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特集 ニコン Nikon 1 J3
1.ニコン Nikon 1 J3の位置づけと概要 |
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ニコン 1 J3
by Inaba Kunio
ニコン・ミラーレスカメラの新世代中核機 評価:5.0
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ニコンのミラーレス中核機2012年11月に第二世代ミラーレスであるV2が登場したことで、ようやくニコンのミラーレス戦略が明らかになったように思います。
薄型10mmレンズを装着したJ3。コンパクトカメラと同等サイズ。 J1/J2とJ3との主な違いは次の点です。
J3は売れるか?実際の答えは半年後、あるいは1年後でなければわかりませんが、価格政策を誤らなければ、J3は確実にヒットすると思います。まず第一に、レンズ交換式カメラに期待される画質レベルをクリアーしている点です。J1/J2の有効1010万画素のイメージセンサーは、比較的小型であるとはいえ、画素数の点でやや見劣りがしていました。最近では、1/2.3型のセンサーを搭載する多機能コンパクトでさえ、14メガから16メガ画素が主流となっています。もちろん、ここまで画素ピッチが小さくなると、画素数アップがどこまで描写力向上につながるのか疑問もあります。しかし、ニコン1シリーズが採用している1型センサーは、1/2.3型センサーの4倍の面積を持っていますので、まだまだ画素数アップが直接解像力の向上となってあらわれてきます。 第二に、そのサイズです。段違いに小さいペンタックスQ/Q10を除けば、J3のボディサイズはコンパクトカメラと同等レベルと言ってよいほど小型です。レンズ部分を除けば、キヤノン PowerShotS110やソニー サイバーショット DSC-RX100とほぼ同じサイズであり、今までの小型ミラーレスカメラよりもさらに一回り小さく、軽量になりました。言うまでもなくミラーレスカメラの一番の魅力は小型軽量性であり、J3(そしておそらくS1も)はそうしたユーザーニーズに最もマッチした製品に仕上がっているように思います。 第三に、気持ち良い動作感です。ニコン1シリーズの各機種は、像面位相差オートフォーカスと比較的深い被写界深度を活かして、デジタル一眼レフと同等の「キビキビ感」を実現しています。店頭で実際に操作してみてニコン1シリーズに決める方が比較的多いのも、コンパクトカメラに特有の「もっさり感」を感じさせず、キビキビと動く気持ちよさを体感できるからだと思います。 加えて、第四の理由を挙げるとすれば、価格です。このあたりは今後のニコンの販売戦略如何ではありますが、もともと多くはなかった可動部分をさらに整理統合したJ3やS1の製造コストは、かなり下方柔軟性をもっているものと推察されます。J1が「2012年ミラーレスカメラ販売数第一位」に輝いたのも、アグレッシブな価格政策が大きく貢献したものと思われますが、J3やS1は状況によってはJ1以上に魅力的な価格帯で販売される可能性をもっています。 それでは実際に、ニコンの新世代ミラーレス中核モデル、J3の実力をテストしてみます。 |