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特集 ニコン 1 AW1

ニコン 1 AW1 ~レンズ交換式全天候カメラ「ニコノスデジタル」

ニコン 1 AW1  by Inaba Kunio    レンズ交換式全天候カメラ「ニコノスデジタル」  評価:5.0
ニコン  1 AW1 Nikon


1.ニコン 1 AW1の位置づけと概要

 世界初!レンズ交換式全天候デジタルカメラ

 9月19日に発表されたニコン1 AW1が、いよいよ発売開始となりました。レンズ交換式のデジタルカメラとしては世界初となる防水・防塵・耐衝撃性能を持った全天候カメラであり、心待ちにされていた方も少なくないのではないでしょうか。

 →発売前の記事レンズ交換式全天候カメラ「ニコノスデジタル」はこちら。


ニコン Nikon 1 AW1
 ボディ単体で15mまでの耐水性能を持つニコン1 AW1。販売形態は、1NIKKOR AW 11-27.5mmF3.5-5.6 防水レンズのキットのみですが、受注販売形式ではボディのみの発売も予定されています(ブラックボディ、10月31日から)。

 AW1の特徴は、次のとおりです。
  • イメージセンサーは有効1425万画素で、高感度性能などを含めJ3と同じ。
  • シャッター速度、液晶モニター、内蔵ストロボなどもJ3と同じ。
  • レンズマウントはニコン1防水マウントで、ニコン1マウント用レンズも装着可能。FマウントアダプターFT1にも対応。
  • GPS、GLONASSを内蔵。ニコン1シリーズでは初。
  • 電子コンパス、高度計、水深計も内蔵。
  • ホワイトバランスやレンズ補正機能に「水中」を追加。
  • ボディサイズはJ3よりも一回り大きくなり、重さも約112g増加。
  • アクション操作機能の搭載など、水中でのグローブ使用も想定したインターフェース。
 AW1は、陸上・水中の両方で使えるタフネス・ミラーレスとして、オールラウンドに使用できるカメラに仕上がっています。その点では、進化した「ニコノス・デジタル」というポジションになるかもしれません。

 AW1の魅力は?

 AW1のポイントは、一般的なミラーレスカメラと互換性を持たせたレンズマウントで、本格的な防水・耐衝撃性能を持たせた点にあります。専用ボディキャップには、今までの1 NIKKORレンズ使用時のためのOリングプロテクターも内蔵させるなど、細かい点まで目配りがされているように思います。GPSユニットを内蔵し、タフネス性能を持たせているにもかかわらず、価格的にはかなり買いやすいレベルに抑えられている点も魅力的です。

ニコン Nikon 1 AW1

 AW1のニコン1防水マウント。Oリングを装着したことで、レンズ基部が突起しています。マウント面からイメージセンサーまでの距離は同じです。ニコンJ3と比較すると、かなり違うことがわかります。


ニコン Nikon 1 J3

 それでは、世界初となるレンズ交換式タフネス・デジカメ、ニコン 1 AW1の実力をテストしてみます。


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2.ニコン AW1を開封し外観をチェック

 ニコン 1 AW1を開封する

 9月19日に発表された世界初のレンズ交換式全天候デジカメ、AW1が発売開始となりました。カメラ自体は2013年2月に発売されたJ3(製品レビュー)と同じですが、15mまでの耐水性能と2m落下の耐衝撃性を持ったタフネスカメラであり、唯一無二の存在であると言えます。

 当初はシルバーモデル・レンズキットだけのリリースでしたが、その後国内でもブラックモデルが受注販売されることが発表されています。なお、ブラックモデルはボディ単体での購入も可能です。単体発売されているAW 10mmF2.8と一緒に使うのであれば、ブラックモデルの選択も良いかもしれません。

 販売開始時点のレンズキット実売価格は、8万円弱となっています。J3登場時のレンズキット(付属レンズは10-30mm)の実売価格は6万5千円前後でしたので、AW1の値ごろ感は高いように思います。

 なお、付属する 1 NIKKOR 11-27.5mm f/3.5-5.6は既存の同スペックレンズを防水パッケージ化したものとなります。保護ガラスが1枚追加されていますが、光学系は同じです。

