トップレベルの描写力をコンパクトカメラ並みのボディに実装
4月17日に発売開始のV3から一週間、J4も発売となりました。ニコンによると、当初月産台数はV3の1万5千台に対し、J4は2倍以上の3万5千台となっていることを見ても、J4が1シリーズの主力機であることがわかります。もともと定評があったニコン1シリーズのオートフォーカス性能にさらに磨きがかけられるとともに、V3と同じ有効18メガ画素の描写性を、J3よりもさらにコンパクト化したボディに実装しています。
→発売前の記事「一口コラム:V3と同じ描写力のコンパクトミラーレス」。
2013年2月に登場したJ3。ボディ両側は曲線的ですが、デザインテイストはJ4と同じです。
J4の主な特徴は、次のとおりです。
- イメージセンサーは、J3の有効1425万画素からV3と同じ有効1839万画素へと高画素化。引き続きローパスフィルターレスです。
- 画像処理エンジンは、J3のEXPEED 3AからV3と同じ新型EXPEED 4Aに進化。デジタル一眼レフに匹敵する高画質を実現したとのことです。
- Af性能と連写性能が強化され、AF追従時の連写性能はJ3の15コマ/秒から20コマ/秒に高速化。
- 位相差AFエリアが73点から105点に、コントラストAFエリアも135点から171点に増やされ、カバーする面積と密度が向上。
- 動画性能も強化され、60iのフルHDから60pにも対応。動画撮影時の露出モードも変更できるようになるとともに、動画撮影中にカメラが自動的に判断して20コマまでの静止画も記録する「おまかせスナップ」も搭載。動画撮影中の電子手ぶれ補正機能も利用可能に。
- インターフェースはJ3のものを踏襲しています。
- メモリーカードはV3に引き続き、microSDカードを採用。
- 液晶モニターは固定式ですが、新たにタッチセンサー化されました。
- 今までのJシリーズ同様、電子ビューファインダーには非対応です。
- Wi-Fiも内蔵しました。スマートフォンでのリモート操作にも対応。
- ソフト面では、クリエイティブモード、アドバンスト動画モード、モーションスナップショットなどが新たに搭載されました。
- ボディサイズはわずかながらJ3よりも小型化されましたので、1シリーズの中では最小最軽量です。
J4の描写性能やAFは、基本的にV3と同じです。カメラまわりでの主な違いは、バッファー容量がV3の半分であることと、イメージセンサークリーニング機構の代わりにダストシールドが設けられている点です。(写真はJ4のダストシールド。)
J4の魅力は?
先日、V3を評価して実感したのは、解像感や高感度性能など、描写性能が一段と進化したということです。J4は、V3と同じイメージセンサーと画像処理エンジンを搭載していますので、J4も「ニコン
ミラーレスカメラ・トップレベルの描写力」を持っています。この実力を、コンパクトカメラと同等レベルのボディサイズに実装した点に、J4の魅力があります。
J4はコンパクトカメラと同等サイズです。右側は、1型センサーを搭載したソニー サイバーショット DSC-RX100M2。
ニコンは、デジタル一眼レフとの差別化ポイントを、描写性能とサイズに置いています。「1シリーズ」もV3やJ4の世代になって、ほとんどの撮影フィールドで十分な描写力に進化した結果、「コンパクトさ」という特長が一段とクローズアップされたように思います。その意味では、デジタル一眼レフのサブカメラとしての魅力が、さらに増したと言えます。
とくにJシリーズは、コンパクトカメラからのステップアップユーザーにもフォーカスしており、一般的なコンパクトカメラと同様のメニュー画面を中心としたインターフェースは、スムーズな移行に役立つかもしれません。
それでは、ニコンの新型ミラーレス、J4の実力をテストしてみたいと思います。
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