【一口コラム】 連写と動画がパワーアップした高倍率ズーム機
1/31から2/3にかけて開催されたCP+2013にあわせて、各社から多くの新製品が登場しました。ニコンからも、高倍率ズーム搭載COOLPIX L820をはじめ、ネオ一眼のCOOLPIX P520、アウトドア用COOLPIX AW110、多機能コンパクトのCOOLPIX S9500、COOLPIX S9400、COOLPIX S6500、COOLPIX S5200、子ども用にフォーカスしたCOOLPIX S31、廉価単三電池対応のCOOLPIX L28と、あわせて9機種がリリースされています。
COOLPIX L820は、2012年3月に登場したCOOLPIX L810の後継機であり、イメージセンサーがCCDからCMOSに換装されるとともに、レンズも望遠側が585mm相当から675mm相当へと焦点域が拡がっています。電源に単三型電池を使う点はL810を踏襲しています。
COOLPIX L820(左側)とCOOLPIX L810(右側)。ストロボ部分をはじめ、デジタル一眼レフにより近いデザインになっています。サイズはほぼ同じです。
COOLPIX L820(左側)とCOOLPIX L810(右側)。ボタン関係のインターフェース部分もほぼ同じです。液晶パネルはどちらも3型92万ドットのものが搭載されています。
COOLPIX L810とは、次の点で異なっています。
- イメージセンサーは有効1614万画素1/2.3型CCDから有効1605万画素1/2.3型CMOSに。
- 設定ISO感度はISO80-1600からISO125-3200に。
- レンズは22.5-585mmF3.1-5.9相当から22.5-675mmF3.0-5.8に。
- シャッタースピードの高速側は1/1500秒から1/4000秒に高速化。
- 連写性能は1.2コマ/秒から8コマ/秒に。
- 動画性能は、HDからフルHD(30fps)に。
- 静止画での連続撮影枚数は、300枚が320枚に。(アルカリ単三電池4本使用時)
- サイズはほぼ同じものの、重さは430gから470gへと40g重くなった。
レンズの焦点距離が拡がった点と、イメージセンサーがCMOSに変わったことで連写性能や動画撮影機能が強化された点がポイントになってくると思います。
なお、高倍率ズーム搭載カメラという点では、同時に発表されたネオ一眼、COOLPIX P520との違いも気になると思います。特に電子ビューファインダーの搭載の有無は大きいですが、それ以外にも液晶モニターのバリアングル可動やGPS機能の搭載など、機能面での差があります。
また、レンズもCOOLPIX P520では1000mm相当の画角までカバーしているのに対し、L820は広角端が24mmから22.5mm相当へと広げられた一方で、望遠端は675mm相当にとどめられています。イメージセンサーも、P520の裏面照射型CMOSに対して、L820は原色CMOSのため、高感度性能にも差があります。
【COOLPIX P520、L820の比較】
機種名 |
L820 |
P520 |
イメージセンサー |
有効1605万画素
1/2.3型CMOS |
有効1891万画素
1/2.3型裏面照射CMOS |
レンズ (35mm判換算) |
22.5-675mm相当
F3-5.8 |
24-1000 mm相当
F3-5.9 |
最短撮影距離
(レンズ前) |
1cm(広角端)
1.5m(望遠端) |
1cm(広角端)
2m(望遠端) |
手ブレ補正 |
レンズシフト式 |
感度 |
ISO125-1600
(拡張でISO3200) |
ISO80-3200
(拡張でISO6400) |
ファインダー |
- |
0.2型液晶、約20万ドット相当 電子ビューファインダー |
フラッシュ |
約0.5 〜 6.0 m(広角側)
約1.5 〜 6.0 m(望遠側) |
約0.5 〜 8.0 m(広角側) 約1.5 〜 4.5 m(望遠側) |
シャッター速度 |
4-1/1,500秒(全モード) |
8-1/4,000秒(全モード) |
液晶モニター |
3型92万ドット |
3.2型92万ドット
バリアングル式 |
連写速度 |
約8枚/秒 |
約7枚/秒 |
動画記録 |
1,920×1,080/30fps |
1,920×1,080/30fps |
バッテリー |
単3電池×4本 約320枚(アルカリ電池) |
EN-EL5 約200枚 |
付加機能 |
- |
GPS |
外形寸法 |
111.0×76.3×84.5mm |
125.2×84.1×101.6mm |
質量
(電池,カード含) |
約470g |
約550g |
COOLPIX L820(左側)とCOOLPIX P520(右側)。ボディサイズは一回り違います。
COOLPIX L820(左側)とCOOLPIX P520(右側)。電子ビューファインダーとバリアングル可動する液晶モニターだけでなく、コマンドダイヤルの有無などインターフェース部分にも違いがあります。
COOLPIX L820(左側)とCOOLPIX P520(右側)。P520のボディ上面にあるモードダイヤルもL820では省略されています。
発売開始時点の実売価格は、COOLPIX L820は3万円強となっており、COOLPIX L810発売時とほぼ同等レベルとなっています。現在のL810の実売価格2万円弱と比較すると1万円程度の差がありますが、機能面の強化を考えると納得感があるのではないかと思います。
(2013年 2月 4日 記)
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