Nikon 1 AW1

 Nikon 1 J3小型10倍ズームレンズキットのパッケージ。白を基調とした箱はV2(製品レビュー)J3(製品レビュー)と同じですがに、側面には防水カメラであることをアピールする写真が印刷されています。

Nikon 1 AW1

 ケースを開けると、保証書や取扱説明書が目に入ります。ボディ本体とレンズとは別々の保証書が入っており、保証内容もボディ用は国内のみですがレンズについては国際保証書と異なっています。

Nikon 1 AW1

 保証書や取扱説明書が置かれているトレイを取り外すと、その下から製品本体が顔を出します。左側に見えるのがボディ本体で、右下にズームレンズが入っています。

Nikon 1 AW1

 パッケージ内に同梱されている付属品関係。左上より使用説明書、活用ガイドCD-ROM、ソフトウェアCD-ROM、バッテリーチャージャーMH-27、バッテリーEN-EL20、シリコングリス、USBケーブルUC-E19、ストラップAN-N1000。使用説明書は簡易版ですが148ページの冊子ですので、基本的な事項については記載されています。同梱されているCD-ROM内には詳細版ともいうべき活用ガイドが入っており、こちらは304ページです。
 バッテリー関係やUSBケーブル、ストラップはJ3付属のものと共通です。


 ニコン 1 AW1の本体をチェック

Nikon 1 AW1

 ボディ前面。デザイン的には一般的なNikon 1シリーズと共通で、知らなければタフネスモデルであることに気が付かないと思います。レンズマウントの両側にある穴はステレオマイク用のものです。

Nikon 1 AW1

 液晶モニター側。J3と同じ3型92万ドットの液晶モニターを搭載しています。親指部分のグリップ部右に新設されたアクションボタンなど、水中でグローブを着用しての操作にも配慮されています。

Nikon 1 AW1

 ボディ上面。ニコン1シリーズでは初となるGPS内蔵モデルとなります。GPSのロシア版であるGLONASSにも対応しています。シャッターボタン、動画撮影ボタンもグローブでの操作がしやすいように工夫されています。
 GPSマークの左上にあるのはイメージセンサーの位置を示す指標で、焦点距離の基準面となります。J3と比較すると、かなり前にシフトされていますが、これはニコン1防水マウントではレンズ基部にシーリング部を設ける必要があるためです。


Nikon 1 J3

 ニコン 1 J3のボディ上面。ストロボ左側にある指標は、ボディ中央部よりも液晶モニター側に寄っていることがわかります。

Nikon 1 AW1

 ボディ底面。左側にバッテリー室とメモリーカードスロットが設けられています。三脚用の穴はレンズ光軸からシフトされています。三脚用の穴の左側にある2つの穴はスピーカーで、右端にある穴は気圧調整用の穴となります。

Nikon 1 AW1

 ボディ左側面。外部接続端子はこちら側に設けられています。ストラップ取り付け部はかなり大型です。

Nikon 1 AW1

 レンズ左側面。中央部にあるマイナスネジ部は専用グリップGR-N6000用のものです。

Nikon 1 GR-N6000

 AW1用専用グリップGR-N6000。実売価格は5000円弱となっています。

Nikon 1 AW1

 ボディ左肩にあるAW1のロゴ。印字ですがデザイン上のアクセントとなっています。

Nikon 1 AW1

 ボディ右上にあるNikonのロゴ。刻印された中にグレーのインクが流し込まれています。その右にあるランプはAF補助光、セルフタイマーランプ、赤目軽減ランプを兼ねるものです。

Nikon 1 AW1

 レンズマウント部がボディ前面から突出しており、Oリングが装着されています。一般のニコン1用レンズも装着できますが、AW1専用レンズを他のボディで使用することはできません。

Nikon 1 AW1

 ボディ前面に新設されたグリップ部。滑り止めの溝がきってあり、ホールド感の向上に役立っています。オプションのグリップGR-N6000は、この上に被さる形で装着します。

Nikon 1 AW1

 軍艦部右側のメインコントロール部。シャッターボタンと動画撮影ボタンを突出させた上で、誤操作防止用のプロテクターが外周部につけられています。グローブ装着時を想定した作りとなっています。

