トップページ > デジカメ徹底レビュー > 富士フイルム FUJIFILM X-M1 > 富士フイルム FUJIFILM X-M1 |
特集 X-M1
富士フイルム X-M1 ~富士フイルム最小のミラーレス |
富士フイルム X-M1
by Inaba Kunio
富士フイルム最小のミラーレスカメラ
評価:5.0
|
|
1.富士フイルム X-M1の位置づけと概要富士フイルムの最小・最軽量なミラーレス富士フイルムから新型ミラーレスカメラ、X-M1が発売開始となりました。2012年2月に登場したX-Pro1、2012年11月のX-E1に続き3機種目となります。これらとは別に、イメージセンサーのサイズを変えた新機種の噂情報も流れており、富士フイルムがXシリーズを軸にデジカメ展開を行おうとしている強い意欲を感じます。→発売前の記事「一口レビュー:最小最軽量のミラーレス」はこちら。
X-M1のブラウンモデル。シルバーモデルとはシボ革部分の色が異なります。また、レンズキットにはシルバーレンズが付属します。
上記記事でも触れましたが、X-M1の特徴は次の通りです。
X-M1の魅力は?これまでの富士フイルムのミラーレスカメラは、上級者にフォーカスした製品づくりだったと思います。X-Pro1のハイブリッドマルチビューファインダーやシャッタースピードダイヤル・絞りリング・露出補正ダイヤルに代表されるユーザーインターフェース、描写性能を重視したレンズなどがわかりやすい例になると思います。これに対しX-M1では、ファインダーには非対応、モードダイヤルとコマンドダイヤルのインターフェース、そして小型軽量性を重視したキットレンズという特徴があり、どちらかといえば中級者にもターゲットを拡げたことを示しています。
モードダイヤルとダブルコマンドダイヤルを搭載したインターフェース。
とはいえ、ダブルコマンドダイヤルやモードダイヤルなどのインターフェースを見ると、コンパクトカメラからのステップアップユーザー向けというよりも、ある程度カメラ操作に慣れた方を想定しているのも確かです。その意味では、X-M1は上級者のサブカメラとしても適しているかもしれません。 X-M1の登場で、富士フイルムのミラーレスカメラがカバーする範囲がさらに一段拡がりました。今まで富士フイルムが築いてきた「高描写力・高品位」を犠牲にすることなくターゲット層を拡げられたのかどうか、興味深い点です。 それでは、富士フイルムの最小・最軽量ミラーレスカメラ、X-M1の実力をテストしてみます。
2.富士フイルム X-M1を開封し外観をチェック富士フイルム X-M1を開封する富士フイルムの新型デジタル一眼レフX-M1が発売開始となりました。販売形態は、ボディ単体の他に、XC16-50mmF3.5-5.6 OISがセットになったレンズキットと、さらにXF27mmF2.8もセットになったダブルレンズキットが用意されています。販売開始時点の実売価格は、ボディ単体で6万円台、レンズキットで7万円台、ダブルズームキットで8万円台となっています。付属するレンズはどちらも新製品です。 今回は、2本のキットレンズをチェックするため、ダブルレンズキットを購入しました。購入機のボディカラーはいつも通りブラックですが、同時に発売されたシルバーモデルはボディの上下部分がシルバーとなります。また、9月に発売開始となるブラウンモデルは、シルバーモデルのシボ革部分がブラックからブラウンに変わるとともに、シルバー色のキットレンズが付属します。
X-M1ダブルレンズキットのパッケージ。カメラ本体と2本のレンズが入っているため、比較的大きなサイズです。パッケージ部分にはカメラ本体と2本のレンズの写真が印刷されています。
蓋を開けると、製品保証書や取扱説明書が目に入ります。その下にカメラボディ等が格納されています。上部にあるのがカメラ本体で、下段左側がXC16-50mmF3.5-5.6 OIS、下段右側はXF27mmF2.8が入っています。
ボディやレンズが入っている梱包材の下に、付属品が入った箱が入っています。箱の中には電源関係やズームレンズ用のフードも入れられています。
X-M1の付属品。左上から使用説明書、ソフトウエア(CD-ROM)、バッテリーチャージャーBC-W126、充電式バッテリーNP-W126(リチウムイオンタイプ)、バッテリーチャージャー用ACケーブル、ショルダーストラップ
。この他にもボディキャップが本体に装着されています。 富士フイルム X-M1の本体をチェック
