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特集 富士フイルム X-T1
富士フイルム X-T1 ~一眼レフ・スタイルのフラグシップ・ミラーレスカメラ |
富士フイルム X-T1
by Inaba Kunio
一眼レフ・スタイルのフラグシップ・ミラーレスカメラ
評価:5.0
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1.富士フイルム X-T1の位置づけと概要一眼レフスタイルの新型ミラーレスカメラ富士フイルムは2012年2月にX-Pro1(製品レビュー)でミラーレスカメラ市場に参入しましたが、この2年間で着々とラインアップを固めてきたように思います。この間に、X-T1を含め6台のボディと13本のレンズを投入してきました。ミラーレスカメラで先行するオリンパスやパナソニックなどのマイクロフォーサーズ陣営やソニーとの差はまだ小さくありませんが、それでも富士フイルムという会社が持っている高い基礎力を感じさせてくれました。富士フイルムのミラーレスカメラは、当初から単焦点レンズを中心にレンズを揃えるなど、他社製品と比べて描写性能を重視している点に特徴があります。こうした製品戦略は、明確な差別ポイントであり、根強い「ファン層」を創り出すことに成功していると思います。各社とも、レンズ固定式カメラを含め、より付加価値の高いモデルへとシフトしていますが、こうした動きを先取りしたのが富士フイルムのXシリーズだと思います。 今回登場したX-T1は、X-Pro1とは異なる切り口のフラグシップカメラであり、位置づけ的にはオリンパスのOM-D E-M1(製品レビュー)に近い存在です。とくに、電子ビューファインダーをレンズ光軸上に配置したことで、ミラーレスカメラにとってやや不得意だった望遠域での撮影でも、デジタル一眼レフと伍して競うことが可能になっています。 →発売前の記事「一口コラム:一眼レフスタイルのミラーレスカメラ登場!」。
外観上の特徴であるX-T1の「ペンタ」部。EVFの放熱性の点でもメリットがあります。
X-T1の主な特徴は、次のとおりです。
電子ビューファインダ-の光学系を新設計することで、X-E2と比べても1.6倍の見かけ視覚を確保しており、ファインダー倍率も0.66倍から0.77倍に拡大されました。表示内容も「マルチモード」に対応しており、写真のような2画面表示も可能です。 X-T1の魅力は?もともとXシリーズは、ハイブリッドビューファインダーを搭載した高級コンパクト、FinePixX100からスタートを切りました。その点からも、最初のミラーレスカメラX-Pro1がハイブリッドマルチビューファインダーを内蔵したのは、ある意味自然な流れでした。その後、X-E1、X-M1、X-E2、X-A1と代を重ねる中で、より自由な方向にカメラの設計が拡がってきたように感じます。今回、X-T1が一眼レフ的なスタイルで登場できたのも、この2年間の確かな実績と経験があってのことなのは間違いないように思います。
ハイブリッドマルチビューファインダーを搭載したX-Pro1。X-T1は、異なる切り口で「フラグシップ」を実現したカメラに仕上がっています。 X-T1を評価してみて感じたのは、気になっていた点に丁寧に対応がされているとともに、高い描写性能と機能性を実現したということです。そして、インターフェースの点でも、単にボタンやダイヤル類を多用しているだけでなく、柔軟にカスタマイズできるようになっています。あえて厳しく問題を探しても、シャッタースピードが1/8000秒に対応していないことぐらいしか見当たりません。極めて完成度の高いカメラに仕上がっていると感じました。 それでは、富士フイルムの新型フラグシップ・ミラーレス、X-T1の実力をテストしてみたいと思います。 Sponsored Links 2.富士フイルム X-T1を開封し外観をチェック富士フイルム X-T1を開封する2月15日、一眼レフスタイルの新型ミラーレスカメラ、X-T1が発売されました。X-Pro1と並んでの実質的なフラグシップ機であり、力の入った新製品となっています。販売形態はボディ単体の他に、XF18-55mmF2.8-4.0標準ズームレンズ(製品レビュー)の付いたレンズキットが用意されており、今回はレンズキットを購入しました。X-T1の店頭実売価格は、ボディ単体で13万5千円前後、レンズキットで17万2千円前後でのスタートとなりました。2012年2月に登場したもう一つのフラグシップ機、X-Pro1(製品レビュー)のスタート時点の価格は、ボディ単体で13万8千円前後でしたので、X-T1とほぼ同等レベルと言えそうです。
X-T1レンズキットのパッケージ。黒を基調としたデザインは、Xシリーズ・ミラーレス共通です。パッケージには創立80周年記念モデルであることを示すマークも印字されています。