Nikon 1 AW1

 フラッシュ上部には目立つようにタフネス性能が印字されています。水中で15m、2mの耐衝撃性能を持っています。

Nikon 1 AW1

 ボディ右側面にあるグリップ取付用ネジ部。専用グリップGR-N6000を装着するときに使用します。

Nikon 1 AW1

 液晶部右側のメイン操作部。ゴムグリップの右にあるボタンは「アクションボタン」で、このボタンを押したままカメラを左右に傾けることで撮影モードの変更等の操作ができます。

Nikon 1 J3

 ニコン 1 J3の操作部。以外にAW1とは違う部分が多くあります。

Nikon 1 AW1

 フラッシュポップアップボタンは機械式のため、電源が入っていない状態でも稼働します。J3ではボディ左側にありましたが、AW1では液晶モニター上部に移設されました。

Nikon 1 AW1

 内蔵ストロボをポップアップさせた状態。ニコン1防水マウントは、レンズ装着部が前にシフトしているため、ストロボ照射面もかなり前に出るようになっています。

Nikon 1 AW1

 照射部を指で上側に向けることもできるため、簡易バウンスとして使うことも可能です。

Nikon 1 AW1

 ボディ左側にある外部接続端子カバーの内側。上がUSB端子で、下がHDMIミニ端子です。当然ですが、水中での使用には対応していません。

Nikon 1 AW1

 外部接続端子カバーの蓋部分にはしっかりとした防水パッキンが付けられています。。

Nikon 1 AW1

 水中で誤操作による開封事故を防ぐため、ロック機構が組み込まれています。ロックを解除すると、黄色いインジケーターが表示されます。

Nikon 1 AW1

 バッテリー室カバーも2段階ロック方式で、ロックを解除すると黄色のインジケーターが表示されます。

Nikon 1 AW1

 バッテリー室カバーを開いた状態。蓋部分にはやはりパッキンが設けられています。

Nikon 1 AW1

 バッテリー室側面には、バッテリー挿入方向のガイダンスシールが貼付されています。

Nikon 1 AW1

 バッテリーとメモリーカードを挿入しつつある状態。メモリーカードはラベル面が液晶側となります。

Nikon 1 AW1

 通常のニコン1用レンズを使用するときのために、Oリングプロテクターが用意されています。

Nikon 1 AW1

 1 NIKKOR 18.5mm f/1.8(製品レビュー)を装着した状態。レンズマウント基部が前に突出しているため、実質的な奥行きは長くなります。

Nikon 1 AW1

 ボディ単体の重さは実測で312.0gでした。メーカー公表値は313gです。

Nikon 1 AW1

 バッテリーとメモリーカードを加えた重さの実測値は355.0gでした。メモリーカードによって異なりますが、メーカー公表値は356gです。

Nikon 1 AW1

 初期設定時、水中使用時に注意すべきガイダンスが表示されます。海水中で使用した場合の後処理などについても簡単に説明されています。

Nikon 1 AW1

 AW1用に、ホワイトバランスやレンズゆがみ補正機能がカスタマイズされています。これはレンズの自動ゆがみ補正機能で、水中用の項目が用意されています。

Nikon 1 AW1

 液晶モニターはJ3と同じ3型92万ドットで、視認性は良好です。アスペクト比はイメージセンサーと同じ3:2のため、最大サイズの静止画は液晶モニター一杯に表示されます。

Nikon 1 AW1

 電子水準器と電子コンパスを表示させた状態。高度/水深の表示も可能で、高度計では-500m~+4500m、水深計は0m~20mで表示でき、画像データに記録することも可能です。


 ニコン Nikon 1 AW1の付属品をチェック

Nikon 1 AW1

 バッテリーチャージャー MH-27。J3/J2/J1と同じものです。バッテリーEN-EL20の充電には、最大で2時間かかります。

Nikon 1 AW1

 コンセント接続部は回転可能なため、可搬性に優れています。

Nikon 1 AW1

 リチウムイオンバッテリーEN-EL20。容量は7.2V 1020mAhです。静止画で250コマ、動画で55分の撮影が可能です。J3は220コマ、45分でしたので、電源管理の仕組みが改良されているのかもしれません。

Nikon 1 AW1

 バッテリーEN-EL20には、偽造防止用のホログラムが貼付されています。中国製。

Nikon 1 AW1

 付属するUSBケーブルUC-E19。パソコンやプリンター等との接続に使用します。

Nikon 1 AW1

 ストラップAN-N1000。ニコン1シリーズで共通のものとなっています。Nikon 1のロゴは貼付製ですが、ストラップ自体は十分な強度がありそうです。陸上での使用が推奨されていますので注意が必要です。

