【一口コラム】V3と同じ描写力のスタンダード機
4月10日、ニコンから新型のミラーレスカメラ、J4がリリースされました。先日発表され、17日に発売予定のV3の下位モデルで、スタンダードモデルという位置づけとなっています。J4の発売は24日の予定ですので、V3の1週間後の登場と言うことになります。
まずは、J4の特長について、主なポイントを見てみたいと思います。
- イメージセンサーは、J3の有効1425万画素からV3と同じ有効1839万画素へと高画素化されました。イメージセンサーはローパスフィルターレスとなります。
- 画像処理エンジンは、J3のEXPEED 3AからV3と同じ新型EXPEED 4Aに進化しました。2つのエンジンを搭載し、デジタル一眼レフに匹敵する高画質を実現したとのことです。
- Af性能と連写性能が強化され、AF追従時にも20コマ/秒での連写が可能になりました。(J3は15コマ/秒。)
- 位相差AFエリアが73点から105点に、コントラストAFエリアも135点から171点に増やされ、カバーする面積と密度が向上しています。
- 動画性能も強化され、60iのフルHDから60pにも対応しました。動画撮影時の露出モードも変更できるようになるとともに、新たな機能として「おまかせスナップ」が搭載されました。これは動画撮影中に、カメラが自動的に判断して20コマまでの静止画も記録するものです。また、動画撮影中の電子手ぶれ補正機能も利用可能になりました。このあたりもV3と同じです。
- インターフェースはJ3のものを踏襲しています。
- メモリーカードはV3に引き続き、microSDカードが採用されました。メモリーカードスロットはバッテリー室の中に設けられています。
- 液晶モニターは固定式ですが、新たにタッチセンサー化されました。
- 電子ビューファインダーには対応していませんので、この部分はV3との大きな違いです。
- Wi-Fiも内蔵しました。スマートフォンでのリモート操作にも対応しています。
- ソフト面では、クリエイティブモード、アドバンスト動画モード、モーションスナップショットなどが新たに搭載されました。
- ボディサイズはわずかながらJ3よりも小型化されましたので、1シリーズの中では最小最軽量です。
J4(左側)とJ3(右側)。基本的なボディデザインは似ていますが、両側が曲線から直線に変わったことで、受ける印象は違ってきます。どちらかというとCOOLPIX P340に似ているように思います。
J4(左側)とJ3(右側)。液晶モニターはどちらも3型ですが、92万ドットから104万ドットに変わるとともに、新たにタッチ操作にも対応しました。右側の操作部はJ3を踏襲しています。
J4(左側)とJ3(右側)。ボディ上面のデザインも共通しており、モードダイヤルもPSMAを省略したものになっています。ボディサイズはわずかながらJ4の方がコンパクトになりました。重さも10g程度軽量化されています。
【ニコン1 J4とV3、J3の比較】
機種名 |

V3 |

J4 |

J3 |
イメージ
センサー |
有効1839万画素
1型 |
有効1425万画素
1型 |
画像処理
エンジン |
EXPEED4A |
EXPEED3A |
マウント |
ニコン1マウント |
ISO感度 静止画 |
ISO100-12800 |
ISO160-6400 |
オート
フォーカス |
シングルポイント: 171点のAFエリア(中央部105点は位相差AF) オートエリア: 41点のAFエリア |
シングルポイント: 135点のAFエリア(中央部73点は位相差AF) オートエリア: 41点のAFエリア |
シャッター
スピード |
30-1/4000秒(メカニカル) 30-1/16000秒(電子) |
30-1/16000秒(電子) |
ファインダー |
-
外付DF-N1000に対応(0.48型 236万ドット) |
非対応 |
液晶モニター |
3型104万ドット
アスペクト比3:2
上170°下87°チルト可動
タッチ操作 |
3型104万ドット
アスペクト比3:2
タッチ操作 |
3型92万ドット
アスペクト比3:2
非タッチ操作 |
連写速度 |
AF追随時は20コマ/秒 最高60コマ/秒 12bitRAWで連続60コマ |
AF追随時は15コマ/秒 最高60コマ/秒 12bitRAWで連続22コマ |
動画撮影 |
1920x1080
(60p) |
1920x1080
(60i) |
付加機能 |
Wi-Fi |
- |
バッテリー |
EN-EL20a
コマ |
EN-EL22
コマ |
EN-EL20
220コマ |
サイズ
(W x H x D) |
110.9×65×33.2 mm |
99.5×60×28.5 mm |
101.0×60.5×28.8 mm |
重さ |
324g/282g |
232g/192g |
244g/201g |
こうしてみると、J4はJ3のボディやインターフェースを引き継ぎつつ、イメージセンサーをはじめとする描写性能の部分ではV3と同じ新世代のものを搭載した「正常進化モデル」と言えそうです。このあたりは、V1と
J1、V2とJ3の関係に似ているかもしれません。
ほぼ同時期にリリースされるJ4とV3の主な違いは次の通りです。
- イメージセンサーや画像処理エンジンなどの描写関係は同じです。
- V3にはメカニカルシャッターも搭載していますが、J4は電子シャッターのみとなります。
- 液晶モニターはどちらもタッチ対応となりましたが、V3は上下にチルト可動するのに対し、J4は固定式です。
- V3は外付電子ビューファインダーDF-N1000に対応しています。
- モードダイヤルの設定項目やコマンドダイヤルの有無など、インターフェースにも差があります。
- ボディサイズは一回り違います。重さも90g差があります。
J4(左側)とV3(右側)。グリップやコマンドダイヤルなど、並べてみるとデザインやインターフェースに大きな違いがあります。描写性能は同等ですが、主にターゲットにしているユーザー層の差になります。
J4(左側)とV3(右側)。液晶モニターはどちらも3型でタッチ操作に対応していますが、V3ではチルト可動にも対応しています。液晶モニターの左側にはボタン類も置かれています。
J4(左側)とV3(右側)。どちらも新型の10-30mm沈胴レンズを装着していますが、受ける印象はかなり違います。
販売店では予約も受け付けられており、ボディ単体では6万円前後、標準ズームレンズキットで7万円前後、ダブルズームレンズキットで8万5千円前後となっています。同時にスタートしたキャッシュバックキャンペーンを含めると、各々5万5千円、6万5千円、7万5千円となりますので、レンズは異なりますが概ねJ3スタート時の価格と同等となります。また、1週間早くリリースされるV3とは2万円程度の差となりそうです。
なお、現時点ではJ3標準ズームキットで2万5千円程度となっていますが、セットになっているレンズの違いや描写性能、Wi-Fi搭載などの機能面も考えると、やはり新製品の選択をお勧めします。
( by Inaba Kunio)
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