペクト比はイメージセンサーと同じ4:3です。電子水準器は、画面のようなバー形式のタイプと、丸に横棒タイプから選択することができます。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 同じ状態を電子ビューファインダーで表示させたもの。表示内容は基本的に液晶モニターと同じです。比較的高精細のEVFですので、クリアーな見え方だと思います。また、動く被写体に対する追随性も十分高速でした。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 液晶モニターを稼働させた状態。比較的視野角の広い液晶パネルが採用されています。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 ボディ単体での重量実測値は348.0gでした。本体のみの重さは公表されていません。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 バッテリーとメモリーカードを挿入した状態での重量実測値は397.0gでした。メモリーカードによって変わりますが、メーカー公表値は399gです。

 COOLPIX P7800のバッテリー関係をチェック

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 同梱されているバッテリーチャージャーMH-24。コンパクトカメラ用のものとしては比較的大型です。EN-EL14の充電には最大で約1時間半かかります。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 コンセントに接続するプラグ部分は回転して格納できます。接続するコンセント側にスペースが必要となりますが、可搬性の点でメリットとなります。チャージャーは中国製。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 バッテリーパックEN-EL14。容量は7.4V 1030mAhで、静止画であれば約350コマの撮影が可能です。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 バッテリーパックの裏面には偽造防止のホログラムも貼付されています。セルは中国製で、パッケージングはインドネシアで行われています。

 COOLPIX P7800の付属品をチェック

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 付属するUSBケーブル UC-E16。パソコンやプリンター等との接続に使用します。ノイズ低減用のフェライトコアが付けられています。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 付属するストラップ。ロゴの部分はフェルトのようなものが貼付されています。つくり自体はしっかりとしています。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 COOLPIX P7100ではレンズバリアー方式でしたが、P7800ではP7700と同様にレンズキャップ方式になりました。おそらくレンズの大口径化に伴い、内蔵することが難しくなったためと思われます。

ニコン   COOLPIX P7800 Nikon

 レンズキャップの裏面。両側にストッパーが装着されています。キャップの型番はLC-CP26となっています。これは26mm径用のレンズに対応していることを示すものです。中国製。


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3.COOLPIX P7800の描写性能はどうか?


 描写力チェック1:高感度性能

 COOLPIX P7800のイメージセンサーおよび画像処理エンジンは、基本的に前機種であるCOOLPIX P7700と同等のものが搭載されています。そのため、設定できる感度はもちろんですが、撮影画像のノイズ感なども、ほぼP7700と同じ傾向でした。

 P7800の基本感度はISO80で、標準ではISO3200まで、拡張設定ではISO6400相当まで設定できます。

 高感度性能については、撮影メニューの中に「ノイズ低減フィルター」の項目があり、「弱め」「標準」「強め」の3段階で設定できるようになっています。出荷状態では「標準」になっていました。COOLPIXP7800はRAW撮影も可能ですので、撮影後にパソコン上でノイズリダクション処理をかけることもできます。

 下記のサンプルは、各ISO感度別にテスト撮影を行ったものです。ノイズ低減フィルターを標準に設定したものでチェックすると、ISO800まではほとんどノイズを感じませんが、ISO1600あたりから暗部などでノイズが目につくようになります。ISO3200になるとそれなりに目立つものの、それほど不自然な印象はありません。ISO6400になるとかなりノイズが増え解像感の低下も感じられますが、緊急避難というほど描写性能が低下するわけではありませんので、使い方を工夫することで十分活用可能であると思います。

 下記のサンプルは画像の一部を等倍で切り出したものですが、クリックすると元画像が表示されますので、あわせて参照していただければと思います。


サンプル画像。左下の赤枠の部分を切り出してある。
画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。

ISO80(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800


ISO100(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800


ISO200(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800


ISO400(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800


ISO800(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800


ISO1600(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800


ISO3200(「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800


Hi1(ISO6400相当) (「弱め」「標準」「強め」)
Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800Nikon COOLPIX P7800



 描写力チェック2:歪曲収差

 COOLPIX P7800に搭載しているレンズは35mm換算で28mmから200mmの光学7.1倍ズームであり、高級コンパクトの範疇では比較的ズーム域が広いレンズであると思います。レンズ自体も、前機種であるP7700と同じものが搭載されています。