Nikon 1 AW1

 付属する専用シリコングリス。レンズマウント部のOリングの塗布することで、レンズの脱着が容易になるとともに、Oリングの摩耗も抑制します。

Nikon 1 AW1

 ボディキャップBF-N2000。ニコン1防水マウントに変わったことで、ボディキャップ自体も従来のBF-N1000とは異なるものが付属します。

Nikon 1 AW1

 ボディキャップの裏側。マウント部のバヨネットを利用して装着するタイプです。

Nikon 1 AW1

 BF-N2000にはOリングプロテクターが装着されています。これは、通常のニコン1用レンズを使用する時には、レンズマウント外周部のOリングが露出してしまうので、保護用に使用できます。

Nikon 1 AW1

 Oリングプロテクターを取り外した状態。

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3.ニコン AW1の描写性能はどうか?

 描写力チェック1:高感度性能

 ニコン 1 AW1に搭載されているイメージセンサーは、基本的にJ3(製品レビュー)V2(製品レビュー)と同じものですので、ほぼ同様の傾向を示しました。

 AW1の基本感度はISO160で、ISO6400まで設定可能となっています。拡張設定等の項目はありません。ノイズ低減処理の行い方としては、カメラ内での設定と、RAWで撮影しパソコン上での現像段階で行う方法があります。なお、カメラ内で設定した場合でも、RAWファイルには変更は加えられませんので、後から編集することも可能です。

 カメラ内でのノイズ低減は、「高感度ノイズ低減」と「長秒時ノイズ低減」の2つがあります。どちらも、メニューで設定できますが、「高感度ノイズ低減」は「絵づくりメニュー」内にあるのに対し、「長秒時ノイズ低減」は「撮影メニュー」の中に置かれていますので注意が必要です。

 「高感度ノイズ低減」は「しない」、「する」の2種類が設定可能となっています。「する」にした場合には、常に高感度ノイズ低減処理がかけられます。「しない」にした場合には、ISOを高感度に設定した場合にのみ、高感度ノイズ低減処理がかけられます。その場合でも、「する」にした時よりも弱めに処理がかけられます。

 「長秒時ノイズ低減」は、「する」と「しない」のどちらかに設定します。「する」に設定すると1秒よりも低速のシャッター速度で撮影したときに長秒時ノイズ低減がかかります。長秒時ノイズ低減処理を行うと、画像を記録するのにかかる時間は約1.5~2倍となります。「しない」にした場合には、遅いシャッター速度で撮影する場合に長秒時ノイズ低減処理がかけられます。その場合でも、「する」にした時よりも弱めに処理がかけられます。また、かかる時間も通常と比べて多少長くなる程度です。このあたりも、J3やV2と同じです。

 高感度ノイズ低減を「しない」にしても、ISO800まではほとんどノイズ感は感じられません。ISO1600あたりから、徐々にノイズが増える感じはしますが、ISO3200でも気になるレベルではありません。ISO6400になると、さずがに解像感の低下も感じられますが、縮小するなど使い方によっては十分実用可能なノイズレベルとなっています。

 高感度ノイズ低減を「する」にすると、1段分程度ノイズが低減化されます。解像感もやや低下しますが、ISO6400の等倍でそれなりに使えるレベルとなっています。

 標準の設定では、「長秒時ノイズ低減」は「しない」に、「高感度ノイズ低減」は「する」となっていますが、解像感を重視されるのであれば、高感度ノイズ低減も「しない」にしても良いかもしれません。

 なお、設定できるISO感度の上限はISO6400となっていますが、このノイズレベルを見ると、もう一段程度高感度側に設定を拡げても良いように思いました。このあたりは将来的にファームウェアのバージョンアップで機能追加できると良いと思います。

 下記のサンプルは、高感度ノイズ低減を「しない」、「する」の2段階で各ISO感度の撮影を行ったものとなります。表示画像は等倍画像ですが、クリックすると全体画像が表示されますので、あわせて比較をしていただければと思います。