ボディ前面。Xシリーズに共通するクラシカルなデザインテイストです。電子ビューファインダーが非内蔵となったため、X-E1と比べると幅12.1mm、高さ8.4mm小型化されました。
X-E1のボディ前面。一回り大きくなっています。
液晶モニター側。親指の部分に比較的大型のグリップが設けられています。単独の動画撮影ボタンが新設されました。液晶モニターは3型92万ドットへと大型化・高精細化されるとともに、上下のチルト可動に対応しています。富士フイルムのミラーレスカメラでは初となります。
X-E1の液晶モニター面。液晶パネルは2.8型46万ドット。
ボディ上面。W-E1ではシャッタースピードダイヤルだったところにモードダイヤルが置かれ、露出補正ダイヤルはメインコマンドダイヤルに変わっています。より中級者向けのインターフェースですが、今回のキットレンズのように絞りリングが省略されているレンズの場合は、X-M1の方が使い勝手が良いと思います。
ボディ底面。三脚用の穴はレンズ光軸から左側にシフトされています。左側にはバッテリーとメモリーカードが格納されます。ボディ右上にある窪みは、ハンドグリップHG-XM1装着時に使用するものです。ボディ本体はタイ製。なお、購入したボディ本体のS/Nは3xxxでした。
ボディ左側面。右下に見える穴はスピーカー用のものです。
ボディ右側面。こちら側に外部接続端子が設けられています。
X-M1のイメージセンサー部。金属接点は上位機と同じ10点です。左下にあるのはレンズ着脱ボタンで、これを押すとマウント上にあるピンが下がるため、レンズが回転可能となります。
ボディ右肩にあるロゴ。刻印された中にインクが流し込まれています。
X-M1のグリップ部。グリップ部の形状はX20に似ています。グリップ部の横にあるランプはAF補助光とセルフタイマーランプを兼ねるものです。
ボディ右肩のメインコントロール部。モードダイヤルと2つのコントロールダイヤルを中心としたインターフェースとなっています。一般的なユーザーであれば、従来機よりも使いやすいのではないかと思います。
軍艦部左側には内蔵ストロボがあります。その右にあるのがホットシューで、レンズ光軸上に置かれています。その前にある2つの穴はステレオマイクです。
内蔵ストロボをポップアップさせた状態。ボディサイズの割に照射位置は高いと思います。
ポップアップした照射部の向きを指で変えることもできます。メーカーは推奨しませんが、一定のバウンス効果も期待出来そうです。
親指グリップ部にはサブコマンダイヤルが置かれています。ダイヤルは上向きとなっており、回転だけでなく押下することにも対応しています。
液晶モニター右側にあるコントロール部。ボタンの機能はXシリーズのものを踏襲していますが、単独の動画撮影ボタンが新設されています。
ボディ右側面にある外部接続端子。上がHDMIミニ端子で、下がマイクロUSB端子です。下側は専用リモートレリーズにも対応しています。
富士フイルムのミラーレスカメラとしては初のチルト可動対応となります。上側には-85°まで可動します。
下側には90°までチルト可動します。チルト可動としては可動範囲が広くなっています。
液晶背面のチルト可動部。2軸で可動部が接続されています。
バッテリー室カバーを開いた状態。バッテリーとメモリーカードの挿入方向についてもガイダンス表示されています。
バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が前側となります。
ボディ単体での実測値は278.5gでした。メーカー公表値は280gとなります。
バッテリーとメモリーカードを挿入した状態の実測値は327.5gです。メモリーカードの種類によりますが、メーカー公表値は330gとなります。
1型イメージセンサーを搭載した高級コンパクト、ソニー サイバーショットDSC-Rx100M2と比較した状態。APS-Cサイズのミラーレスカメラとしては小型ですが、コンパクトカメラと比較するとサイズは一回り違います。
液晶パネルは3型92万ドットのパネルです。イメージセンサーと同じアスペクト比3:2のため、画面いっぱいに画像が表示されます。
液晶パネルの視野角は比較的広く、このアングルでも画面表示の確認が可能です。 X-M1の付属品をチェック
付属するバッテリーチャージャーBC-W126。NP-W126の充電には、最大で約150分かかります。
充電には、付属するメガネケーブルを用います。写真は、チャージャー側のケーブル接続部。
付属するメガネケーブル。出荷先国によって同梱されるACケーブルは異なります。