蓋を開けると、トレイの上に保証書や使用説明書等が置かれています。保証書は国内のみ有効なものですが、ボディとレンズの各々についています。
トレイの下には、カメラ本体とレンズ、クリップオンフラッシュ EF-X8が格納されていました。左下に見えるのがレンズで、乾燥剤も一緒に梱包されています。
ボディやレンズの入っている梱包材の下に、付属品関係の入っている箱が格納されていました。ボディの入っているトレイは左右の深さが異なるため、付属品箱は段差の付いた形状となっています。
付属品箱を開いた状態。ボディ付属品だけでなくレンズフードもこの中に入っています。
パッケージに入っていた付属品。左上より、使用説明書、モード別機能一覧、ソフトウェアCD-ROM、バッテリーチャージャーBC-W126、チャージャー用ACケーブル、充電式バッテリーNP-W126、ストラップリング、ストラップリングカバー、ストラップリング取付補助具、ショルダーストラップ、クリップオンフラッシュEF-X8。 Sponsored Links 富士フイルム X-T1の本体をチェック
X-T1のボディ前面。カメラボディの中央上部にファインダー部があるため、デジタル一眼レフと似たデザインとなっています。ボディ外装は3分割されたマグネシウム合金製で、防塵防滴性能も付与されています。グリップ部の上部にはフロントコマンドダイヤルが設けられており、これはXシリーズ初となります。
X-T1の液晶モニター側。ファインダー接眼部の大きさが目立ちます。液晶モニターはX-M1と同様、上下方向のチルト可動に対応しています。液晶モニターは3型104万ドットでアスペクト比3:2のパネルで、表面には強化ガラスが貼られています。親指部分にも大きな張り出しが設けられているため、ホールド性向上に役立っています。
X-T1のボディ上面。ファインダー部の左右にダイヤルが配置されています。右側にシャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤルが置かれているのはX-Pro1やX-E2と同様ですが、X-T1ではボディ左側にもISO感度設定ダイヤルが新設されています。
X-T1のボディ底面。左側にバッテリー室が置かれています。バッテリー室の上に見える穴はスピーカー用のものです。右側に見えるカバーは、縦位置バッテリーグリップ用接点を保護するものです。
X-T1のボディ左側面。こちら側には外部接続端子が置かれています。
X-T1のボディ右側面。こちら側にはメモリーカードスロットが置かれています。今までのXシリーズはX-Pro1も含め、メモリーカードはバッテリー室の中に置かれていました。側面に移されたことで、一々三脚から外さずにメモリーカードの交換が可能になりました。撮影シーンによっては利便性の向上につながっています。
X-T1のイメージセンサー。センサー自体はX-E2のものと同等で、ローパスフィルターレスです。
デジタル一眼レフであればペンタ部にあたるところにはメーカーロゴが付けられています。刻印された中にインクが流し込まれています。富士フイルム最後のデジタル一眼レフFinePixS5(2007年1月発売)以来ですので、7年ぶりの復活です。
ボディの左肩にはX-T1のロゴが付いています。こちらも刻印された中にインクが流し込まれており、しっかりとしたものです。ロゴの下にあるのはシンクロターミナルカバー。
シンクロターミナルカバーを外したところ。汎用のケーブルが使用できます。デジタル一眼レフでもシンクロターミナルを備えているカメラはそれほど多くはありません。
マウント口の右下にはフォーカスモード切替レバーが付いています。このあたりのインターフェースはX-E2と同じです。
マウント口左下にあるレンズ着脱ボタン。基部が太いレンズとの干渉を避けるため、ボタン上に切欠きが設けられています。このボタンを押すと、マウント上に見えるピンが下がります。
グリップ部上部にはフロントコマンドダイヤルが新設されています。液晶モニター側にあるリアコマンドダイヤルとあわせて2ダイヤル方式でのインターフェースとなります。その右に見えるランプは、セルフタイマーとAF補助光を兼ねるものです。その下にはファンクションボタンが新設されています。これもX-T1が初となります。
ボディサイズに対して大型のグリップが装備されています。マグネシウム合金でボディと一体成型されていますので、剛性感もあります。富士フイルムによると、チクソモールディング工法(半溶解状態のマグネシウムを射出成形)を採用することで自由度の高いボディ形状を実現したとのことです。
軍艦部右側のメインコントロール部。X-Pro1やX-E1と同様に、シャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤルが置かれています。シャッターボタンの同軸に電源レバーが置かれているのも同じです。なお、シャッターボタンに切られていたレリーズ用の溝は省略されています。このあたりは防塵防滴性能との兼ね合いかもしれません。