SONY_ANEX-7
サンプル画像。左下の赤枠の部分を切り出してある。
画像をクリックすると、元画像の全体が開きます。

ISO160(左から「しない」「する」)
Nikon 1 AW1Nikon 1 AW1

ISO200(左から「しない」「する」)
Nikon 1 AW1Nikon 1 AW1

ISO400(左から「しない」「する」)
Nikon 1 AW1Nikon 1 AW1

ISO800(左から「しない」「する」)
Nikon 1 AW1Nikon 1 AW1

ISO1600(左から「しない」「する」)
Nikon 1 AW1Nikon 1 AW1

ISO3200(左から「しない」「する」)
Nikon 1 AW1Nikon 1 AW1

ISO6400(左から「しない」「する」)
Nikon 1 AW1Nikon 1 AW1


 描写力チェック2:解像度

 Nikon 1 AW1のイメージセンサーは有効1425万画素です。今回テストに使用したニコン 1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6は、既存の11-27.5mmレンズと同じ光学系であり、標準ズームレンズとしては良好な解像力を示しました。このレンズは、絞り開放でもしっかりとした解像力を示したため、この状態で確認を行いました。

 下記の切り出し画面を見ていただけるとわかるように、視覚解像度チェック用ライン、限界解像度チェック用ラインとも2500本ラインの識別が可能であり、イメージセンサーの画素数を活かしていると感じました。

 なお、他の焦点域や絞りによる変化については、1 NIKKOR AW 11-27.5mm(製品レビュー)をご覧ください。

  レンズ名:1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6
 焦点距離:11.0mm (35mm換算 約30mm)
 絞り値:F3.5 (開放絞りF3.5)
 使用チャート:ISO12233準拠チャート


(下図は、図の赤枠の部分を等倍で切り出したもの。)

Nikon 1 AW1
 限界解像度チェック用のラインでは、2500本まで視認できています。モアレもほとんど発生していません。

Nikon 1 AW1
 横方向の限界解像度チェック用のラインでも、2500本域まで視認できています。

 描写力チェック3:歪曲収差補正機能

 ニコン 1 AW1には、レンズの特性による歪曲収差を軽減する機能があります。撮影メニューの中にある「自動ゆがみ補正」がそれで、「しない」「する」のどちらかに設定できるようになっています。

 また、水中でも使用できるカメラのため、専用防水レンズを装着した場合には「する」が「する(陸上)」と「する(水中)」の2つに分かれます。

 レンズのゆがみ補正機能に対応しているのは1NIKKORレンズのみで、マウントアダプターFT1を介してデジタル一眼レフ用レンズを装着した場合には、自動ゆがみ補正は機能しません。

 テストに用いたのは、ニコン 1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6で、広角端の11mm域から27.5mm域まで確認をしました。

 テストした結果、自動ゆがみ補正機能で極めて良好に補正されることが確認できました。焦点域11mmの広角端では、画像周辺部に樽型収差がみられますが、自動ゆがみ補正を「する(陸上)」にすると、広角端の樽型収差もほぼ完全に補正されます。

 なお、参考まで「する(水中)」もテストしてみました。水中では糸巻型の収差が発生する傾向がありますので、逆に樽型の補正がかかります。概ね、「する(陸上)」と同じ程度の電子補正(補正する方向は逆となりますが)がかけられているように感じました。

 自動ゆがみ補正機能を使用すると、原理上画像周辺部がやや削られることになりますが、積極的に活用すべきように感じました。

11mmF3.5 (35mm版30mm相当)
(左から「しない」「する(陸上)」)

Nikon 1 AW1 Nikon 1 AW1

(参考「する(水中)」)
Nikon 1 AW1


18.2mmF4.5 (35mm版49mm相当)
(左から「しない」「する(陸上)」)

Nikon 1 AW1 Nikon 1 AW1


27.5mmF5.6 (35mm版74mm相当)
(左から「しない」「する(陸上)」)

Nikon 1 AW1 Nikon 1 AW1


 機能チェック(おまけ):連続撮影枚数

 ニコンによると、AW1の連写性能は次の通りです。
  • 連写:約5コマ/秒、約15コマ/秒、約30コマ/秒、約60コマ/秒。
 なお、連続撮影可能枚数は公表されていませんが、J3ではRAW+FINEで25コマ、RAWで27コマ、FINEで31コマでした。撮影時には液晶モニター右下に「r xx」(xxは数字)の表示がされますので、連続撮影可能枚数の目安となります。