バッテリーパックNP-W126。7.2V 1200mAhで、静止画で約350枚の撮影が可能です。バッテリーシステムはX-Pro1やX-E1、FinePixHS50EXRとも共通です。
付属するショルダーストラップ。高級感はありませんが、しっかりとした作りです。
付属するボディキャップ。Xマウント用の共通品です。
ボディのマウント部バヨネットを活用して装着します。 Sponsored Links 3.富士フイルム X-M1の描写性能はどうか?描写力チェック1:高感度性能富士フイルム X-M1の基本感度はISO200で、標準ではISO6400まで設定可能となっています。さらにJPEG撮影の場合には、低感度側がISO100まで、高感度側はISO25600まで拡張することができます。ノイズ低減処理方法としては、カメラ内で設定する方法と、RAWで撮影しパソコン上の現像段階で行う方法とがあります。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられませんので、後から編集することも可能です。 カメラ内でのノイズ低減は、「ノイズリダクション」と「長秒時ノイズ低減」の2つがあります。どちらも、撮影メニューの中で設定可能となっています。 「ノイズリダクション」は高感度設定時に発生するノイズを低減するもので、「弱(-2)」、「やや弱(-1)」、「スタンダード(0)」、「やや強(+1)」、「強(+2)」の5種類が設定可能となっています。工場出荷時の初期設定は「スタンダード」です。 「長秒時ノイズ低減」は、「ON」と「OFF」のどちらかに設定します。「ON」にすると、撮影後処理に時間がかかる場合があります。こちらの工場出荷時の初期設定は「ON」となっています。 今回のテスト結果では、X-E1とほぼ同じとなりました。 ISO1600までは、ノイズリダクションを「弱」にしたままでもほとんどノイズ感は感じられないため、常用とすることも可能です。ISO3200になると、暗部を中心にわずかにノイズが目立ち始めますが、ISO6400までなら目立ちませんので、十分活用できるレベルであると思います。 ISO12800以上になると、急激にノイズが増え解像感の低下も認められますが、画像自体は破たんしないため、縮小するなど使い方によっては活用可能です。 ノイズリダクションを「スタンダード」にすると、さらに1段程度、ノイズ感が軽減されます。基本は初期設定のまま活用することをお勧めします。 ノイズリダクションを「強」にすると、ノイズは明らかに低減するものの、やはり解像感も悪化します。JPEGをメインで撮影される場合には、使い方を十分検討する必要があると感じました。 下記のサンプルは、高感度ノイズリダクションを弱、スタンダード、強の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものです。表示画像は等倍のものですので、これでもある程度傾向はわかると思いますが、クリックすると元画像も表示されますので、あわせてご参照ください。
ISO100(左から「弱」「スタンダード」「強」) 描写力チェック2:解像度富士フイルム X-M1のイメージセンサーは、有効1630万画素です。センサーとしてはX-Pro1やX-E1と同じものと思われます。今回テストしたXF27mmF2.8の結果は、絞り開放ではわずかに柔らかい表現ですが、単焦点レンズらしく全体に優れた解像力を示しました。1段絞ると、周辺部を含めかなり鮮明度が向上します。下記のサンプルでは、絞り開放から2段絞ったF5.6のものを掲載しました。なお、視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも、絞り開放でも2500本ラインの視認が可能です。
限界解像度チェック用のラインでは、特にモアレも発生せず、2500本まで十分視認できています。
横方向の限界解像度チェック用のラインでも、同様に2500本ラインは十分視認可能です。
画像周辺部の流れもほとんど見られません。単焦点レンズらしい鮮明な画像です。
機能チェック(おまけ):連続撮影枚数仕様上で見ると、富士フイルム X-M1の連写性能は、
高速メモリーカード(Sandisk ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)で実際にテストすると、
Sponsored Links 4.結局、X-M1は「買い」か?
独断 素晴らしい! ポイント
独断 もう一息! ポイント
付録.製品仕様からみた X-M1の特長
|
Sponsored Links |