シャッタースピードダイヤルは2段重ねとなり、下に測光ダイヤルが追加されています。左側より、スポット測光、マルチ測光、アベレージ(平均)測光となります。
液晶モニター右側のメインコントロール部。基本的なインターフェースはXシリーズ共通ですが、新たにFOCUS ASSISTボタンが新設されました。このボタンを押すと、フォーカスポイントを中心に拡大表示されます。ボタンはトグル式に機能するため、もう一度押すと元に戻ります。
ボディ右下には「MADE IN JAPAN」と印字されています。XシリーズではX-M1とX-A1以外はすべて日本製となっています。
軍艦部の左側には新たにISO感度設定ダイヤルが設けられています。ISO感度は標準設定のISO200からISO6400に加えて、ISO100相当のLと、H1、H2があります。H1、H2はISO12800、ISO25600、ISO51200から選択して設定するようになっています。せっかくISO51200まで設定できるので、できればH3もあればという気もしますが、同等のセンサーを搭載しているX-E2ではISO25600までですので、仕様検討の最終段階でISO51200まで拡張することが決まったのかもしれません。
ISO感度ダイヤルの下側にはドライブダイヤルが置かれています。右から2盤目にある「ADV.」はアドバンストフィルターの意味で、トイカメラやミニチュアなどのフィルター効果を設定するものです。その右はパノラマモードとなります。
ファインダー接眼部の右には視度調整ダイヤルが設けられています。その左にあるマークは、イメージセンサーの位置を示すもので、焦点距離を測る時の基準面となります。さらにその左にある穴はステレオマイクで、反対側にも設けられています。
ファインダー接眼部の右側。こちらにはVIEWMODEボタンが設けられています。このボタンは、電子ビューファインダーと液晶モニターの切換方法を設定するものです。
ファインダー接眼部の上にはアクセサリーシューが設けられています。標準で添付するクリップオンフラッシュEF-X8を装着可能です。
ファインダー接眼部にはアイピースが装着されています。電子ビューファインダーとしてはかなり大きい接眼部だと思います。接眼部の下部にはアイセンサーも設けられています。
アイピースは上にスライドさせると取り外すことも可能です。
アイピースの裏側。プラスティック製の爪で固定する方式となっています。
アイピースを取り外した状態。アイセンサーが下部に付けられていることがわかります。今のところここに装着する純正アクセサリーは用意されていません。
液晶モニターを上側にチルトさせた状態です。上側には-85°までチルトします。
液晶モニターを下側にチルトさせた状態。こちら側には45°までとなります。なお、X-M1やX-A1では90°までチルトさせることが可能でした。
液晶モニターのチルト構造部。ボディに接する軸と、液晶パネルの接続部との2つの軸で回転するようになっています。
ボディ下部にある縦位置バッテリーグリップ用接点カバーを開いた状態。別売の縦位置バッテリーグリップVG-XT1を装着する時に使用します。取り外したカバーはグリップ内に格納することができるようになっています。
ボディ下部のバッテリー室カバーを開いた状態。X-T1ではバッテリーのみが格納されます。側面にはバッテリー挿入方向のガイダンスが記載されています。
バッテリーを挿入しつつある状態。最近のバッテリーパックにはバッテリー取り外しツマミと同じオレンジ色が印刷されていますので、それを合わせる向きで挿入します。
ボディ左側面にある外部接続端子カバーを開いた状態。上からマイク/リモートレリーズ端子、HDMIミニ端子、マイクロUSB端子となります。防塵防滴ボディのため、蓋部分に簡易なパッキンが付けられています。
ボディ右側面にはメモリーカードスロットが設けられています。挿入方向のガイダンスシールが貼付されています。
メモリーカードを挿入しつつある状態。ラベル面が液晶モニター側を向く向きで挿入します。
クリップオンフラッシュEF-X8を装着した状態。この向きではOFF状態となります。
クリップオンフラッシュEF-X8を上に向けると照射可能となります。かなり高い位置となりますので、レンズによるケラレは発生しにくいと思います。
クリップオンフラッシュEF-X8の後ろ側。機種名の下にあるボタンを押すと、アクセサリーシューから取り外すことができます。
キットレンズのXF18-55mmレンズを装着した状態。実物は写真で感じるよりもコンパクトで、ぎっしりと凝縮した高級感を感じると思います。
クリップオンフラッシュEF-X8を照射状態にしたところ。ISO200時のガイドナンバーは11ですので、広角端F2.8では4m程度まで有効です。