 使用したメモリーカードは高速タイプのものです。
 (SanDisk ExtremePro Class10 Read 95MB/s Write 90MB/s)

RAW+JPEG(FINE L) RAW JPEG(FINE L)
5枚/秒  概ね5コマ/秒のペースで30枚を連写。その後は概ね1.1コマ/秒のペースでカード容量一杯まで連写。
(画面表示はr25)
 概ね5コマ/秒のペースで39枚を連写。その後は概ね2.0コマ/秒のペースでカード容量一杯まで連写。
(画面表示はr27)
 概ね5コマ/秒のペースで55枚を連写。その後は概ね2.6コマ/秒のペースでカード容量一杯まで連写。
(画面表示はr31)
15枚/秒  概ね15コマ/秒のペースで25枚を連写し、その時点で撮影は停止。
(画面表示はr22)
 概ね15コマ/秒のペースで28枚を連写し、その時点で撮影は停止。
(画面表示はr22)
 概ね15コマ/秒のペースで33枚を連写し、その時点で撮影は停止。
(画面表示はr22)
30枚/秒  概ね30コマ/秒のペースで20枚を連写し、その時点で撮影は停止。
(画面表示はr20)
60枚/秒  概ね60コマ/秒のペースで20枚を連写し、その時点で撮影は停止。
(画面表示はr20)
 ※上記のテスト結果は、撮影環境や被写体によっても左右されます。

 連写設定は速度の違いにより4種類ありますが、5枚/秒とその他では動作に違いがあります。5枚/秒の時には液晶モニター表示が追随するとともに、バッファー容量が一杯になっても連写を継続することができます。実際にRAW+FINEでも1.1コマ/秒のペースでカード容量一杯までの連写が可能でした。

 これに対し、15枚/秒以上の速度設定時には、バッファー容量が一杯になると連写が自動的にストップします。また、画面表示も停止したままとなります。なお、15枚/秒設定時には、設定している画質によって連続撮影可能枚数に違いがありましたが、30枚/秒と60枚/秒のときには、データ容量に関わらず20枚を撮影した段階で停止しました。

 なお、5枚/秒での連写時にはバッファー容量が一杯になった時点でも、もたつく感じはありませんでした。実際の撮影シーンでは、5枚/秒の設定を使う機会が多いと思いますが、ミラーレスカメラとしては快適な連写性能と連続撮影可能枚数だと感じました。


4.結局、1 AW1は「買い」か?

 独断 素晴らしい!smile ポイント 
  • 世界初の防水・耐衝撃・防塵対応レンズ交換式デジカメ。
  • 本格的タフネスカメラとしては小型軽量なボディ。
  • APS-Cサイズセンサーのカメラに肉薄する解像力。
  • ISO6400まで設定可能な高感度性能。(ISO1600までは十分常用可能)
  • アスペクト比3:2の液晶モニターを搭載。
  • ミラーレスカメラの中で群を抜くオートフォーカススピード。
  • 実用性の高い連写性能。
  • フルHD動画撮影に対応。
  • 高速なオートフォーカス。
  • ベストモーメントキャプチャーやレンズ補正機能など、撮影機能の強化。
  • アクション操作機能やグローブ操作に対応したボタン類など、工夫されたインターフェース。
  • GPS、電子コンパス、水深計、高度計を内蔵。
  • 水中でも活用できる内蔵フラッシュを搭載。
  • 既存の1NIKKORレンズも使用可能。

 独断 もう一息!not smile ポイント 
  • RAWが12bitのみで14bitでの撮影に対応していない。
  • メニュー構成がややわかりづらく整理が必要。
  • モードダイヤルをはじめダイヤルやレバー類がなく、すべてボタンによる操作系。(水中操作を優先?)
  • 15mまでの耐水性能(ニコノスは50mまで対応)。(実用上十分?)
  • 全体的にユーザーが設定できる範囲が狭い。
  • ニコン1防水マウント専用レンズは、他の1シリーズ・カメラでは使用できない。(防水構造上やむを得ない?)

