さらに描画性能を強化したエントリーモデル
D3300は、2012年5月に登場したニコンのエントリークラス・デジタル一眼レフ、D3200(製品レビュー)の後継機となります。D3100からD3200への進化では、イメージセンサーの有効画素数が1420万画素から2416万画素へと大幅に増えるなど大きな変化となりましたが、D3300では有効画素数は2416万画素を踏襲しましたので、やや地味に感じるかもしれません。
しかし、D3300ではD5300と同様にローパスフィルターレスになっただけでなく、イメージセンサー自体も新しいものに変わっています。また、画像処理エンジンがEXPEED4に進化したことも含め、D3300では描写性能がさらにワンランクアップしたものと思われます。一般にローエンドモデルは一番のボリュームゾーンとなりますので、このフィールドに投入する機種の描写性能を強化したということから、メーカーとしての強い意志を感じさせます。
→発売前の記事「一口コラム:描写性能を強化したエントリーモデル」。
前機種となるD3200。2012年5月に登場しました。
D3200との主な違いは、次のとおりです。
- イメージセンサーの有効画素数はD3200と同じ2416万画素ですが、D5300と同様にローパスフィルターレスに。静止画最大画像サイズもわずかながら変わっています。
- 画像処理エンジンはEXPEED3からEXPEED4に進化し、高感度性能と解像感が向上。一段分拡がり、ISO25600相当まで設定できるようになりました。
- ファインダー視野率は95%と同じですが、倍率が0.8倍から0.85倍へと拡大。
- 液晶モニターは3型92万ドットでほぼ同じ。
- 連写性能も4コマ/秒から5コマ/秒に強化。
- Wi-FiはD3200と同様に外付オプションで対応。
- 動画性能が強化され、フルHD(60p)に対応。D3200は30p。
- オートフォーカスモジュールはD3200と同じマルチCAM1000。
- バッテリーがEN-EL14aとなり、最大撮影枚数も540コマから700コマに強化。
- ボディサイズはほぼ同じですが、重さは45g軽量化されました。D5300に次ぎ、炭素繊維によるモノコック構造を採用。
描写性能はもちろんですが、ファインダー視野率や連写性能など、全体的にブラッシュアップがされていることがわかります。
D3300の魅力は?
エントリークラスの一番の武器は、言うまでもなく「価格」です。2012年5月に登場したD3200は、有効画素数を一気に24メガ画素に拡大したこともあり、発売当初はボディ単体で8万円弱、標準ズームキットで9万円弱、ダブルズームキットで11万円弱と、それなりの価格となってしまいました。
今回D3300では、ボディ単体で6万円弱、標準ズームキットで7万円弱、ダブルズームキットで9万5千円前後と、D3200と比べると2万円程度安価でのスタートとなっています。現時点のD3200の実売価格(ボディ単体および標準ズームキットで4万円弱、ダブルズームキットで5万円前後)と比べると2万円以上の差となりますが、他のエントリークラス・デジタル一眼レフ新製品と十分戦える価格設定であると思います。
沈胴可能な新型標準ズームAF-S DX 18-55mm IIは、コンパクトなD3300にマッチしています。
それでは、ニコンのローエンドデジタル一眼レフ、D3300の実力をテストしてみたいと思います。
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