付属するフードを装着した状態。精悍なフォルムだと思います。
液晶モニターに表示させたところ。液晶パネルは3型104万ドットのパネルで、アスペクト比はイメージセンサーと同じ3:2です。電子水準器やヒストグラムなどの表示要素を個別にON/OFF設定できるようになっています。
ファインダーをメインに使う場合には、このような設定内容を表示させることも可能です。
新しい表示モードとして2画面表示が可能になりました。右側にはフォーカス部分を拡大して表示します。
同じ状態での電子ビューファインダーの表示内容。電子ビューファインダーも、フル画面(この状態です)、ノーマル画面、2画面の切換が可能です。フル画面の場合、被写体表示部にも情報がオーバーラップされます。
電子ビューファインダーでノーマルモードにした状態。被写体の表示部は一回り小さくなりますが、基本的な情報は外側に表示されますので、被写体を細かくチェックすることが可能です。
同じく電子ビューファインダーで2画面表示をさせた状態。こうした画面を表示できるのは電子ビューファインダーのメリットだと思います。
カメラを縦位置にすると、表示される情報も縦方向に回転します。細かい点ですが見えやすい工夫だと思います。
X-T1のボディ単体での重さの実測値は、386.5gでした。メーカー公表値は390gとなっています。
メモリーカードとバッテリーをつけた状態でのX-T1の重さは、実測値で435.5gでした。使うメモリーカードによって重さは異なりますが、メーカー公表値は440gとなっています。 Sponsored Links 富士フイルム X-T1の付属品をチェック
付属するバッテリーチャージャーBC-W126。NP-W126の充電には、最大で約150分かかります。
コンセントとの接続には、付属するACケーブルを用います。可搬性を考えると、できればウォールマウントアダプター等も添付されることが望ましいと思います。
付属するACケーブル。出荷先の電源環境に応じて異なるケーブルが添付されるものと思われます。
バッテリーパックNP-W126。7.2V 1200mAhで、静止画で約350枚の撮影が可能です。バッテリーシステムは、X-Pro1をはじめ多くの機種で採用されているものです。
バッテリーパックには挿入方向のガイダンスとなるオレンジ色の指標が印字されています。この指標が印字されるようになったのは、X-M1あたりからだと思います。
付属するショルダーストラップ。同梱されているストラップとしては高級感があると思います。
付属するストラップリング。同梱されている取り付け補助具を使って、カメラ側面両側のストラップ取付部に装着します。
ストラップリングがボディにすれないよう、ストラップリングカバーも付属します。ストラップを取り付けるときには、黒い面がカメラ側になるようにはめ込みます。
ストラップ取付金具をボディに装着するための取付具が付属します。最初からボディに装着されている方が手間がかかりませんが、ケースによってはケース側にストラップが付属しているものもありますので、こうなっているのかもしれません。
付属するクリップオンフラッシュEF-X8。表面処理も含め丁寧に作られている感じを受けます。
表示面は固定式で、ISO200時のガイドナンバーは11となります。
照射位置に開くと、仕様が印字されたラベルが見えます。個別にS/Nも振られています。
ボディマウント部に装着されているボディキャップ。
ボディキャップの裏面には爪がつけられており、マウント部のバヨネットを活用して固定する構造となっています。 Sponsored Links 3.富士フイルム X-T1の描写性能はどうか?描写力チェック1:高感度性能富士フイルム X-T1の基本感度はISO200で、標準ではISO6400まで設定可能となっています。さらにJPEG撮影の場合には、低感度側がISO100まで、高感度側はISO51200まで拡張することができます。同等のイメージセンサーを搭載していると思われるX-E2では、高感度側はISO25600でしたので、1段分設定幅が拡げられています。画像データのノイズ低減処理方法としては、カメラ内で設定する方法と、RAWで撮影しパソコン上の現像段階で行う方法とがあります。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられませんので、後から編集することも可能です。 カメラ内でのノイズ低減は、「ノイズリダクション」と「長秒時ノイズ低減」の2つがあります。どちらも、撮影メニューの中で設定可能です。 「ノイズリダクション」は高感度設定時に発生するノイズを低減するもので、「弱(-2)」、「やや弱(-1)」、「スタンダード(0)」、「やや強(+1)」、「強(+2)」の5種類が設定可能となっています。工場出荷時の初期設定は「スタンダード」です。 