 COOLPIX P7800には撮影メニューの中に「ゆがみ補正」の項目があり、ONとOFFのどちらかを設定できます。ONにするとレンズの歪曲収差が補正されるものの、その分画像周辺部が切り取られることになります。標準設定ではOFFにされています。

 下記のサンプルは、「ゆがみ補正」をOFFとONの両方でテストしたものです。補正をOFFにすると、広角端では樽型の収差が認められ、望遠側に移るにつれ糸巻型の収差となります。広角端では画面周辺でやや目立つものの、高倍率ズームであることを考えると良好に補正されているレンズであると思います。

 ゆがみ補正をONにすると、さらに歪曲収差が良好に補正されました。広角端ではわずかに樽型収差が残っていますが、ズーム全域できれいに補正されています。

 標準のままでも歪曲収差がそれほど目立つことはありませんが、被写体によっては積極的にゆがみ補正を活用することをお勧めします。

焦点距離:6mm(35mmサイズ換算28mm)
ゆがみ補正 OFF ON

Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800


焦点距離:11.0mm(35mmサイズ換算50mm)
ゆがみ補正 OFF ON

Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800


焦点距離:22.1mm(35mmサイズ換算105mm)
ゆがみ補正 OFF ON

Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800


焦点距離:42.8mm(35mmサイズ換算200mm)
ゆがみ補正 OFF ON

Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800



 描写力チェック3:解像力

 レンズ固定式のカメラでの解像力テストでは、イメージセンサーとレンズの両方の実力が試されることになります。いつもの通りISO12233準拠チャートを使用して解像力チェックを行いました。結果は、前機種であるCOOLPIX P7700と同様に、高級コンパクトらしい高い解像力を示しました。

 35mm換算で28mmの広角端では、開放から高い解像力です。わずかにモアレの影響が出ていますが、十分2500本のラインを視認することができます。有効1219万画素の力をきれいに発揮していると言えます。望遠側に移るにつれ、わずかに解像感の低下が認められますが、それでもコンパクトカメラとしては非常に良好で、すべてのズーム域で概ね2500本のラインが視認できました。

 画像周辺部についても、全般的に鮮明度の高い画像となっています。周辺部に関しては、35mm換算で標準域から中望遠域の画像が一番しっかりとしている印象を受けましたが、これもCOOLPIX P7700と同じ傾向です。

 実際のチャートは画像をクリックすると表示されますので、あわせて確認をしていただければと思います。


ISO12233準拠チャート。中央と左上の赤枠の部分を切り出
してある。画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。

6.0mm域(35mmサイズ換算28mm) F2.0
Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800

6.0mm域(35mmサイズ換算28mm) F2.8
Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800

6.0mm域(35mmサイズ換算28mm) F4.0
Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800


11.0mm域(35mmサイズ換算50mm) F2.8
Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800

11.0mm域(35mmサイズ換算50mm) F4.0
Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800


22.1mm域(35mmサイズ換算105mm) F3.5
Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800

22.1mm域(35mmサイズ換算105mm) F5.0
Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800


42.8mm域(35mmサイズ換算200mm) F4.0
Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800

42.8mm域(35mmサイズ換算200mm) F5.6
Nikon COOLPIX P7800 Nikon COOLPIX P7800


 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数

 ニコンによると、 COOLPIX P7800の連写性能は次の通りです。
  • 連写H:約8コマ/秒(6コマまで。12M:NORMAL時。)
  • 連写M:約4コマ/秒(6コマまで。12M:NORMAL時。)
  • 連写L:約1コマ/秒(30コマまで。12M:NORMAL時。)
 なお特殊モード的な位置づけですが、これら以外にもベストショットセレクターBSS、マルチ連写(16コマ連続撮影)、高速連写120fps(約120コマ/秒で60コマ)、高速連写60fps(約60コマ/秒で60コマ)の連写モードがあります。

 使用したメモリーカードは高速タイプのものです。
 (SanDisk ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)

RAW+JPEG(12M Fine) RAW JPEG(12M Fine)
連写H  概ね0.1秒毎に1枚のペースで6コマまで連写。
連写M  概ね0.2~0.3秒毎に1枚のペースで6コマまで連写。
連写L  概ね2.4秒毎に1枚のペースで30コマまで連写。  概ね2.4秒毎に1枚のペースで30コマまで連写。  概ね1秒毎に1枚のペースで30コマまで連写。
 ※上記のテスト結果は、撮影環境や被写体によっても左右されます。

