大型センサーの高級コンパクト 【パナソニック LUMIX DMC-LX100】
パナソニックから新型高級コンパクトデジカメ、LUMIX DMC-LX100が発売開始となりました。この機種はパナソニックの高級コンパクト、LXシリーズの新製品となりますが、今までのLXシリーズとの一番の違いは、レンズ交換式カメラ、マイクロフォーサーズ機に搭載されている4/3型イメージセンサーを搭載した点です。2012年8月に発売開始となったLUMIX DMC-LX7(実機レビュー記事) で採用された1/1.7型と比べると4倍以上の大きさであり、ソニーのDSC-RX100M3(実機レビュー記事) やキヤノン PowerShotG7X と比べてもさらに大きく、概ねPowerShotG1X MarkII(実機レビュー記事) の1.5型センサーに近いサイズと言えます。ズームレンズを搭載した高級コンパクトとしては最大クラスであり、明るいズームレンズとともに高い描写性能を実現しています。
2012年8月に登場したパナソニック LUMIX DMC-LX7(左側)と、2014年3月登場のPowerShotG1X Mk2(右側)。DSC-LX100は、パナソニックの高級コンパクトとして初の大型センサー搭載機となります。
【LUMIX DMC-LX7との比較】
LUMIX DMC-LX100(左側)とDMC-LX7(右側)。LX100の方が幅4.3mm、高さ0.9mm大きくなっていますが、正面から見たサイズはやや大きくなった程度にとどまっているように思います。イメージセンサーのサイズは4倍違っているとともに電子ビューファインダーも内蔵していることを考えると、素晴らしいと思います。なお、キヤノンのPowerShotG1X Mk2と比較すると、幅は同等ですがボディ高や厚さなどは、LX100の方がかなりコンパクトになっています。
LUMIX DMC-LX100(左側)とDMC-LX7(右側)。液晶パネルはどちらも3型で、このサイズの中によく電子ビューファインダーを搭載できたと思います 。親指部分の後ろダイヤルは省略されましたが、コントロールダイヤルが新設されています。なお、液晶モニターはどちらも固定式で、タッチ操作には対応していません。
LUMIX DMC-LX100(左側)とLX7(右側)。モードダイヤルを中心としたLX7に対し、LX100ではシャッターダイヤルと露出補正ダイヤルによるインターフェースとなっています。このあたりは、より上級者向けに設定されていると言えます。レンズ鏡胴に絞りリングとアスペクト切替スイッチ、フォーカス切替スイッチが設けられているのはLX7と同じですが、LX100ではコントロールリングが追加されています。
なお、LX100にはフラッシュは内蔵されていませんので、アクセサリーシューを活用することになります。
LUMIX DMC-LX100の主な特長は次の通りです。
イメージセンサーは有効1280万画素 4/3型 Live MOSセンサーで、フォーサーズ規格で採用されているものと同じです。おそらく、DMC-GX7 やDMC-GM5 等で採用されているものと同じものと思われます。総画素数は1684万画素のため、有効画素数との差が大きいですが、これはマルチアスペクト設計となっており、異なるアスペクトでも同じ画角を確保するためです。最大サイズの静止画では、4112 x 3088画素となりますが、横は最大で4480画素(16:9時)、縦は3088画素(4:3、1:1時)まで記録可能です。
設定できるISO感度は、ISO200-25600であり、拡張でISO100の設定も可能です。このあたりもミラーレスカメラ、DMC-GM5と同じです。
レンズは24-75mm相当F1.7-2.8で、サイズの大きいイメージセンサーにしては明るいレンズとなっています。なお、同等サイズのセンサーを搭載しているPowerShotG1X Mk2では、24-120mm相当F2-3.9となっています。
276万ドット1.38倍の電子ビューファインダーを搭載しており、トップレベルの見え方となっています。接眼部にはアイセンサーも内蔵されています。
液晶モニターは3型92万ドットのパネルで、固定式・非タッチ対応です。アスペクト比は3:2となっています。
ボディ上面にシャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤル、レンズ鏡胴に絞りリングが置かれており、上級者に配慮したインターフェースとなっています。ファンクションボタンもボディ液晶モニター側に3つ搭載しています。
Wi-FiとNFCを内蔵しています。
イメージセンサーが大きくなったにもかかわらず、LX7と同じ11コマ/秒(メカシャッター時)を確保しています。AF追従時も6.5コマ/秒(LX7は5コマ/秒)での連写が可能です。
4K(30p)での動画撮影に対応しています。
【PowerShotG1X MarkIIとの比較】
LUMIX DMC-LX100(左側)とPowerShotG1X Mark2(右側)。ほぼ同等サイズのイメージセンサーを搭載しています。幅はほぼ同じですが、高さは8mm程度の差があります。
LUMIX DMC-LX100(左側)とPowerShotG1X Mark2(右側)。液晶パネルはどちらも3型104万ドットですが、G1Xではタッチ操作とチルト可動に対応しています。なお、G1Xでは電子ビューファインダーは外付けになりますが、LX100では内蔵されています。
LUMIX DMC-LX100(左側)とPowerShotG1X Mark2(右側)。レンズのズーム倍率はLX100の3.1倍に対し、G1Xでは5倍になっていることもあり、沈胴時でもレンズサイズはG1xの方がかなり大きくなります 。インターフェースもLX100では、よりマニュアル操作を重視したものになっています。
LUMIX DMC-LX100には、自動開閉式のレンズキャップDMW-LFAC1が添付されています。
LUMIX DMC-LX100のスタート価格は10万5千円程度となりましたので、LX7の6万円よりも倍近い価格となっていますが、PowerShotG1X MarkIIの8万5千円前後と比べると、電子ビューファインダー内蔵分の価格差と言えそうです。ただし、DMC-LX100は上級者を重視したインターフェース設計となっていますので、キヤノンが想定しているユーザー層とはかなり違っていることを感じます。
また、24-75mm相当F1.7-2.8のレンズは、マイクロフォーサーズ用の交換レンズと比べてもかなり明るいレンズとなっています。マルチアスペクト対応によるイメージサークルの大きさの違いはありますが、このレンズだけをとっても高い魅力があるように思います。
(2014年11月13日 by Inaba Kunio)