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付録.製品仕様からみた 1 AW1の特長

型式  レンズ交換式デジタルカメラ
レンズマウント  ニコン1防水マウント
 ※J3はニコン1マウント。
実撮影画角  レンズの焦点距離の約2.7倍に相当(35mm判換算)
有効画素数  1425万画素
 ※J3も同じ。
撮像素子  13.2×8.8mmサイズCMOSセンサー、ニコンCXフォーマット
ダスト低減機能  イメージセンサークリーニング
記録画素数  静止画( 静止画オートモード、P、S、A、Mモード、ベストモーメントキャプチャーモード)
  4608×3072ピクセル
  3456×2304ピクセル
  2304×1536ピクセル
 静止画(アドバンスト動画モード)
  4608×3072ピクセル(1080/60i、1080/30p)
  1280×856ピクセル(720/60p、720/30p)
 静止画(モーションスナップショットモード)
  4608×2592ピクセル
 ※J3も同じ。
画質モード  RAW12ビット(圧縮)
  JPEG-Baseline準拠
  圧縮率(約):
   FINE(1/4)
   NORMAL(1/8)
   BASIC(1/16)
 RAWとJPEGの同時記録可能
 ※J3も同じ。
ピクチャー
コントロール
システム
 スタンダード、ニュートラル、ビビッド、モノクローム、ポートレート、風景、いずれも調整可能、カスタムピクチャーコントロール登録可能
記録媒体  SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード
対応規格  DCF 2.0(Design rule for Camera File system)、DPOF(Digital Print Order Format)、Exif2.3(Exchangeable image file format for digital still cameras)、PictBridge
撮影モード  オートモード、クリエイティブモード(P:プログラムオート(プログラムシフト可能)、S:シャッター優先オート、A:絞り優先オート、M:マニュアル、水中、夜景、夜景ポートレート、逆光、かんたんパノラマ、ソフト、ミニチュア効果、セレクトカラー)、ベストモーメントキャプチャーモード(スロービュー、スマートフォトセレクター)、アドバンスト動画モード(HD動画(P:プログラムオート、S:シャッター優先オート、A:絞り優先オート、M:マニュアル)、スローモーション)、モーションスナップショットモード
シャッター  エレクトロニックシャッター
シャッタースピード  1/16000~30秒(1/3ステップ)
 Bulb
※バルブ撮影時、シャッターは開いてから約2分経つと自動的に閉じます。
 ※J3も同じ。
フラッシュ同調
シャッタースピード
 X=1/60秒以下の低速シャッタースピードで同調
  ※J3も同じ。
レリーズモード  単写、連写、セルフタイマー
連続撮影速度  約5コマ/秒、約15コマ/秒、約30コマ/秒、約60コマ/秒
 ※J3も同じ。
連続撮影枚数  12bitRAWで27コマ
 ※J3も同じ。
セルフタイマー  作動時間:2秒、5秒、10秒
測光方式  撮像素子によるTTL測光方式
測光モード  マルチパターン測光
 中央部重点測光:Φ4.5mm 相当を測光
 スポット測光:Φ2mm 相当を測光、AFエリアに連動して測光位置可動
露出モード  P: マルチプログラムオート(プログラムシフト可能)
 S: シャッター優先オート
 A: 絞り優先オート
 M: マニュアル、おまかせシーン(シーン自動判別)
露出補正  範囲: ±3段、補正ステップ: 1/3ステップ
AEロック  シャッターボタン半押しによる輝度値ロック方式
ISO感度  ISO 160 ~ 6400(1段ステップ)
 感度制限オート(160 ~ 6400、160 ~ 3200、160 ~ 800) 
 P、S、A、Mモード、[水中] 時に設定可能
 ※J3も同じ。
アクティブ
D-ライティング
 する、しない
オートフォーカス  ハイブリッドAF(位相差AF/コントラストAF)、AF補助光付
レンズサーボ  オートフォーカス(AF): シングルAF(AF-S)、コンティニュアスAF(AF-C)、AF自動切り換え(AF-A)、常時AF(AF-F)
 マニュアルフォーカス(MF)
AFエリアモード  シングルポイント、オートエリア、ターゲット追尾
AFエリア  シングルポイント: 135点のAFエリア(中央部73点は位相差AF)
 オートエリア: 41点のAFエリア
 ※J3も同じ。
フォーカスロック  シャッターボタン半押し時(シングルAF(AF-S)時)