 連写Hまたは連写Mでは6コマまで、連写Lでは30コマまでの連写が可能で、枚数を撮り終えると撮影は停止します。これはファイルサイズや画質による影響はありませんでした。

 ただし、連写L時は、RAW+JPEGやRAWでは概ね2.4秒毎に1コマのペースでしたが、JPEGでは1秒毎に1コマのペースで撮影できました。印象的には、連写Lではバッファーを使わずに直接メモリーカードに書き込みをしているようで、ファイル容量が大きいフォーマットでは若干遅くなるのかもしれません。

 また、連写中は液晶モニターが停止またはコマ送り状態になります。

 上記のようにCOOLPIX P7800では、デジタル一眼レフのような連写は難しく、基本的には1枚1枚を丁寧に撮るタイプのカメラだと感じました。



4.結局、COOLPIX P7800は「買い」か?


 独断 素晴らしい!smile ポイント 
  • 明るく解像力の高い広角28mmから200mmまでの高倍率ズーム。
  • コンパクトカメラとしては高精細な電子ビューファインダー(EVF)を内蔵。
  • 高級コンパクトとしても良好な描写性能。
  • 良好な高感度性能。(ISO1600までは実用レベル)。
  • ダイヤルやボタンによって直接的に操作が可能なインターフェース。
  • フルHD対応の動画撮影機能。
  • バリアングル方式に対応した液晶モニター。
  • コンパクトカメラにしては速いオートフォーカス。
 独断 もう一息!not smile ポイント 
  • アイセンサーが搭載されていないため、電子ビューファインダーと液晶モニターの切替は手動のみ。(液晶モニターの反転でも切換可能)
  • メニューやボタン操作がやや複雑で整理が必要。
  • ファイル書き込み時に動作が鈍くなる(特にRAW撮影時)。
  • 最近の高級コンパクトとしては、もう一息欲しい連続撮影枚数。(連写H、Mでは6コマ、連写Lでは30コマで撮影は停止)
  • Wi-Fiは非搭載。(オプションで対応可能)
  • コンパクトカメラとしてはやや重く大きいボディ。