「長秒時ノイズ低減」は、「ON」と「OFF」のどちらかに設定します。「ON」にすると、撮影後処理に時間がかかる場合があります。こちらの工場出荷時の初期設定は「ON」となっています。 今回のテスト結果では、概ねX-E2と同等レベルのノイズ感であると感じました。 ISO1600までは、X-E2と同様にノイズリダクションを「弱」にしたままでもほとんどノイズ感は感じられませんでした。ISO3200になると、暗部を中心にわずかにノイズが目立ち始めますが、ISO6400までなら目立ちませんので、等倍画像でも十分活用できるレベルであると思います。 ノイズリダクション「弱」では、ISO12800以上になるとややノイズが増え解像感の低下も認められるのもX-E2と同様です。しかし使い方によっては等倍画像でも活用可能であると感じました。 ノイズリダクションを「スタンダード」にすると、さらに1段程度ノイズ感が軽減されますので、基本的には初期設定のまま活用することをお勧めします。 ノイズリダクションを「強」にすると、ノイズは明らかに低減するものの、やはり解像感も低下します。X-T1ではISO6400を超えるとJPEGのみとなってしまいますので、この点も含め使い方を十分検討する必要があると感じました。 下記のサンプルは、高感度ノイズリダクションを弱、スタンダード、強の3段階で各ISO感度の撮影を行ったものです。表示画像は等倍のものですので、これでもある程度傾向はわかると思いますが、クリックすると元画像も表示されますので、あわせてご参照ください。
ISO100(左から「しない」「標準」「強め」) Sponsored Links 描写力チェック2:解像度X-T1のイメージセンサーはX-E2と同じ有効1630万画素で、新型のX-Trans CMOS IIが搭載されています。今回テストに使用したFUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OISは、比較的明るいズームレンズであり、とくに画像中心部では絞り開放から素晴らしい解像力を示しました。画像周辺部については、広角端ではやや柔らかい描写ですが、絞っていくにつれて徐々に鮮明度があがっていきました。概ね3段程度絞ると、周辺部も含め鮮明な画像となります。 画像種変部は、望遠側に移るにつれ、徐々に鮮明度が上がりますので、標準域よりも望遠側であれば、絞り開放でもしっかりとした画像となります。 今回のテストでは、広角端で開放から2段絞ったF5.6のもので確認を行いました。視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも、余裕をもって2500本ラインの識別が可能であり、イメージセンサーの画素数を活かす実力を持ったレンズであると思います
限界解像度チェック用のラインでは、2500本まで視認できています。モアレも気にならないレベルです。
横方向の限界解像度チェック用のラインでも、同様に2500本域まで余裕で視認できています。
参考まで、左上の画像です。鮮明度の高い画像であると思います。
描写力チェック3:点像復元処理富士フイルム X-T1には、レンズを絞り込んだ時の回析現象やレンズ周辺部のわずかなボケを補正し、解像感を向上させるための「点像復元処理機能」が搭載されています。工場出荷状態では「ON」になっています。キットレンズのXF18-55mmF2.8-4で、広角端絞りF16でチェックを行ったところ、確かに「ON」にすると鮮明感が向上することが確認できました。下記は元画像の左上を等倍で切り出したものですが、クリックすると元画像が表示されますので、あわせてご参照ください。 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数富士フイルムによると、X-T1の連写性能は次の通りです。
実際の連写テストで使用したメモリーカードは高速タイプのものです。 (SanDisk ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)
X-T1はフラグシップの位置づけのカメラであり、それにふさわしい連写性能を持っています。一番データ容量が大きいRAW+JPEGでも8.5コマ/秒のペースで21コマの連写ができ、その後も1.4コマ/秒のペースで撮影可能です。JPEG(Fine Large)であれば、実質的にはバッファー容量を意識せずに連写を楽しむことができると感じました。 なお、バッファー容量がフルになった時にもたつきを感じることもありませんでした。 Sponsored Links 4.結局、X-T1は「買い」か?独断 素晴らしい! ![]()
独断 もう一息! ![]()
Sponsored Links 付録.製品仕様からみた X-T1の特長
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