内蔵フラッシュ  オートモード、クリエイティブモード(ソフト、ミニチュア効果、セレクトカラー)時:オートポップアップ方式による自動発光
 クリエイティブモード(夜景ポートレート、逆光)時:オートポップアップ方式による通常発光
 クリエイティブモード(P、S、A、M)時:手動ポップアップ方式
 ガイドナンバー:約5(ISO 100・m)/ 約6.3(ISO 160・m)、20℃の場合
 ※J3も同じ。
調光方式  撮像素子によるi-TTL調光制御
フラッシュモード  通常発光オート、赤目軽減オート、通常発光、赤目軽減発光、通常発光+スロー、赤目軽減発光+スロー、後幕発光+スロー、後幕発光、発光禁止
調光補正  範囲: -3 ~ +1段、補正ステップ: 1/3ステップ
レディーライト  内蔵フラッシュ使用時に充電完了で点灯
ホワイトバランス  オート、水中、電球、蛍光灯、晴天、フラッシュ、曇天、晴天日陰、プリセットマニュアル、プリセットマニュアル以外はいずれも微調整可能
動画機能  撮像素子によるTTL測光方式
測光モード  マルチパターン測光
 中央部重点測光: φ4.5mm相当を測光
 スポット測光: φ2mm相当を測光、AFエリアに連動して測光位置可動
記録画素数
フレームレート
 HD動画、オートモード、P、S、A、Mモードで撮影した動画
  1920×1080 (60i (59.94fields/s))
  1920×1080 (30p (29.97fps))
  1280×720 (60p (59.94fps))
  1280×720 (30p (29.97fps))
 スローモーション動画
  640×240(記録: 400fps、再生: 30p(29.97fps))
  320×120(記録: 1200fps、再生: 30p(29.97fps))
 モーションスナップショットモードで撮影した動画
  1920×1080(記録: 60p(59.94fps)
  再生: 24p(23.976fps))
 ※J3も同じ。
ファイル形式  MOV H.264/MPEG-4 AVC
音声記録方式  AAC
 内蔵ステレオマイク、マイク感度設定可能
液晶モニター  3型TFT液晶モニター、約92万ドット、明るさ調整可能
 ※J3も同じ。
再生機能  1コマ再生、サムネイル再生(4、9、72 分割またはカレンダーモード)、拡大再生、動画再生、スライドショー、ヒストグラム表示、撮影画像の縦位置自動回転、レーティング、パノラマ再生
インターフェース  Hi-Speed USB
 HDMIミニ端子(Type C)装備
 ※J3も同じ。
電子コンパス  16方位(3軸加速度センサーによる姿勢補正機能付き、自動オフセット調整機能付き)
位置情報機能  GPS:受信周波数(MHz):1575.4200MHz、測地系:WGS84
 GLONASS:受信周波数(MHz):1598.0625MHz ~ 1605.3750MHz、測地系:WGS84
高度計  動作範囲:約-500 ~ +4500m(-1640 ~ +14760ft)
水深計  動作範囲:約0~20m(0~65ft)
表示言語  日本語、英語
電源  Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL20(1個使用)
 ACアダプター EH-5b(パワーコネクター EP-5Cと組み合わせて使用)(別売)
 静止画で250コマ、動画で55分の撮影が可能
 ※J3は220コマ、45分。
寸法(W×H×D)  約113.3×71.5×37.5mm
 ※J3は約101.0×60.5×28.8mm
質量  約356g(バッテリーおよびSDメモリーカードを含む、ボディーキャップおよびOリングプロテクターを除く)
 約313g(本体のみ)
 ※J3は約244g/約201g
動作環境  -10℃ ~ +40℃(陸上)
 0℃ ~ +40℃ (水中)
 湿度85%以下(結露しないこと)
耐衝撃/防水/防塵  MIL-STD 810F Method 516.5-Shockに準拠した当社試験条件をクリアー
 JIS/IEC保護等級 8(IPX8)をクリアー。水深15m(49ft)以内で60分までの撮影が可能。
 JIS/IEC保護等級6(IP6X)をクリアー
付属品  ボディーキャップ BF-N2000、Oリングプロテクター PA-N1000、Oリング WP-O2000、Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL20(端子カバー付)、バッテリーチャージャー MH-27、ストラップ AN-N1000(陸上専用)、シリコングリス、USB ケーブル UC-E19、ViewNX 2/Short Movie Creator CD-ROM、活用ガイド CD-ROM

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