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付録 製品仕様からみたCOOLPIX P7800の特長


カラー  ブラック
カメラ有効画素数  1219万画素
 ※P7700も同じ。
撮像素子  1/1.7型原色CMOS、総画素数1276万画素
 ※P7700も同じ。
レンズ  光学7.1倍ズーム、NIKKORレンズ
 焦点距離:6.0-42.8mm(35mm判換算28-200mm相当の撮影画角)
 開放f値:f/2-4
 10群13枚(EDレンズ2枚)
 ※P7700も同じ。
電子ズーム  静止画:最大4倍(35mm判換算で約800mm相当の撮影画角)
 動画:最大2倍(35mm判換算で約400mm相当の撮影画角)
手振れ補正  レンズシフト方式(静止画、動画)
オートフォーカス  コントラスト検出方式
撮影距離  先端レンズ面中央から約50cm ~ ∞(広角側)、約80cm ~ ∞(望遠側)
 マクロAF時は先端レンズ面中央から約2 cm(広角側)~∞
 ※P7700も同じ。
AFエリア  顔認識オート、オート(9点)、中央(ワイド、標準)、マニュアル(99点)、ターゲット追尾、ターゲットファインドAF
 顔認識AF2.0(認識人数):12人
ファインダー  電子ビューファインダー 0.2型92万ドット
 視度調節機能付き(-3~+1 m-1)
 視野率100%
 ※P7700は非搭載。
液晶モニター  広視野角3型TFT液晶モニター、反射防止コート付き、約92万ドット、輝度調節機能付き、バリアングル方式
 視野率:上下左右とも約100%(対実画面)
 ※P7700も同じ。
記録形式  記録媒体:内蔵メモリー(約86MB)、SD/SDHC/SDXCメモリーカード
 ファイル形式:
  静止画:JPEG、NRW(RAW)(ニコン独自フォーマット)
  3D画像:MPF
  音声メモ:WAV
  動画:MOV(映像:H.264/MPEG-4 AVC、音声:AACステレオ)
記録画素数  12M[4000×3000](初期設定)
 8M[3264×2448]
 4M[2272×1704]
 2M[1600×1200]
 VGA[640×480]
 3:2[3984×2656]
 16:9 9M[3968×2232]
 1:1[3000×3000]
 画質をFINE(約1/4圧縮)またはNORMAL(約1/8圧縮)に設定で可能。
 ※P7700も同じ。
撮影モード  オート撮影モード、シーンモード(ポートレート/風景/スポーツ/夜景ポートレート/パーティー/ビーチ/雪/夕焼け/トワイライト/夜景/クローズアップ/料理/ミュージアム/打ち上げ花火/モノクロコピー/逆光/パノラマ/ペット/3D撮影)、おまかせシーンモード、P、S、A、M、スペシャルエフェクトモード、ユーザーセッティングモード
連写機能  単写
 連写H[約8コマ/秒で最大6コマ(12M:NORMAL時)]
 連写M[約4コマ/秒で最大6コマ(12M:NORMAL時)]
 連写L[約1コマ/秒で最大30コマ(12M:NORMAL時)]
 BSS(ベストショットセレクター)
 マルチ連写(16コマ連続撮影)
 高速連写 120fps(約1/125秒以上で60コマ連続撮影)
 高速連写60fps(約1/60秒以上で60コマ連続撮影)
 インターバル撮影
 ※P7700も同じ。
動画  HD 1080p :1920×1080/30fps
 HD 1080p:1920×1080/30fps
 HD 720p:1280×720/30fps
 VGA:640×480/30fps
 HS 120fps:640×480
 HS 60fps:1280×720
 HS 15fps:1920×1080
 手ブレ補正、風切り音低減可能
 ※P7700も同じ。
ISO感度  ISO 80 ~ 1600、ISO 3200およびHi 1(6400相当)(P、S、A、Mモード時に設定可能)
 ※P7700も同じ。
測光方式  マルチパターン測光(224分割)
 中央部重点測光
 スポット測光
 AFエリア重点/AFスポット測光([測光のAF連動設定]が[ON]時)
露出制御  プログラムオート(プログラムシフト可能)
 シャッター優先オート
 絞り優先オート
 マニュアル露出
 AEブラケティング(Tv、A v、Sv)可能
 露出補正( 静止画は± 3 段、動画は± 2段の範囲で1/3段刻み)可能
シャッター  メカニカルシャッターとCMOS電子シャッターの併用
 1/4000( 広角側絞り値f/4.5 ~ f/8 時、望遠側絞り値f/7.1 ~ f/8 時) ~ 1秒
 1/4000( 広角側絞り値f/4.5 ~ f/8 時、望遠側絞り値f/7.1 ~ f/8 時) ~ 60秒(MモードでISO 80 ~ 400時)
絞り  電磁駆動による7枚羽根虹彩絞り
セルフタイマー  約10秒、約2秒、約1秒。
内蔵フラッシュ  調光範囲(ISO感度設定オート時)
   約0.5~10 m(広角側)
   約0.5~5.5 m(望遠側)
 モニター発光によるTTL自動調光、マニュアル発光可能
 ※P7700も同じ。
インターフェース  アクセサリーシュー:ホットシュー(ISO 518)装備、シンクロ接点、通信接点、セーフティーロック機構(ロック穴)付き
 Hi-Speed USB PictBridge対応
 ビデオ出力:NTSC、PALから選択可能
 HDMI出力:オート、480p、720p、1080iから選択可能
 入出力端子:オーディオビデオ(AV)出力/デジタル端子(USB)、HDMIミニ端子(TypeC)(HDMI出力)、外部マイク端子(φ3.5mmステレオミニジャック、プラグインパワー型)、アクセサリーターミナル
電源  Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL14(リチウムイオン充電池:付属)×1個
 ACアダプター EH-5b(別売のパワーコネクター EP-5Aを組み合わせて使用)(別売)
 ※P7700も同じ。
撮影可能コマ数  約350コマ(EN-EL14使用時)
寸法
(幅×高さ×奥行き)
 約118.5×77.5×50.4mm(突起部除く)
 ※P7700は118.5×72.5×50.4 mm
質量  約399 g(バッテリー、SDメモリーカードを含む)
 ※P7700は392g
動作環境  0℃~40℃、85%以下(結露しないこと)
付属品  ストラップ
 レンズキャップ LC-CP26
 Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL14
 バッテリーチャージャー MH-24
 USBケーブル UC-E16
 ViewNX 2 CD

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